三宮再整備

2025年問題は起こり得るか? 大阪都心で大型オフィスビル相次ぐ完成 三宮バスターミナルビルへの影響は?


新中央区総合庁舎の完成時期遅れに伴って、同様に完成時期が当初の構想から1年遅れの2026年になる模様と思われる雲井通5丁目のバスターミナルビルI期地区。バスターミナルの整備に留まらず、文化ホールや図書館等の公共施設、商業施設、ホテル、オフィス等の複合機能を有する大規模再開発ビルになる予定ですが、中でも業務フロアは事業協力者の代表企業である三菱地所が50社を誘致すると意気込んで、森ビル率いる企業連合とのコンペを制しました。

しかしながら2025年開催の大阪万博に向けて、大阪の都心部ではこれまで抑制されてきたオフィスビルの開発・供給が息を吹き返すように万博開催年の前後に大型オフィスビルが相次いで完成する予定です。


まずは大阪神ビルと新阪急ビルの建替として建設工事が進む大阪梅田ツインタワーズ・サウス。2022年完成と大型プロジェクトの先陣を切るこの計画は大型複合ビルの11-38階がオフィスフロアとなり、基準階賃貸面積はなんと3,500平方メートル。単純計算で9.1万平方メートル(オフィスゾーンとしては14.3万平方メートル)のオフィス床が誕生します。

umekita2-1.jpg

そして2024年には大阪都心最大規模のプロジェクトであるうめきた二期地区の街開きが予定されています。複合開発なのでオフィス床がどれだけ供給されるのかは未だ判明していませんが、北街区、南街区に分かれた開発により、一期だったグランフロント並もしくはそれ以上の規模になるかもしれません。うめきた二期の事業者で中心的な役割を果たすのも三菱地所です。


淀屋橋のエントランスである御堂筋の両側では日本土地建物、京阪電気鉄道、西側は大和ハウス工業、住友商事等の企業連合が延床面積20万平方メートル超えのツインゲートタワーを2024〜2025年の完成を見込んで計画しています。


更には都市伝説化していた大阪中央郵便局跡地の再開発にいよいよ日本郵便やJR西日本等が乗り出します。地上39階 延床面積22.7万平方メートルにオフィス、ホテル、劇場、商業施設を備えた複合高層ビルを計画しており、こちらも2024年の完成を予定しています。

この他にも淀屋橋周辺ではオービック御堂筋ビル、日本生命淀屋橋ビル、OBPにも京阪神OBPビル等が誕生する予定です。

大阪はグランフロント大阪や梅田阪急ビルという一級ビルの開業による大量供給のタイミングが景気後退と重なり、淀屋橋や本町でもオフィス需要の低迷が長期化した為、新規供給が抑制されてきました。その反動が一挙に出てきたと言えます。これらの大阪都心部の大型オフィスビル完成によるオフィス床大量供給によって、関西エリアで新規に拠点オフィスを設けようとする企業にとっては選択肢が多く用意される事になります。需要は旺盛ですので、これでも満たされない可能性はありますが、三宮のバスターミナルI期ビルの完成は着工時期の遅れから、これらの大量供給に後塵を排する事になります。三菱地所もうめきたと三宮の両輪を軸にしようと目論んでいた筈ですが、ライバルがこうして次々に同時期にオフィス床の供給を進めるとなると、うめきたを優先する事に専念しかねません。

bustabuild-03.jpg

バスターミナルビルは神戸市の条例によってオフィスフロアとなる高層部の東西幅を40m以内に規制されています。よって進出企業の使い勝手を改善しようとすると、南北幅で1フロアの面積を確保する必要があるので、坂茂氏の描いたようなスリムタワーにはなり難いかもしれません。また外からの需要を引っ張ってこれない場合、再び人工島に本社を置く大企業の都心回帰の受け皿となる可能性も大きいでしょう。読者の方のコメントにもありましたが、2026年へのプロジェクト完成時期のズレ込みはバスターミナルによる交通拠点としての役割拡大の機会も逸する可能性があります。

