市庁舎建て替え計画

神戸市が令和7年度の予算案を発表 Part2 市役所周辺エリア 本庁舎2号館の再整備着工はいつ?



神戸市が発表した令和7年度の予算案には、来年度には本格的に始動すると思われる神戸市役所本庁舎2号館の再整備についても大きな予算額が計上されました。

本庁舎2号館の再整備 15.27億円

  • 新施設整備に向けた設計業務に係る協議・調整等及びモニタリング
  • 市⺠利⽤空間にかかる検討業務
上記内容は今年度の予算案と同じで、唯一、昨年に竣工した連絡棟が抜けたのみです。今年度中に着工し、2028年度には完成する計画とされていた2号館跡地の再整備ですが、連絡棟の完成後、即、建設工事がスタートすると思いきや、その後、半年を経てもプロジェクトが動き出す気配がありません。



来年度に割かれる約16億円の予算は実質的に何に使用されるのでしょうか。検討業務のみに対する予算としては大き過ぎますし、何らかの建設費としては少な過ぎます。設計を進めていくにあたって、新2号館内の低層部アトリウム他に整備が予定されている市⺠利⽤空間についても内容を具体化させる必要があるでしょう。



着工が遅れている理由として、市は建設を担うオリックス不動産他企業コンソーシアム側の建築計画変更によるものと説明しているようですが、この遅れから完成時期は2029年度にずれ込む模様です。

建築計画の変更が生じた理由は明らかではありませんが、全国の大規模再開発計画が、建築資材や人件費の急騰によって、規模縮小や計画の白紙撤回に追い込まれている状況の中、三宮で進行する再開発にも何らかの影響が出ないか懸念していました。



もう一点、なかなか発表されない建物上層部に誘致される予定の五つ星外資系ホテルですが、この選定や交渉に難航している可能性があるかもしれません。神戸に高級外資系ホテルが進出する環境については、来年度の神戸空港国際化や大阪から至近距離にある事等、好条件は揃っている筈ですが、それでも他都市と比較した際、インバウンド需要の低さがネックになっているのかもしれません。建物の1/3を占めるホテルのブランドや施設概要が決まらなければ、着工は難しいでしょう。

一旦は当初の規模から拡大した計画が、再び規模縮小に転じないよう願うばかりです。

因みに来年度予算の16億円は、着工に際して、敷地北側に整備された仮設のクーリングタワー施設やその周辺、及びまだ地中に残る旧2号館の地下躯体の解体工事にも費やされものと思われます。



この計画は、神戸国際会館前交差点以南に人を回遊させる為の大きなポンプ機能を担う重要なプロジェクトです。規模縮小や白紙に戻す訳にはいきません。いずれにせよ29年度に完成させるには、25年度中の着工は必須でしょう。年度前半における早期着工を期待したいと思います。
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POSTED COMMENT

  1. kkbb より:

    すべては神戸市長の発言によると思います。
    これだけデベロッパーにケンカ売る発言は、市町村レベルでは他にいないと思います。
    アニメを使ったタワマン批判を公然と行う行為はまさに背任レベルです。
    商取引ならどこの企業が自社にメリットのない協力をするでしょう?
    民間活力を導入と言いながらまったく民間業者を貶める行為は神戸市の発展を阻害していると思います。
    この10数年に渡る神戸市全体の不振を、自己の政治力の能力の低さではなくデベロッパーやタワマン批判で胡麻化しているのです。
    市長と神戸市幹部、市議会には保身に終始する態度を考え直すべきです。
    この市長の在任期間内に、いったいどれだけの抑止条例を発布したことか。
    そのために神戸市はどれだけの潜在的活力を失ったか。
    それどころかもともとの既存活力さえどれだけ失ってしまったか。
    その証拠にほぼ民間フリーの東京、大阪、福岡は発展しています。計画変更はほぼないです。
    鉄鋼の流れも米の関税引き上げで、日本には有利に働くかもしれません。
    自分の失政の原因をデベロッパーの、とくにタワマン開発に転化しているのです。
    県知事の再選でこの秋の市長選の戦い方を考慮しているのでしょう。選挙に勝つためには何もしないのがいいと。このままにして置くと事業の基本計画は市内の抜本的緑化へと転化していくでしょう。
    神宮外苑の反対運動を見ても世の中の流れと誤認しています。
    せっかく我々が2号館の低層化を阻止した活動を反故にしかねません。
    ボヤは早目に消化しないといけません。

    • hanabi より:

      あまり他人の意見を否定するようなことはしたくないですが、この表現ではさすがに市長への批判ありきでしかないかと。

      • kkbb より:

        では、あなたが市長が行っている政策で良いと思っている点と悪かったと思っている点を10点づつ挙げてください。
        神戸市の部局で各職員たちが構想した政策を批判しているのは市長の方ですよ。
        わたしはどちらかというと市職員の自由闊達な意見を大切に思っています。

        • 某神戸市民 より:

          神戸市民ですが、今の市長への不満は全く無いとは言えませんが、タワマン規制や、ニュータウンへの人口分散を誘発させる施策はすぐに効果が出ないものではあるものの、その問題を市民に周知させて考えさせるきっかけにはなっているかと思います。

          大阪や東京と比べたくなるのはわかりますが、数年単位で考えたときにどちらがいいかというのは、今の時点でわかるわけがありません。
          よくスピード感を持ってみたいなこと言いますが、なんでもかんでもさっさと建てまくればいいという無責任な考えは、少なくとも震災復興事業という名のもとで開発を急いだ新長田で失敗している例がある神戸では難しいと思います。

          あと部局の意見を取り入れずにと言ってますが、例のしおさい公園からの視点を元にした高さ規制はその部局が作ったものですよね。まぁ今の市長というより前の市長の置き土産ですが。

          まぁなんにせよ、三宮にタワマンとか建てまくればいいとか、なんでもかんでもヨドバシ誘致すればいい、みたいな後先気にしないこと考える人よりは今の市長は見る目はあると思いますけどね。

  2. マークス より:

    建設費高騰が原因なのでしょうね。
    高騰した分をオフィス賃料等で賄えればいいのでしょうが神戸はオフィス立地としては弱く賃料上昇は見込みづらいですね。
    同じく外資系ホテルも未知数でバッファを取らざる得なく事業性が厳しいでしょう。
    さらに利回りも神戸の場合高く要求されるため一段と事業性を厳しくしているものと思われます。
    施工は竹中工務店ですが建築費の高さで有名なためそれも課題となっているでしょう。
    様々な要因でなかなか前に進めないのではと思われます。

  3. KK より:

    いつもブログを拝見しております。
    神戸市役所2号館の建て替えを早期に実現してほしいです。また、神戸阪急と神戸国際会館を一体再開発を行い、札幌駅前北4西3地区再開発事業で建てられる超高層ビルを神戸三宮に建ててほしいと考えています。(再開発ビルの高さは200m級で、洗練されたデザインが神戸三宮に合う。)
    その場合は、神戸阪急と神戸国際会館を仮移転する必要性が出ます。

    参考記事
    HTB 【起工式】旧西武跡地の再開発ビル 地下3F~地上8FはヨドバシHD 家電や飲食店など入るテナント100店舗以上
    https://www.htb.co.jp/news/archives_30383.html

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