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先日、約3年ぶりに横浜に行ってきました。目的は昨年秋に開業したばかりの大型アリーナ「Kアリーナ横浜」で行われた音楽フェス。同アリーナは、ケン・コーポレーションが開発したみなとみらいの60街区から62街区の複合施設「ミュージックテラス」にある音楽専用アリーナです。
2万人の収容人数を誇る国内でも最大級の規模を誇り、ゆずのライブによるこけら落とし以降、高い稼働率で大物アーティストの音楽興行を継続しており、高い話題性と共に快進撃を続けています。
この巨大アリーナのコンセプトは、「すべてが音楽ライブのためにつくられた世界初のアリーナ」。
この巨大アリーナにて、TVアニメ「進撃の巨人」の放映10周年及び完結を記念した集大成イベントとして、ライブフェス「ATTACK FES」が1月27・28日の2日間で開催されました。
Kアリーナへ向かう人々の波に乗って、同アリーナを中心としたミュージックテラスへのアプローチを進んでいきます。
ゴージャスな柱・ライティングツリーに彩られたミュージックテラス内の2層吹き抜け通路を抜けると、いよいよアリーナの正面広場に到達します。
Kアリーナの巨大さと迫力は流石、2万人収容の施設の佇まいと言えます。
アリーナ前の広場にはキッチンカー等も出店し、フェス開始前に集う多くの人々で賑わっていました。これぞコンサート会場の風景です。
ここにも「BE KOBE」を彷彿とさせる「K-Arena」のモニュメントも設置されており、記念撮影する人々も見受けられました。
複合ビルの低層部にはレストランやカフェも集い、コンサートシティの様相を呈しています。
アリーナ内部は、アリーナ席のレベル1、スタンド席の3、5、7と4段階のレベルで構成されています。
今回のフェスもほぼ満席状態で2万人の熱気に満ちていました。フェス1日目は「進撃の巨人」の全てのシーズンでオープニング・エンディングソングを歌ったアーティストが結集し、ライブを披露。メインキャラクターを演じた3人の声優が曲間のコメンテーターを務め、3時間のフェスは大盛況に終わりました。漫画の連載やアニメの放映期間が長かった事もあり、会場に詰めかけたファンは老若男女。
会場が非常に大きいので、最上段のレベル7になると、席によってはステージや大型モニターが見えにくいという状態も発生しているようでした。
新港第2突堤で建設中の神戸アリーナも現在はアリーナ単独で開発が進んでいますが、ゆくゆくはこのミュージックテラスのようにアリーナと周辺賑わい施設の融合を目指していくべきかと思います。それには現在、解体中の大型倉庫跡地の基部が大きな鍵を握るでしょう。
Kアリーナと共に建設されたのが、ホテル棟とオフィス棟から構成される高さ100mのツインタワー。ホテル棟には、ヒルトン横浜が進出。
これまで都市規模の割には外資系ホテルは横浜駅前のシェラトンやみなとみらいのインターコンチネンタルに限られていた横浜ですが、ここ近年で、ヒルトンやウェスティン等の出店が相次いでいます。
しかし同アリーナを巡っては開業以来、華々しい功績のみが話題の種ではありませんでした。2万人という規模が仇となって、イベント終了時の来場者退場の大混乱と横浜駅への帰路の大混雑が課題として浮き彫りになりました。ライブの終了時には、一斉退場を制限し、席列を指定して時間差を設ける形の退出によって混雑をコントロールしていました。
フェス終了後、私と娘は運良く最初の方に退席する事ができましたが、レベル7にいた妻は最初の退場列の呼び出しから30分以上も後になってからの退席となったようです。
またトイレや売店等の共用エリアの混雑は熾烈を極め、特に女子トイレの長蛇の列は凄まじい状況であり、巨大アリーナの抱える課題にも直面しました。本当はもっと様々な共用施設の様子も取材したかったのですが、人の多さにめげました。
現在、横浜駅とのアクセス改善の為、歩行者デッキの建設が進められています。このデッキが完成すると、現在よりもスムーズな動線が確保されるので、退席時間やアリーナへのアクセスも大きく改善される事が期待されます。
ミュージックテラスの西側隣接地は空地になっていますが、ここにも仮囲いが設置されて何らかの建設工事が開始される模様です。
鹿島建設が施工する「(仮称)Kアリーナプロジェクト建設工事」。
ミュージックテラスの2期工事が予定されているのでしょうか。
フェス1日目の翌朝には、グッズ販売が行われており、来場ファンの多くは再びKアリーナを訪れていたようです。
横浜駅周辺の商業施設内ではKアリーナの来場者がイベント前や後に食事や買い物を楽しんでいる姿が多数見受けられ(若い子等はグッズを身につけているので一目瞭然でした)、非常に大きな経済効果をもたらしている事を実感するに至りました。
我々のように遠方からの来場者は横浜市内に宿泊する事になりますし、今回は神戸空港から飛行機で羽田経由の横浜入りをしましたが、往路の機内には同フェスに参加する予定の他の人々もいたようです。
ミュージックテラスは、Kアリーナ横浜を中心に、ホテル、オフィス、商業機能を集約した複合都市として、イベント興行時には数万人を呼び込む強力な集客ポンプの役割を果たしていました。
首都圏では、既存の横浜アリーナや埼玉スーパーアリーナ等、大型アリーナが鎬を削っていますが、これらはいずれも多目的を用途としている中、Kアリーナは音楽専用に特化した事で差別化を図った事が奏功しているのではないかと思われます。神戸アリーナも規模ではKアリーナの半分ではありますが、稼働率を高められれば、都心エリアやウォーターフロントに大きな経済効果をもたらす事ができる可能性について、今回のKアリーナでの音楽フェスから実感を得ました。
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