これらのインパクトも覚悟の上での遅延でしょうか。3号館跡の中央区総合庁舎建設の遅れは大きなリスクを孕んできているかもしれません。空港国際化による需要牽引を期待したいです。

関連記事

POSTED COMMENT

  1. ハコモノ行政 より:

    分不相応な高額家賃でなければ、特に問題無く埋まると思います。神戸で回りまわって影響を受けるとすれば、旧居留地のオフィスビルでしょうね。駅から遠く、規模も小さく、やや古臭く様々な制限がある割には家賃が安くないですから。店子を梅田に取られ、御堂筋沿いに取られ、三宮駅近に取られ、どうやって生き残るか今から考えておくべきでしょうね。

    分不相応な高額家賃でないと回らないまま建ててしまった場合は、どこかが泥を被るのでしょう。

  2. sirokuma より:

    大阪の開発ラッシュには夢があります。この他にも夢洲のあの駅ビル計画とか、りんくうで2023年開業予定のマレーシアのデベによるホテルと住宅開発がどうなるのかも気になります。
    オリンピック後の都市開発は東京から大阪に舞台を移し万博、更にIR誘致が成功するとその先まで続きそうです。
    私が最も楽しみなのは、うめきた2期です、敷地面積90,000㎡の内、45,000㎡が都市公園として整備され大阪駅前に森と池と1万人規模のイベントに対応できる大きな広場が出現し、同時にその公園を挟み南北のエリアにオフィス(2棟)・ホテル(2棟)・オフィスとホテルの複合ビル(1棟)・MICE施設・商業施設・分譲住宅(47F・51F)・イノベーション施設・プラットフォーム施設・ミュージアム…etc。を備えた街が出現します。
    神戸で例えるなら、京町筋と鯉川筋に挟まれた旧居留地エリアが道路も含めて10.8万㎡位です。これくらいの広さの街が大阪駅前に出現する訳です。因みに東遊園が歩道も含めて約3万㎡ですからこうえんはこの1.5倍の規模ですから凄いとしか言いようがない。
    この駅前の巨大空間が埋まる事で大阪北エリアの都市圏は更に西へ広がるでしょう。大阪は国際都市として着実に歩み続けているように思います。
    大阪は、御堂筋の高さ規制撤廃後に堰を切ったように御堂筋沿線の大型再開発が進み高級ホテルが何件も進出し、路面には高級ブティックが出現して神戸の旧居留地の十八番、旧居留地のブティック街を凌駕していきます。
    神戸は、逆張りで規制による街造りを標榜していますが、例えば旧居留地内にどれくらい後世に残すべき維持管理された建物があるでしょうか?腰巻ビルを省けば片手で足りそうです。
    旧居留地の多くのビルは時代遅れのビルになっています。このままでは万博前後のビル竣工により、神戸で起業したり進出している企業も大阪に拠点を移していくのが自然な流れとなるでしょう。中小にも大手にも新たなビジネスチャンスが生まれる空間が整備される大阪の開発とその規模はそれ程魅力的です。
    ハコモノさんの的確なご指摘の通りバスターミナルの最新仕様のオフィスは問題なく埋まるでしょうが、旧居留地から移転する企業も多く結局ここでも旧居留地の格付けは、数段下がることになると覚悟すべきでしょう。
    市長を筆頭に行政も議会もこのお隣の再開発ラッシュに危機感を抱くどころか、低金利・好景気に市場が沸いている貴重な時期に“ベッドタウンにはならない!”・“神戸らしさとは?”なんて、市場経済的裏付けが何も無い街づくり構想に時を浪費しているのが、私には信じられません。新たな政策を打ち出すたびに神戸市の潜在的優位性が削ぎ落されていくそんな思いの今日この頃です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です