大開通り沿いは水木通2丁目の神戸市立心身障害福祉センター跡地に建設された公益財団法人中山視覚障害者福祉財団の中山記念会館。神戸市の障害者福祉の拠点となる施設を誘致することを条件として、土地の譲渡先に公募によって同財団が選定されました。
新築のこの会館竣工によって中央区神若通5丁目の現会館からの移転を予定しています。
竹中工務店が設計・施工した新会館はモダンなオフィスビルで、外壁は無数のアルミルーバーで覆われており、コーナー部はアールの美しい曲線を描いており、シンボリックなファサードが特徴です。
単なるアルミカーテンウォールのオフィスビルにはしなかった事で網籠のようなルーバーがシンボル性を高めており、個性的な表情を建物に与えています。
大きく迫り出した庇のような回廊下は全周がピロティとなっています。
エントランスホールは小上がりの座敷のように一段高く、縁側のような佇まいがモダンなビルの中に和を感じさせます。
広さの十分で奥行きのある緩やかなスロープがエントランスへと誘います。無論、中央に点字ブロックが敷設されています。
新会館には『KLC・神戸ライトセンター』という別名が付けられました。1階にはカフェコーナーも設けられる他、1-4階は福祉拠点施設として、当初の予定通りの用途が与えられますが、5階はテナントフロアで、工具・機械用品の製造販売メーカーであるトラスコ中山の神戸・明石支店が入居します。
東側のコーナーは鋭角のエッジが利いた形状です。
大開通りの新ランドマークとして、ガラスのオフィスビルをスチール感のあるルーバーで覆った新会館。近未来感さえも醸し出しています。
高さがもっとあると都心立地にも相応しい優れたデザインを有した建物です。
(仮称)中山視覚障害者福祉財団新中山記念会館
所在地 神戸市兵庫区水木通2-1-3事業者 公益財団法人中山視覚障害者福祉財団
敷地面積 1401.5 ㎡
建築面積 1048.83 ㎡
延床面積 5715.91 ㎡
規模 地上5階 地下1階
構造 鉄骨造
用途 事務所
設計 竹中工務店
施工 竹中工務店
竣工 2021年9月