神戸市と株式会社こうべ未来都市機構は西神中央エリア最大の商業施設「プレンティ」のリニューアルを計画しており、今秋のオープンを予定していますが、リニューアルに向けた改修工事のスケジュールと昨年に公開した以上の更に踏み込んだリニューアル計画の概要を発表しました。
進化・多様化するニーズ、価値観、ライフスタイルに対応し、ポストコロナの快適な空間活用を追求した、多世代型の“NEWライフスタイルセンター”へ生まれ変わるプレンティに新しいロゴの採用が決定しました。『旗を揚げよう!』をコンセプトとしたデザインには「文字を旗に見立てることで、西神中央からポジティブな新しいムーブメントになれば」という思いが込められています。
リニューアルに際し、プレンティ内には様々な魅力を抱えた新プロジェクトを展開する予定としています。
チャレンジショップ「Foule de PLENTY(フーレ・デ・プレンティ)」の開設
市内の起業支援・店舗展開へのステップアップのほか、地元青果の販売、市民のハンドメイド商品やアート作品のお披露目の場として、一番館1階センターコートにショップスぺースを開設します。同様の試みは既に神戸三宮阪急ビル内でも行われていますが、これを西神中央でも展開します。
神戸こだわりのセレクトベーカリー「BREAD PARK KOBE」
神戸市内の人気ベーカリーからセレクトした、美味しいこだわりのパンが勢ぞろいする「BREAD PARK KOBE」が出店。
神戸スイーツの新たな発信・交流拠点「リトル神戸」
人気のブランドから神戸のとっておきスイーツを厳選したスイーツブティックや憩いのカフェのほか、神戸マイスターらによるレッスンなど楽しいイベントを開催。
心やさしい、こだわりのお花屋さん「Flower Shop style」
生花農家との連携を通じて、他の花店では取り扱いの少ないブランド花や希少性の高いお花を取り扱います。
親子カフェ「ドットカフェ」
一番館3階キッズスペースの近くには、赤ちゃんや幼児と遊びながら食事やお茶が楽しめる、親子カフェをが出店。
既に外装改修を終えたイオンフードスタイル西神中央と同様に専門店一番館や二番館も壁面にモザイクパネルを取り付けるリニューアルを実施予定です。恐らく照明設備も更新して、建物のライトアップも刷新されるものと思われます。
リニューアルのコンセプトとしては以下を挙げています。
- 駅前時間を楽しめるくつろぎ空間の創出
- ゆったり食事が楽しめるフードコートの新設など食の充実
- 子育て世代の楽しい育児をサポートするキッズ&ファミリーフロアの新設
- 新たなライフスタイルをサポートするシェアワーキングスペースやチャレンジスペースを新設
- 変化・多様化するライフスタイルに合わせた店舗・商品・サービスの充実
これまでは物販店がフロアのメインだった専門店一番館1階にはこれまでプレンティには無かったフードコートの新設が計画されています。今やリアル店舗でモノが売れない時代にあって、コト消費の代表である「食」の充実は、商業施設成功の鍵を握る最低限の条件と言えます。
また人口減少対策であるリノベーション神戸において、子育てファミリー層の支持を得る事も必須条件ですので、家族の楽しめるスペースの充実も商業施設の至上命題化しています。一番館3階にキッズスペースが設けられ、この側に親子カフェ「ドットカフェ」が開店する予定です。
食の充実はフードコートの新設に留まらず、同じく一番館1階にはフードマルシェが開設されます。また4階の屋上にもあそび場が新設され、食とファミリーの二大重要項目を抑える形です。
専門店二番館についても、中央吹き抜けのセンターコートのデザインを刷新。暖かみのある開放的な空間に仕立て上げます。また1階にはリニューアルの進むプレンティ広場に面して、地元西区の野菜をふんだんに使った食事を楽しめるカフェレストラン「デイズキッチン」がオープン。テラス席を設け、広場と一体的ににぎわいを生む仕掛けを作ります。
二番館の最上階にはシェアワーキングスペースを設置します。名谷にも駅ビル北ゾーンにワーキングスペースの開設が進められる予定ですが、駅前の利便性の高い立地に、リモートワークを行えるスペースの確保は郊外拠点には必須施設と言えます。
専門店一番館とイオンフードスタイルとの間のアトリウムコートのリニューアルには、市内西部最大の大型モニターを設置し、 市政情報、地域情報、イベント案内など 様々な情報を発信する他、アトリウム内でのイベント開催時の活用も予定。子どもの遊べるスペースや誰もがくつろげる温かみのある空間を創出します。
テラス席も設けられ、賑わい空間としての活用が期待されます。
今後のスケジュールですが、4月頃より工事を開始を予定。一番館については一定期間において全館休業し、二番館については、東側エリア、西側エリアごとに休業と工事を進める計画です。施工を担うのは、竹中工務店と湊建設工業のJVで、設計はアール・アイ・エーが行います。竹中はumieのリニューアルも全般的に担当しており、商業施設の改装に定評があります。リニューアルオープンは10月を予定しています。
ただ改修はあくまでも内外装のアップデートです。商業施設の浮沈を決めるのは、そのテナントの内容です。どんな話題性のあるテナントを誘致できるのか。須磨パティオのリニューアルも来秋に控えている中、その内容に要注目です。