栄町通

栄町通1丁目 GSパーク神戸内で建設工事が開始されるが・・・ 大規模再開発は遠のいてしまった可能性が高い



読者の方から、元町・栄町通の大型コインパーキング「GSパーク神戸」で建設工事が開始されたという情報提供がありましたので、早速、現地確認をしてきました。

この土地についてはこれまで2年前に試掘が行われる等、再開発を睨んだ動きが確認されてきましたが、その後、具体的にプロジェクトが浮上する事なく、時間が経過していました。

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従って工事が開始されたという情報に対して、非常に「嫌な予感」を抱きながら、現地に足を運びました。



現地ではパーキングの西側約半分を閉鎖。既に仮囲いを設置して、工事を開始していました。現状は油圧ショベルを使って既存舗装のアスファルトの剥離を進めています。



敷地面積約3,000平方メートル程の土地ですが、東側が容積率700%に対して、工事の始まった西側は600%に指定されています。



そして仮囲いに貼られた張り紙を見て、落胆しました。

「当駐車場は、立駐化プロジェクトが工事に伴い・・・」

嫌な予感が的中しました。工事が開始されたと聞いて、7割の確率で立駐化が頭をよぎっていましたが、まさに予想した通りでした。

本格的な大規模開発事業に着手するには景観条例を含めた法規制に乗っ取り、各種事前手続きや許認可が必要な為、突然、工事が開始される事はありません。



新設される立体駐車場の建設工期は約4ヵ月間の来年2月末まで。発注者は土地を保有し、GSパークを運営する銀泉。施工者はIHIトレーディング、設計はParkキング建設。

コロナの影響を受けて、水面下で動いていた再開発プロジェクトが凍結された為、当面の間の開発は断念された結果、土地の収益性を高める為に更なる駐車台数を確保できる立体駐車場の建設に踏み切る事になったというのが大方の筋書きでしょうか。

立体駐車場の規模・階数がどれ位なのか次第ですが、こうした投資が行われる以上、もう当面の間はこの土地の再開発プロジェクトは封印されてしまう事を意味します。憶測ですが、開発計画には目と鼻の先に立地する大丸神戸店を抱える大丸松坂屋百貨店・Jフロントリテイリングが関与していたのではないかと思います。



しかし百貨店には軒並みコロナによって経営に甚大な影響が及んでおり、新たな投資を行える余裕がありません。タワーマンションの建設も禁止されている為、この都心商業地における大規模開発用地に手を出せるデベロッパーは残念ながら現時点においてはいないという事が立駐化を進めさせてしまったものと思われます。

しかし今後、三宮駅周辺の再開発が本格化していくと、パワーバランスが崩れて元町の地盤沈下が懸念されます。対三宮における元町活性化の起爆剤となり得るポテンシャルを秘めた土地だけに、JR三ノ宮新駅ビルの開業する2029年までには対抗策となる再開発方針を固めなければ、元町は大きく衰退する可能性があります。

可能性としては低いとは思いますが、西側の立駐化後、残る東側を開発するという事も考えられますが、開発面積を減らすので規模は縮小され、思うようなインパクトのある再開発は期待出来ません。
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POSTED COMMENT

  1. HH より:

    あらら…まとまった土地なだけに何年もどうなるのか期待していましたが結局はそうなりましたか…
    そう言えば中断していた中山手通ホテルの建設が中止になり15階建てのマンションになるみたいですね

  2. kingi より:

    この銀泉って会社
    本当にどうにかなりませんかね
    センター街入口の三井住友のビルもここが所有なんですよねえ。。

  3. ひで より:

    神戸市独自の規制が民間による都心再開発の大きな足枷になっていると思います。そろそろタワマン禁止や景観条例、ホテルのベランダ設置等の義務を再考し。大阪市より簡単に建設出来るくらいにしないと、大手からは完全にそっぽを向かれるでしょう。

  4. トライ より:

    この場所でもオフィスも商業需要もない神戸の現状が残念でなりません。

  5. おっさん より:

    なんで大阪と同じようなタワマンやら大規模商業施設やらを建てたがるのかよくわからないですね。神戸らしいこじんまりした街でいいじゃないか、と思いますが。

  6. sirokuma より:

    神戸らしさって、何でしょうね。
    神戸には開港以来、数々の異人館や商館が当時の最先端の技術で建てられました。貿易センタービルは、霞が関ビルに次いで建てられた日本で2番目の100mを超える超高層ビルでした。
    ポートアイランドや六甲アイランドも海上文化都市の先駆けとなる開発でした。そして注目すべきはポートアイランドの島開きに合わせて整備された神戸コンベンションセンター群の整備です。これは今でいうMICEであり、まさに先見の明があった神戸市と財界は1981年に日本最大規模のMICE施設を整備していたのです。神戸が国際都市として最も輝きを放っていた頃だと思います。そのお陰で、約40年後の今でも国際会議の招致数はトップクラス(2019年は東京23区に次ぐ全国2位)を誇っています。しかし、今大阪ではMICE機能を備えたグランフロント・うめきた等の大型開発が進み。更に巨大なMICE機能を備えたIR誘致計画も進行中で、神戸の老朽化した施設群は再整備必至の状況だと思われます。
    久元市長の少子高齢化を極端に意識した縮み志向の規制の数々の影響か”神戸らしさ=異人館や旧商館の街並み=こじんまりした街”が定着したのでしょうか?
    だとすれば、今後の神戸の成長は望めないと思います。神戸は開港以来、常に進取の気性に富んだ人々により立ち止まらず動かされ成長してきた街です。今は先人たちが残してくれた遺産で食べているようなものです。
    大都市圏にある神戸市は兵庫県の中核都市として県を牽引するエンジンの役割も担っています。
    そしてこれからは、大阪・京都と共に関西経済を支えていく覚悟が必要だと思います。
    次の50年を支えるインフラの整備は、今何が必要か?だけではなく、将来、何が必要か?を考えた最先端で大胆な整備であるべきだと思います。

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