再開発プロジェクトが目白押しの広島市内で更に新たな再開発が始動する模様です。都心部の目抜き通りである相生通りの八丁堀地区は大手百貨店や商業施設が連なる広島の中心ショッピングゾーンです。
しかしながら広島の百貨店も激しい流通競争に晒されており、岡山に本店を置く天満屋は八丁堀店、郊外の緑井店を閉店しました。
八丁堀店の入っていた天満屋八丁堀ビルには現在、ヤマダデンキ LABI広島が中核テナントとなる専門店ビルとして営業していますが、築70年と老朽化がかなり進んでいます。またその隣の広島三越の営業する中国新聞文化事業社ビル、東洋観光ビル、胡子神社も含め、延べ約7,000平方メートルの敷地を一体的に再開発する方向で協議会を発足、検討を開始しました。
再開発の協力企業として三井不動産が参加する事も決定し、相生通りと中央通りが交わる八丁堀交差点に位置する一等地に商業施設をメインとする複合ビルの建設が進む事になりそうです。八丁堀地区は国の特定都市再生緊急整備地域に指定されており、商業施設、オフィス、ホテルの複合高層ビルの開発が予想されます。
相生通り沿いでは、他にも近隣の基町地区に高さ160mのオフィスとホテルから成る超高層ビルの開発が計画されています。
広島三越は再開発中の移転先や開発後の再出店はあり得るでしょうか。もし再出店したとしても松坂屋銀座店のように百貨店が経営する別業態の商業施設という事もあり得るでしょうし、三井不動産が新たな商業施設を導入する事も考えられます。広島三越の2021年の売上高は116億円。コロナ禍とは言え、都心立地の百貨店としては小ぶりな店舗です。
広島の地域一番店は福屋八丁堀本店です。2021年の売上高は404億円。広島の百貨店売上規模は800~900億円で4店舗で分け合っており、金額からすると、店舗数はもはや過剰です。
今回の再開発を機に三越の撤退も十分に考えられる事かと思いますが、土地の一体化で規模としてはこれまでよりも遥かに大きな商業施設が誕生する可能性もあり、対峙する福屋本店も戦々恐々としているかもしれません。しかし完成は10年後と、今後の経済情勢がどう変っていくかにも開発の行方は左右されるでしょう。
同じく相生通りに鎮座するそごう広島店。隣接するNTT都市開発が保有するビルに新館を営業していますが、来秋の閉館を決めました。
そごう広島店本館はリニューアルによって巻き返しを図る予定ですが、親会社のセブン&アイホールディングスが米国投資ファンドへそごう・西武の売却を交渉している為、譲渡成立後に広島店がどう扱われるのかも不透明性が漂います。こちらも建物の老朽化は激しく、再開発が視野に入ってくる可能性も十分にあるでしょう。
百貨店の再編が都心部の大規模再開発の起爆剤に発展する構図が濃厚になってきた広島。JR広島駅周辺の開発に遅れを取っていた八丁堀・紙屋町エリアが猛烈チャージで巻き返しを図ります。
地域探訪: 広島・広島三越、天満屋跡の土地を集約して一体再開発を検討する協議会を発足 協力企業は三井不動産
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