神戸空港

神戸空港サブターミナル整備事業 事業者公募案で判明した新ターミナルビルの概要とその課題



神戸市は神戸空港の2025年/2030年の国際化・発着枠拡大に備え、空港サブターミナルビルの建設を計画していますが、この基本案について市民からの意見を募集していました。この意見公開に伴って、新たに「神戸空港サブターミナル整備事業 事業者公募(案)」が公開されました(こまったちゃんさん、情報提供ありがとうございました)。

この公募(案)にはサブターミナルビルの概要についてこれまで公開されていた内容より更に踏み込んだ詳細に触れられています。


施設整備にかかる要件(要求水準)
  • 事業費 90億円(予定価格)
  • 施設規模 17,000㎡程度
  • 国内線(40便/日)国際チャーター便に対応
  • 階層 原則2階建(一部、平屋もしくは3階建も可とする)
  • 構造 事業者の提案による
  • 主な機能 ロビー、国内線・国際線エリア、商業施設、にぎわい空間、貸室など
  • 搭乗方法 国内線4ゲート以上、国際線2ゲート以上
  • バスハンドリング(ボーディングブリッジなし)
 



まずサブターミナルビルの規模ですが、延床面積としては、既存ターミナルビルと同程度の17,000平方メートルを確保しますが、建物の階層は既存が5階建てに対して、サブターミナルビルは2階建てです。従って、記事冒頭のイメージのように2層吹き抜けの開放的な空間や、その大きな開口部からポートアイランドや都心、六甲山を望める程の高さは期待できないのではないかと思われます。1・2階のそれぞれの階高を大きく採った建物であれば話は別ですが。建物の設計次第でしょうか。一部平屋や3階建ても可とする条件が付け加えられています。



ターミナルビル内のロビー構成は西側に国際線用の出発/到着エリア、東側には国内線用の出発/到着エリアを整備し、検査場内は国際線搭乗ゲートは2箇所以上、搭乗ゲートは4箇所を設置。国内線についてはサブターミナルで40便/日を対応します。この他、にぎわい空間や商業機能を盛り込む予定です。



今回の公募(案)の公開によって、新たに判明した事は、サブターミナルビルには搭乗ゲートと旅客機を接続し、乗客の搭乗を容易にするボーディングブリッジが整備されないという事です。

(出典:Wikipedia)

代わりにボーディングにはバスを活用する事が前提となっています。バスによる搭乗は特に珍しい事ではありません。ボーディングブリッジに余裕がない場合や機材がブリッジの規格に合わない場合等、旅客機が沖止めの駐機場に到着し、「ランプバス」と呼ばれる空港内専用設計の低床バスが活躍しており、伊丹空港や関西空港でも運行されています。ただ利用者の利便性はボーディングブリッジに対しては劣ります。



サブターミナルビルに面する西側に駐機場の拡張整備工事が進められる予定ですが、同ビルに接する駐機エリアは3機程度に留まり、とても予定搭乗ゲート数を捌くことはできません。従って既存のエプロンも合わせた運用にはバスハンドリングでの対応を行わざるを得ない状況です。

従ってサブターミナルの位置づけはあくまでも既存の旅客ターミナルビルの改修・建て替えを完了させるまでの代替・暫定施設である可能性が高いと言えます。



サブターミナルが40便/日を捌くとすると、残りの80便/日の国内線は既存ターミナルで引き続き対応する事が求められます。これを継続しつつ、既存ターミナルの機能や規模を拡大するには、東側の用地を活用し、増築によって面積を稼ぎながら、既存ターミナルビルの改修を進め、メインターミナルを完成させる事になるのではないかと思われます。



サブターミナルが暫定的な位置づけである以上、投資額は抑制させる必要がある為、既存ターミナルとサブターミナル間のアクセスはあくまでもバスによる輸送が前提である事も納得せざるを得ません。なるべく利用者が二ターミナル間の移動が生じない運用が望ましく、都心からサブターミナルへの直通バスの運行は必須であると共に、その発着場所も三宮の利便性の高い位置に整備されなければなりません。

またメインターミナルの完成後、サブターミナルを将来的にどう継続運用するのかも見据えた整備が必要でしょう。サブターミナルの設計・建設を担う事業者にはこうした点の提案が必要になる事も示すべきです。

スケジュール(予定)
  • 公募開始(入札公告) 令和5年2月下旬
  • 提案書提出締切 令和5年4月上旬
  • 審査 令和5年4月中下旬
  • 契約締結 令和5年5月下旬
  • 供用開始 令和7年3月末(令和7年夏ダイヤでの運用開始を目指す)
早くも2年後にサブターミナルが完成・運用開始に至る予定です。
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POSTED COMMENT

  1. こまったちゃん より:

    どうせPBBもなく交通もいまいちな、つなぎの施設なのでしたら、デザインで思いっきり振って、ターミナル単体で魅力のある施設にすべきと思います。

    ハワイ・コナ空港(やそれを参考にしたと思われる、みやこ下地島空港)は、PBBも何もないし、屋根すらない所があるし、下地島は飛行機とターミナルの間が緑の遊歩道化してくねくね歩かされますが、その分リゾート感があり、単体として魅力があります。

    神戸の場合は六甲や須磨をダイレクトにイメージできるターミナルとかできれば、ビジネス主体(と思われる)メインターミナルと差別化できるかもしれません。将来的にホテルや商業施設も同じコンセプトで並べても良いと思います。

    デザインビルトのコンセプトが今一つはっきりしない(発注者側の問題)のが不安ですが、提案者の知恵、頑張りに期待したいところです。

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