三宮再整備

都心~ウォーターフロント間における連節バス等運行予定事業者に神姫バスを選定



昨年10月に連接バスによる都心とウォーターフロント間のアクセス向上・本格運行の可能性を検討する為の社会実験が実施されていましたが、神戸市は今年3月に「都心~ウォーターフロント間における連節バス等運行予定事業者募集」を行いました。6月中旬には先行結果が行われる予定でしたが、神戸市より予定事業者選定の結果が発表されました。



最終的にこの募集に応じたのは社会実験時に連接バスを提供した神姫バス一社のみでした。選考理由は「選考委員会による審査を実施した結果、事業コンセプトに適合した提案で、審査項目全般において良好な内容であったため、運行予定事業者として選定した」との事。評価点は100満点中80.7点でした。


提案概要

1. アクセスの充実と利便性の向上
ウォーターフロントへのアクセス拠点は神戸市の玄関口である“新神戸駅”のほか、交通結節点である“三宮駅”と“神戸駅”とし、お客様に分かりやすくご利用しやすいダイヤを設定いたします。

2. 他者との連携強化
賑わいあるまちづくりには徒歩等で移動しやすく、また多様な交通モードを組み合わせることが必要です。提案路線においては、シティー・ループやコベリンとの乗換拠点を設けて、市内中心部での移動をスムーズにすることをはじめ、支払い決済においても他交通機関との共通化や沿線商業施設とのタイアップを図ることにより、公共交通機関を利用して神戸のスポットをより多く巡るシステムを構築いたします。これにより神戸市中心部への過度なクルマの流入を抑制し、環境負荷の軽減を目指します。

3. バリエーション豊富な車両の導入
みなとまち神戸に相応しく、洗練された都市空間を肌で感じていただくことを念頭に、鮮やかなラッピングを施した“連節バス”のほか、オープントップバス“SKY BUS(スカイバス)KOBE”、さらに一般路線バスを改良した“観光用特別車両”の3種類のラインナップをご用意し、乗ることを目的とした、繰り返しご利用いただける車両を導入します。また、キャッシュレス時代に対応した運賃決済システムを取り入れ、県内外のみならず訪日外国人の方々にもご利用しやすいバスを目指します。

運行ルートやダイヤ及び料金設定によって利用者数は大きく左右される事になるかと思われます。ただ最近のシティループは週末や連休の混雑がかなり顕在化しているようです。先日も土曜日の南京町前で満員の為に乗車できない乗客を見かけました。



運行開始までには今後約2年を要します。始めるのであればもっと早いタイミングでと思いますが、この運行にも警察や国土交通省からの許認可等にも時間が掛かるのかもしれません。このバス運行はBRTではなく、単なる連接バスの投入です。福岡でも連接バスをBRTと称して運行していましたが、専用道路を走っているわけではありませんでした。都心部にBRTを整備する事は困難を極めます。GWに九州を訪れた際には福岡も鹿児島も都心部を走るバスの数の多さが際立ちました。神戸もシティループは観光客に人気ですが、市民がもっと気軽にバス利用できる循環バスの投入によって都心内部の回遊性が高まる可能性が出てくるのではないかと思います。この連接バスがその役割を担えるのかどうか。

 

 
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POSTED COMMENT

  1. 摂津国人 より:

    BRTと連接バスの違いに言及した記事を書いてくださってありがとうございます。

    BRTは、車外運賃徴収と全部あるいは一部専用道を走行すると主に定義されている交通システムで、バスよりも「電車の車両をバスに変えたもの」に近いです。
    南米などでよく導入されている交通システムで、特徴としては、
    1. 運賃徴収を車外のBRT駅で行う。このため、下車時の込み合いが少なくなる。
    2. 全て専用道あるいは一部の専用道を走る。このため、渋滞の影響を受けにくい。
    3. 一般の道路も走行できる。このため線路や専用道を引けなくても都心まで乗り入れることができる。
    が挙げられます。

    もしも、連接バスでもキャパシティが不十分なのであれば、やはり地下鉄海岸線の現行路線を今からでも新神戸―三宮東(三宮バスターミナルツインタワー下)―新港突堤基部―メリケンパーク―ハーバーランド(umie下)に切り替えられないでしょうか。
    新港突堤の開発はまだですが、現時点でも神戸税関があり、第三突堤には高松や小豆島、宮崎行きなどの船が発着しています。
    特に、三宮東の三宮バスターミナルツインタワー下は、今のうちから計画を立てておかなければ、バスターミナルができてからでは地下鉄は建設しにくいでしょう。
    新神戸まで延伸することで、新神戸から神戸に入る観光客をウオーターフロントまで誘導する効果もあります。
    以前、神戸空港へのアクセスでコメントしたように、新神戸―三宮東―ポートアイランド―神戸空港の地下鉄と併せて計画するのがよいように思います。
    神戸空港へのアクセスの速達性と必要キャパシティを加味すると、ポートライナーでは8両化しても十分な解決には至らないでしょう。
    このまま海岸線を赤字路線のままほおっておくよりも、改善を加えて需要に合わせることができれば黒字路線に転換できるのではと考えた次第です。

    神戸市の再開発自体が、その場しのぎの小粒になっているのが気になります。
    ウォーターフロントへのアクセスが不便 → じゃあ連接バスで
    神戸空港へのアクセスが不便 → ポートライナー8両化で →いや、やっぱりバスで
    といった感じで、全体を俯瞰した投資的な再開発ができていません。

  2. 某京都府民 より:

    連節バスもそうなのですが、全体的に公共交通機関の運賃が安くなると良いと思います。

    たとえば、ポートライナーは運賃が高すぎないでしょうか。せっかくの無人運転の割には、係員が多すぎて経営を合理化できていないのでは。値段を下げればポーアイに遊びに行きやすくなります。通勤ラッシュの混雑度はそんなに悪化しないと思います。

    さらには海岸線も自動運転にして合理化し、存在意義を高めたいところです。

  3. 匿名 より:

    正直、神姫バスしか成り手がいないのです。
    神戸は坂道だし垂水やら須摩やら狭小地を走らないとならないので熟練が必要です。
    だから連休の事故みたいに持病持ちの運転手を再雇用しなければ運転手が足りないんです。

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