神戸市は2030年の国際定期便就航開始に向けてターミナルビルの拡張を計画しています。昨春に開業した事実上の国際線専用ターミナルとなっている第2ターミナルは現在、エプロンには隣接しておらず、搭乗者はランプバスによって駐機場とターミナルを行き来していますが、ターミナルビルの拡張によってエプロンまで建物を拡大し、ボーディングブリッジによる搭乗を可能にし、利用者の利便性を向上させる必要があります。

2030年までに対し既に4年を切り、具体的な拡張の内容や延床部分に付与する機能についいても具体化させる必要がある中、神戸市は「神戸空港ターミナル機能拡張に係る基本計画策定支援業務」の委託先候補者の選定に関する公募プロポーザルを公告しました。

将来的に700万人の利用者を見込む神戸空港ですが、その内、190万人が国際線利用者として予想されています。昨年は53万人でしたので、約4倍に増大する計算ですが、恐らくそれ以上に増えてくる可能性があるのではないかと思われます。

あくまでも今回のプロポーザルは、拡張計画案を選定するものではなく、受託者の提示した調査表の提案内容に沿った計画策定・設計が行われるものではなく、工事施工事業者を選定するものではないと断りが入れられてはいますが、前哨戦である事は間違いないでしょう。
ただ気になる点としては、今回のプロポーザルを評価する委員が以下のみである事です。
- 井上久実設計室 代表 井上 久実 氏
- 東京科学大学環境・社会理工学院融合理工学系教授 花岡 伸也 氏
- 公益社団法人兵庫県建築士会 会⾧ 正木 恵子 氏
- 全日本空輸株式会社 神戸空港所 所⾧ 山下 浩 氏
- 神戸市港湾局空港戦略部⾧
第1ターミナルについてはコンセッションによって関西エアポートによる所有、運用が行われ、第2ターミナルについても同社が管理を受託していますが、将来的にはターミナル2についてもコンセッションが行われるべきですし、関西エアポートによる一体的な運用が望ましい筈です。

選定委員に関西エアポートを入れていないのは、同社は寧ろ提案する側として捉えられているからでしょうか。現在の第2ターミナルは、運営する関西エアポートからすると、必ずしも使い勝手の良い施設ではないようです。やはりターミナル拡張とコンセッションは同時に行われるべきで、一定の条件を課しつつも運営事業者が考える効率的な内容を反映させるべきかと思います。

選定は二段階で行われ、8月までに評価結果が通知されるスケジュールです。

中国向けの便の運休解消が未だ見込めない中、空いた穴を埋める為、韓国、台湾を中心として就航済みの航空会社の増便や新たな航空会社の乗り入れが既に決定しており、中国線の運休開始前よりも寧ろ発着数は増える見通しです。大韓航空、スターラックスに加え、チェジュ航空、ジンエアー、アシアナ航空、エアロK航空、エバー航空が新たに就航を予定しています。あくまでもこれらの新規就航組は夏ダイヤに合わせた期間限定便ですが、日中関係の早期劇的改善は考えにくいので、利用率が高ければ継続されるのではないでしょうか。

ただ700万人利用予測の内、500万人以上は国内線利用者となる為、現在の第1ターミナルのみでの活用では逼迫しかねません。第2ターミナルは現時点でも国内線の利用も想定されているようですが、今回のターミナル機能拡張には第1ターミナルの拡張・改修も対象になるのかも気になるところです。



暫定的な拡張予想図も公開されていることから、まずは優先的に
第2ターミナルビルを搭乗橋まで拡張させる計画を遂行するものと
思われますが、第1ターミナルビルについてもキャパオーバーが
目に見えていることから、この機に拡張なり新設なりの改修を
検討されることを願いたいです。
既に第2ターミナル2階通路には、将来的に第1ターミナルとの
連絡を見越した出入口が設けられていることから
今後の需要予測に応じて早期に着手しなければなりません。
需要予測に対応して空港施設の拡大整備を円滑に推進するためには(神戸空港の)確たるグランドデザインが必要です。しかし、第2ターミナルビル開設に至る迷走ぶりを見ると、神戸市はグランドデザインを持っていないのでは?とまで思えてきます。
関西エアポートにしても関空地元自治体に気を遣い神戸空港への投資に及び腰で、コンセッションの目的である「神戸空港の価値を高め発展させる努力」が不十分に思え、神戸市との連携も万全とは言えません。
それでも、国際チャーター便運航からまだ1年余りですが空港母都市神戸にもたらす経済効果が顕著に現れ始めています。外国人宿泊者数も神戸空港が国際化された4月以降に急増しました。また空港直結の都心三宮はオフィスビル供給が活発化し市内外から有力企業本社の集積が進んでいます。
今回の公募については意図や得られる成果が私には今ひとつ把握出来ませんが、その場しのぎの姑息な対応ではなく、明快なグランドデザインを確立して欲しいと思います。
そして、世界の航空トレンドであり今後も加速度的に増加する国際線旅客を見込んだ空港ターミナルビルの整備を積極的に進めて欲しいと思います。神戸空港に於ける国内線と国際線の比率も遠からず逆転するはずです。
これだけ発着数が増えてくるとこのままヒラタ学園に滑走路を使わせるのはリスクが増えます。以前、滑走路で止まったり、ドクターヘリの運用を断ったりと問題を起こしてますので、この際に撤退させ、跡地を駐機場や整備場に転用すべきと思います。