明石

地域探訪 -JR明石駅前再開発特集-

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今回は地域探訪として明石を取り上げたいと思います。明石は神戸と姫路に挟まれて位置し、JRの新快速停車駅も市内に二駅、新幹線停車駅を有し、神戸、大阪への通勤も比較的容易な為、ベットタウン的な要素と臨海部の工場群も抱えた人口30万都市です。その玄関口となるJR明石駅前では市と特定事業者主導による大規模再開発が計画されています。

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計画ではJR明石駅前南側の駅前広場を含む2.2ヘクタールに地上34階 地下2階の再開発ビルが建設される予定で、ビル内には店舗、事務所、公共施設、駐車場、住宅が配され、完成すると明石市内では初の100mの高さを越える超高層複合ビルとなります。駅前広場を中心に同再開発ビルと駅、周辺を回遊できる歩行者デッキも整備され、名実と共に明石の玄関口が大きな変貌を遂げることになります。

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再開発ビルが建設される当該地は現状、ダイエー明石店跡の商業ビルを中心として老朽化した雑居ビルが複数立ち並んでいます。

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現地にはすでに建築計画のお知らせが掲示されています。来年6月には着工し、約3年後の1月に竣工予定です。設計は東畑建築事務所、施工は大林組が担当します。再開発ビルの規模は延床面積66,057㎡です。

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再開発対象地域を南側の国道2号線側からのぞみます。ダイエー店内には2001年にジュンク堂が進出しましたが、ダイエーの撤退後は同ビルの中核テナントとして存続。再開発ビルには同規模で再出店する予定のようです。またその隣の第二明宝ビルも解体の対象のため、テナントとして入居するみなと銀行明石支店は仮店舗へ移転予定です。

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2号線沿いです。明石市中心部の目抜き通りです。両サイドには金融機関や生命保険会社のオフィスビル、飲食店等が多く立ち並んでいます。向かって右側が再開発対象地ですが、手前右のガラス張りのオフィスビルである三井住友銀行明石ビルは今回の再開発には参加していません。

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駅前地区ではすでに既存建物の解体が開始されていますが、まだほとんどの建物は一部を除いて稼働中です。今後、閉店と解体が一気に進められていくものと思われます。

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すでに再開発の一翼を担う建物が完成を迎えようとしています。地上3階建の新店舗ビルです。三井住友信託銀行 明石支店等、再開発対象地区にある一部の店舗が移転してくる予定です。またこのビルの背後には仮設店舗が整備されており、再開発中の受け皿を担います。

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みなと銀行明石支店はこちらの白菊グランドビルの1-2階に移転し、再開発中も営業を続けます。

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再開発地区の真ん中を南北に貫いているあけぼの商店街。老舗が並ぶこのどこか懐かしい路地も姿を消し、新しいビルへと生まれ変わります。

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明石駅の東側にあたる東仲ノ町地区ではすでに大規模再開発が完了しています。2001年に誕生した再開発ビル「アスピア明石」は東館、北館、南館の3棟から構成されています。

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地上14階、延床面積約10万平方メートル(3棟合計)、店舗、住宅、事務所、公共施設、駐車場を兼ね揃えた複合ビルで、総事業費380億円の大プロジェクトでしたが、規模の割にこの再開発ビルが明石駅前にもたらした影響はあまり大きいとは言えません。

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明石駅はJRと山陽明石駅とドッキングした高架駅です。

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高架下のコンコースは神戸市内のどの駅よりも広いスペースを有し、姫路駅を彷彿とさせます。

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JR明石駅の一日の平均乗降客数は約10万人。

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山陽明石駅の一日の平均乗降客数は約2.8万人。単純計算で二駅の合算数は12.8万人に上ります。

しかしこれ程の乗降客数を誇る駅と比較してその駅前の商業エリアは貧弱な面は否めません。老朽化が進んだ明石駅前は近隣都市や郊外型モールの影響を受けており、30万都市の玄関口としても不釣り合いな状況です。

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ダイエーが撤退した今、前述のアスピア以外、駅前の主な商業施設と言えば高架下のステーションプラザのみです。広い高架下スペースを活かした商業施設ですが、同じ神戸SC開発が手掛けている周辺JR駅の高架下ショッピングセンターが次々とリニューアルし、プリコへ改称している中、なぜかこちらは昭和の雰囲気を残したままの状況が続いています。111店舗が入居し、売場面積は8600平方メートル。売上高は90億円。立地を活かして好調な売上ですが、この施設が駅周辺の小売を一手に吸収してしまっているとも言えます。

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唯一、新たに建設された駅ビルである南館のみが比較的見栄えの良い建物です。

