事業の着手までのプロセスが難航を極めているJR芦屋駅南地区第二種市街地再開発。市議会の承認を得てようやく前進すると思いきや、新市長による待ったが掛かった事により、事業協力者から特定建築者に昇格していた東急不動産が辞退する事態にもなり、今年4月に特定建築者の再公募に至りました。
計画されているプロジェクトは敷地面積約1.1ヘクタールに、商業・公共施設を低層部に配置し、高層部は住宅とした2棟の地上11階建てのツインビルを中心に、駅前広場の整備と芦屋駅と直結したペデストリアンデッキの構築です。
そして先月末に芦屋市から発表があり、特定建築者について再び東急不動産を選定した事が判明しました。他に応募者はおらず、そのまま決まった状況です。東急不動産が一時は特定建築者から降りた理由を、市が再開発計画を変更した事で、コストが上昇し、提案済の計画は実現できないと判断したと説明しましたが、これはあくまで表向きの理由なのではないかと思います。度重なる市政の変遷にに翻弄された上での抗議の意味合いが強かったのではないでしょうか。
結局は不要な時間とコストを費やしつつも、元鞘に戻りました。26年1月の着工に向けて、現地では再開発エリア内の既存建物の解体が進められています。
予定地の東端は暫定利用の駐輪場が整備されました。西側にある既存の駐輪場を移設するのでしょうか。工事計画が知りたいところです。
イカリスーパーの入っていたビルも更地となりました。
移転と解体が続いていますが、まだ事業用地には複数の建物が残されています。その中には数戸の戸建住宅も含まれています。
今後、1.4年でこれらの全ての建物を撤去し、28年の完成を目指して再開発が始動します。
芦屋市の人口は約93,000人。20年前と比較すると、2,000人程増えています。近年は大きな増減はなく、横ばいを維持。10万人未満の都市ですが、JR芦屋駅には新快速が停車し、百貨店の入る駅ビルを有し、南北の駅前に再開発ビルが展開するという、全国でも珍しい環境が整っているのではないかと思われます。
駅前に面してまだ残る建物は計4棟。一部の店舗はまだ営業しています。
JR芦屋駅の東側の土地では既に工事が開始されています。予定では一般車用の送迎ロータリーを整備する計画ですが、市長の意向で緑地化の可能性もあります。
シートパイルが埋設された山留が行われています。内部の掘削を予定しているようです。建物の建設計画はありませんが、この大規模な工事の目的は何でしょうか。
紆余曲折を経てようやくの始動が待たれるJR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業。芦屋に新しい風を吹き込む事ができるでしょうか。