今秋までに80億円を投じた神戸阪急のリモデルが完了を迎えます。20年ぶりに実施された大改装によって再び都心ターミナル型百貨店としての装いを整え、ライバルの地域一番店である大丸神戸店を追撃する体制が構築されます。
同百貨店がエイチ・ツー・オーリテイリングに譲渡されてから6年が経過してようやく本腰を入れて「神戸阪急」に正式化されたと言えるでしょう。コロナ禍に翻弄されてしまいましたが、本来であれば、3年前の屋号の変更時に今回の一連の改装が実施されているべきでした。
建て替えを伴わない改装に80億円という投資額はかなりの規模となる為、既存の建物を最大限に活用して、最大級の売上増を達成しようという意気込みが伝わってきます。
しかしながら阪急神戸三宮ビルの建設中には、神戸阪急の建て替えに言及していた阪急阪神ホールディングスの経営陣もその後、トーンダウンしてしまい、梅田の新阪急ホテルや阪急梅田駅一帯を対象とした芝田1丁目の再開発、千里阪急を含む千里中央駅前の再開発のプロジェクトを優先的に進める方針が示されました。神戸阪急のリモデルはこの間を乗り切る為の最大限の措置だったと言えます。
芝田1丁目の再開発、千里阪急の建て替えは今から12年後の2035年の完了を目途としています。
年末に日本経済新聞が阪急阪神ホールディングスの会長となった角和夫氏へのインタビュー記事を掲載しました。この中で同氏は神戸阪急の建て替えについて言及し、「2040年ごろに視野に入れる。80億円のリモデルの投資回収ができたころに検討していく」と述べました。阪急阪神グループのトップが神戸阪急の建て替えについてコメントを発したのは、2016年にH2Oリテイリイングの鈴木篤社長がインタビューで、同店の建て替え時期について「3年以内は難しいが、阪神百貨店梅田本店の建て替えにめどが付いてから本格的に検討する」と述べて以来、実に約7年ぶりとなります。
当時は阪神百貨店梅田本店の次という見方でしたが、芝田1丁目と千里中央が間に入ってきてしまいました。
ただ2040年というのは17年後ですので、かなり長い歳月です。2040年に完成と仮定すると、建て替え着手が2035~36年頃と想定されます。となると、計画が明らかになるのは2033~2034年頃と、今から10年後です。2030年までに現在計画されている多くのプロジェクトが完成を迎えるので、これらと連続するように神戸阪急の建て替えが進められる事が理想です。
やはり同グループには重い負担となるかもしれませんが、芝田1丁目、千里中央の計画と同時進行で2035年に神戸阪急の建て替えも完了させられるよう計画の前倒しをお願いしたい次第です。
今秋以降の神戸阪急が、改装効果と三宮の再整備や神戸空港国際化によって、想定以上の回復力を発揮して、高い売上高で推移すれば、より早期に投資回収が達成し、建て替え着手の時期も早まる可能性もあるでしょうか。
H2Oリテイリングの利益率は直近で1.9%程のようです。これを神戸阪急に単純に当てはめる事は出来ないと思いますが、仮にこの数字を使った場合、年間450億円の売上を今年以降10年間、達成する事ができると、85億円に到達して投資額の改修が可能となります。しかしこのスケジュールだと早期実現には至りません。年間600億円以上の売上を達成出来れば、7年で投資回収が可能になりますので、2年間の計画検討・準備期間を経て、2032年から建て替えに着手という早期スケジュールが一つの目標かと思います。
神戸阪急建て替えは2040年が目途?三宮再開発の勢いを考慮すると、もっと早期の再開発着手が望ましい
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記事は神戸三宮ですが、都内のそごう西武はピーク時には池袋、渋谷、有楽町(そごうと西武の両ブランドが出店)、多摩、八王子、柚木の合計7ヶ所ございましたが、そごう八王子店の閉店後は「西武」ブランドの2ヶ所のみになりました。
一方、新宿駅西口の「小田急百貨店」も本館が閉館したのは地元では話題となっており、新ビルはオフィス&ファストファッションチェーンのビルになるなど百貨店の更なる斜陽化を見越した再開発になると思います。
本当に80億円も投資したのでしょうか?
立ち退き費用的なものも含まれているのであれば、それは建替え時にも必要だったはずで、80億円全ての投資回収まで待つことなく建替えが始まるのでは?と期待しています。
JR駅ビル次第で阪急阪神グループがどう出てくるか?楽しみです。
角会長の年齢を考えると現役のうちにやらんということですね。地下鉄との接続問題不調の影響でしょうか
内装と店舗を入れ替えたという点では、umieのリニューアルと同程度の印象です。正直、2年程度はこれで話題性を提供できるかな、という程度です。建て替え開始を10年後とするなら、その10年はまず持たないでしょう。
80億の投資といっていますが、「80億」というほどの変化が感じられるのか、疑問です。