駅前の再開発が起爆剤となり、JRも巻き込んで施設のリニューアルへと発展するのか要注目です。

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駅前の商業ビル「ラ・メール」にはファッションビルであるフォーラスが入居していました。もうその頃の面影はありません。

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再開発ビルには1-3階の3フロアに店舗、4階が医療モール、5階は市民サービス窓口、6階に市民図書館、屋上にはオープンエア広場が整備され、東側には超高層の住宅棟が建設されます。総事業費は324億円。野村不動産と大林組が事業の業務代行を担っており、施設の建設は大林組が、住宅棟の分譲はは野村不動産が行います。完成予想パースを見る限りは低層部はまるで百貨店のような佇まいですね。

同再開発がこの状況までに漕ぎつけるまでに紆余曲折がありました。明石焼きや魚の棚が目玉となって観光客数は増えているものの、都市間や地域間競争は熾烈であり、この再開発が明石駅前地区の地位低下に歯止めを掛けることができるのかどうか。開発の行方に今後とも要注目です。



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POSTED COMMENT

  1. yuudaihatchet より:

    JR、山電双方にこれだけの乗降客がありながら都市規模がそれにみあってないのは結局乗り換え需要だけで、駅から街に人を吐き出せてないのだろうと思います。
    その点、アスピア明石のように商業的な都市機能一辺倒を捨て、住宅を核に行政的な都市機能を一部移転させるというのは、前回の再開発の失敗(地元では専ら)から学んだ事なのかもしれません。

  2. passer-by より:

    山陽明石駅の1日平均の乗降客数は、半分の約28000人だと思います。通常、鉄道各社の利用状況は、JRの場合は「乗車人数」のみ、私鉄その他は「乗降客数」となっていることが多いため、注意が必要だと思います。
    ちょっと気になったので、投稿させていただきました。

  3. 匿名 より:

    良い計画だと思うのですが、設計施工が大林組というのが・・
    梅田の新阪急ビルを筆頭に、神戸の大林が設計したタワーマンションも
    失礼ながら美的センスを疑いたくなるデザインが多いもので・・
    実際、今回のパースを見ても、もう少しどうにかならないものかと・・

  4. ponta より:

    一応行っておくと梅田の阪急百貨店の設計は日建設計で大林組ではありません。マンションなども大林組自信がデザインしてる物は少ないと思いますが。
    最近、大林組の物件が多いですね。今まで神戸で多かった竹中工務店は少ない気がします。

  5. sirokuma より:

    建物のデザインは措くとして、駅前の一等地の権利関係をよく取り纏めたと思います。その中で三井住友は随分不粋な事をしましたね。完成後はずっと市民の目に晒され続けるのに…。
    10月から解体も本格化すると言う事ですが楽しみです。

  6. 旅人 より:

    その昔、山陽電車が地べたを走っていた頃の明石駅を知るものとしては隔世の感があります。
    完成は数年後でしょうが非常に楽しみです。

    そして姫路、明石と来れば次は三宮ですね。

  7. しん@こべるん より:

    yuudaihatchetさん

    山陽⇔JRの乗り換えはもちろんあるでしょうが、思っていた程でもないようです。バスから乗り換え客も多いのでしょうね。なのでJR駅構内のショッピングセンターは潤いやすいのかもしれません。行政施設を集めてより明石駅周辺に人が集まりやすい流れを作りたいのでしょうね。

    passer-byさん

    ご指摘ありがとうございます。訂正しました。

    名無しさん

    設計もコストありきなんではないかと思います。

    pontaさん

    大林の勢いは確かに目を見張りますね。竹中の受注が神戸ではだいぶ減っています。

    sirokumaさん

    駅前二棟の銀行ビルはそのままですね。いよいよ明石にも超高層ビルが誕生します。

    旅人さん

    見た目の駅前は大きく様変わりすることでしょうね。三宮は神商議も乗り出していますし、大きな変化のうねりを感じます。

  8. Mu. より:

    私も明石市民でしたし、地上時代を知っている者です。
    ダイエーのビルや小道も無くなってしまうのかと思うと寂しいですね。
    明石のフォーラスで服買うねんって、バイト先の女の子が言ってたなぁ。
    星電社も明石に店があって、万引きの疑いをかけられたのも・・・。

    明石まで、三宮から新快速で15分。
    凄い時代ですね。

  9. かめとからすすき より:

    雑居ビル群やダイエーの跡地は地権が入り乱れて再開発の必要性は認識していても取りまとめれる人が居ないまま時間だけがずるずる流れていました。
    そんななか地元出身の代議士の方々が地主や業者にかけあってプロジェクトを取り纏め
    明石駅の利用者の規模に見合った施設をと旗ふりした結果今回の再開発に結び付いたと聞いています。
    明石の浮沈がかかる大仕事だと思います

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