トアロードの明治安田生命三宮ビル跡地で建設が進められている和田興産の分譲マンション「ワコーレ トアロード ザ・スイート」がいよいよ竣工間近に迫り、覆われたベールを脱いでその姿を現しました。
地上14階 地下1階 住戸48戸 店舗1戸の建物で都心立地と周囲の環境に合わせた意匠が特徴です。
この建物の最も優れている点はファサードです。トアロードに面してはバルコニーは設けず、淡い色調を使った外壁と窓のみにしホテルを思わせるデザインです。
エントランス周りも凝ったデザインが施されています。1階にはマンションのエントランスホールの他、店舗1戸が配されています。旧居留地同様にトアロード沿いには低層階に店舗を設ける事が義務付けられています。
都心立地のマンションでもこうしたデザインと機能を持った建物であれば視覚的にも賑わいにも貢献し得るので、マンションの新たな形として多くのデベロッパーが注目して欲しいと思います。
和田興産は都心の用地を凄い勢いで取得しています。まだまだこれから大小含めて多くのワコーレシリーズが供給される予定です。立地条件や周囲の環境にも左右されるとは思いますが、都心立地における居住スペースの供給はあまりにもバランスが崩れる程に進めてしまうと、短期的には稼げたとしても長期的には街の賑わいを損なわせ、その場所は都心ではなくなってしまい、ゆくゆくはそれ以上にマンションを建てても売れなくなってしまうという悪循環に陥ります。
神戸で育てられた企業なのであれば神戸で稼ぐだけでなく、神戸の街の賑わいや活性化にも貢献していく企業としての公共に対する義務も負うことを忘れて欲しくはありません。そういった観点で、今回のプロジェクトは一つのモデルケースとして今後の都心における分譲マンション開発に一石を投じるのではないかと思っています。トアロードの条例がなくても1階には店舗を設けて街の賑わい創出に貢献する姿勢が大事です。
市長はタワーマンションを目の敵にするような発言を多くしていますが、真の問題はタワーマンションよりも遥かに建設が容易な賃貸を含めた低中層マンションの増殖です。寧ろタワーマンションの方が色々な制約を受けて建て難い状況です。そしてそうしたタワーのデザインを平凡且ついかにもマンション然とさせてしまうのも神戸市の条例がそうさせてしまっている事を皆さんにも認識して欲しいと思います。
ワコーレ・トアロード・ザ・スイートの建設状況
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近所なので気になっていたものの仮囲いのために中が分からなかったのですが、ようやく様子が伺えるようになりました。
ザ・パークハウス神戸トアロードの1階のような店舗を期待していたのですが、1階の大部分はマンションのエントランスで、店舗らしきものは正面左側のあまり広くない一角だけのように見えます。これではハーティネスと同様、いかにもマンション然としたものがトアロードに面してしまって残念ですね。ザ・パークハウス神戸トアロードは反対側の筋からマンションに入るようになっていましたので、こういったところは和田興産には考えて欲しい所です。