6月に開業以来初のリニューアルを行なった新長田駅前の中核商業施設・東急プラザ新長田。新長田駅前ビルの低層部で営業していた大丸新長田店が退店し、この後継として出店したのが東急プラザでした。しかし開業から11年を経て、流通環境も大きく様変わりし、テナントの入れ替えを必要としています。
中央のエレベーターホール。リニューアル前と後では、天井周りのデザインが変更されています。ナチュラル基調の路線は維持されています。
案内表示は既存のフレームを再利用し、内部の文字盤はシックなブラックに変更。
1階の最も大きな変化は無印良品の出店です。今回の東急プラザ新長田のリニューアルにおける最有力中核テナントと言えるでしょう。
無印良品の出店攻勢は留まる事を知らず、神戸市内でも中央区を皮切りに、北区、須磨区、東灘区、西区、垂水区、そして今回の長田区と神戸市内9区の内、7区への進出が完了。
残るは灘区と兵庫区の2区のみ。どちらが先に無印無し区を返上できるか。灘区で出店の可能性があるのはブルメールHAT神戸、兵庫区はイオンモール神戸南でしょうか。
建物内中央の吹き抜けは1階が無印のフロアの真ん中になる為、無印のコンセプトからか梁の表面を板で覆って、ナチュラルな雰囲気に変更。
階段周りの梁も全て板張りになりました。
近所の商業施設内に無印。100均でないところが、近隣住民が優越感に浸れるといったところでしょうか。数が増えたとは言えど、やはりエリアの中核商業施設にしか出店はしていません。
1階のABCマートも三菱東京UFJ銀行跡の区画も合わせて増床・リニューアルしました。
1階に新規出店した今八商店。さんちかで人気の同店が新長田にも進出。東急プラザでは異色のテナントですが、人を集める事には長けているようです。
郊外の住宅街を後背に抱える商業エリアの施設ではアパレルブランド店舗の経営は非常に厳しい状況が続いており、東急プラザ新長田でもリニューアルを機にアパレル・ファッションテナントの床が大きく減りました。
マツモトキヨシも増床拡大オープンしましたが、こちらもファッションテナント跡で売場面積を広げました。
2階のデコホームや雑貨店の退店跡には、DAISO/THREEPYやデイリーファッションパレット等が出店。
東京都心ではない、東急プラザ蒲田や戸塚のテナントを見ても、新長田よりも有力なファッションテナントを多く入れており、今回のリニューアルに向けたリーシング交渉が必ずしも順風満帆ではなかった事を物語っています。
エレベーター周りも天然木材のイメージを全面に押し出しています。
今回のリニューアルは、良く言えば地域のニーズに合わせて、以前より地域密着型の商業施設への転換を図ったと言えます。しかし六甲アイパーク、イオンモール神戸南、プレンティもそうですが、近年にリニューアルや新設された商業施設は新たなテナント誘致に苦戦を強いられており、上手くいっても飲食テナントが主軸となり、物販店の場合は限られた企業に集中しがちです。
神戸阪急のリモデルは、やはり阪急プランドの力と三宮のターミナル百貨店という立地環境が奏功した流石の結果でしたが、他の商業施設が同様の事が可能かと言えば、難しいと考えざるを得ないでしょう。時代が急速に変化し、商業施設の在り方も対応が求められるようになっているのは、神戸に限った話でありません。都市間、地域間競争はこれまで以上に厳しさを増しています。
東急プラザ新長田のリニューアルとその内容から見えてきた課題
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いつも有難う御座います。楽しく拝読しています。商業施設の業界環境から長田の状況まで広く知ることができました。一歩一歩神戸を良くしていきましょう!
余談ですが、「無印無し区」という字面が面白く気に入ってしまいました笑