神戸空港

関西三空港懇談会が月内に開催予定 コロナ禍の環境下で将来の成長戦略を描けるか

今春に開催予定だった第5回関西三空港懇談会は新型コロナウィルスの感染拡大防止によって開催の延期を余儀なくされていましたが、今月内の開催で調整されているようです。関西三空港は現在、渡航制限による影響で殆ど機能していない関西空港を筆頭として、旅客機の発着便が減少しており、運営を担う関西エアポートは難しい舵取りに直面しています。

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しかしながらこれまでの活況の流れから進めてきた空港ターミナルビルへの投資は止める段階にはなく、伊丹空港ではターミナルビルのリニューアルが完了してグランドオープンを果たしたばかりです。コロナの感染状況は一進一退にあり、来年のオリンピックやマスターズゲーム等の国際イベントをおろか、飛行機を使った海外渡航や国内出張・旅行も限定的でコロナ前の状態に戻るには何年を要するのか現時点では全く予想できません。



今回の懇談会はこうした厳しい環境の中で開催されます。しかし関西経済界が念頭に置いているのは2025年の万博開催とIR施設の開業と成功であり、この目標には変わりがありません。この起爆剤に狙いを定めている限りは投資を含めた方向性にブレが生じてはなりません。

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ただ足元では関西エアポートの収益が悪化すればインフラへの追加投資が難しい状況に陥り、民営化が裏目に出てしまう可能性もあります。国や行政がしっかりとサポートし、盤石の体制で2025年以降を迎える必要があります。

協議される議題ですが、今後の需要予測を見極めつつも、コロナ前には上限に近づいていた関西空港や神戸空港の発着便数の緩和や関空の補完機能として見据えた神戸空港国際化のロードマップや条件の洗い出し等が考えられます。



本来であれば、今春開かれていた懇談会で関空の発着枠拡大と神戸の国際化合意を目指すとされていました。視界不良の中でいかに目の前の問題に惑わされる事なく将来を見据える事ができるか。今回の懇談会で問われるのはこの1点となりそうです。

 
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POSTED COMMENT

  1. nishinishi より:

    コロナで国際線需要が消滅したことを受け、目先の利益を追い求めて、規制緩和の議論が進まないといったことにならなければ良いのですが…。特に今回の議題は「関西空港の発着能力の強化」に重点を置かれるようで、神戸・伊丹の議論が希薄となるのではないかと懸念しております。

    https://www.kobeairport.jp/news/423/
    また他サイトさんの記事ですが、関西エアポートは神戸の更なる運用時間延長には依然として前向きのようですので、少なくとも神戸空港については再び運用時間と発着枠の規制緩和が決まることを祈るばかりです。


    あと、記事とは関係無くて申し訳ないのですが、神戸市が六甲アイランドの街作りについて意見募集を行っています。
    この案では、特に目新しい事は盛り込まれていない印象です。しかし、六甲アイランド・ポートアイランドは今後大胆なリニューアルが必要だと思いますので、小手先のリニューアルではなく「更に大胆で魅力的な計画を練るように」と意見させて頂きました。
    もうすぐ期限を迎えますので、意見を寄せられる方は是非。
    https://www.city.kobe.lg.jp/a26136/20200615.html

  2. S.Y. Kobe より:

    三空港懇談会が月内の開催で調整されているとのこと、再開に安堵するとともに今後の進展に大きく期待しています。

    コロナ禍を乗り越え関西圏が復活に向け再スタートを切る為、また長期にわたる東京一極集中化という国策による大企業本社転出のダメージを最も被った関西圏の再浮上の為には首都圏に対抗できる唯一最大のインフラである三空港の最大活用しかありません。世界の大都市圏と伍して関西圏が経済活動してゆくためには関空・神戸を2大国際空港として運用してゆくことが関西圏全体の最大利益となるのは誰が考えてもわかることです。

    今年7月、京都・大阪・神戸3都市が連携し、多様かつ力強いシナジー効果を発揮し関西の将来日本の将来を担うことを目指すということで、国の施策である「グローバル拠点都市」に選ばれました。グローバル拠点都市は世界への情報発信や世界の起業家・投資家の誘致が重要であり、国際空港を通じ世界と結びつくことが肝心です。京阪神でグローバル拠点都市を謳いながら国際便は関空のみで他の空港は国際便NOではまさに支離滅裂です。

    また、2025年には大阪万博も控えており、どの視点から見ても国際便が地域エゴのごたごたの結果いつまでも大都市圏の南に偏する関空のみに制限されているのは呆れるほど異常な事です。三空港の現在の運営は多くの識者も現行規制による資産の最大活用の不十分さや利用客目線の不十分さを懸念しています。関西圏の将来を見据えた合理的で賢明な考えを持たなければ永久に関西圏は浮上出来ません。

    そして神戸にとって肝心なのは、市内雇用の維持拡大を最大目標として基盤となる都市インフラを着々と整備することです。神戸市お得意のままごとのような小手先施策を乱発していても効果はありません。抜本的に都市基盤を整備することこそ今求められています。
    復活へのキーワードは「国際空港・グローバル拠点都市・国際港湾・湾岸線」といったところでしょうか。

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