西神中央

神戸市西区総合庁舎建設工事 杭工事が終わり基礎躯体工事に向けて掘削開始



7月に着工した神戸市西区総合庁舎建設工事。3ヶ月ぶりの取材となりました。西区の行政拠点が同区のヘソである西神中央へ移転します。



この現場の仮囲いにはユニークなデザインが施されています。映画の冒頭のカウントダウンと同庁舎や西神中央駅周辺再整備の様子、区内の風景を織り交ぜてフィルム風に見立てています。



最近の市の都心再整備やリノベーション神戸に絡む工事の仮囲いにはこうしたアピール戦略を全面に押し出した工夫が随所に見られます。実際に立ち止まって見入る人も見かけます。



新庁舎3階に設けられる予定のエントランスデッキ空間の様子です。かなり広々とした空間になる模様で、この庁舎のアイコン的な存在になります。



南側のセンターブリッジとその背後に今後建設の進む文化複合施設やマンションの夜景。センターブリッジはライトアップされます。



さて肝心の工事の状況ですが、既に重機を入れた派手な工程である杭工事は完了してしまっていました(その様子を撮影できる事を期待していたのですが、一足遅かったようです)。既に掘削が始まっていました。



油圧ショベルで敷地内を掘削しています。



掘削と山留壁の構築を同時進行で進めています。乗入構台を支える為の鉄骨の建て込みも開始されているようです。



敷地面積の大きな大規模工事です。西神中央はこれから数年で劇的な変化を遂げる予定です。公共施設の整備による拠点性の向上と住宅建設による直接人口増加策が進められます。駅周辺の人口増は期待できますが、市内他地域からの人口移転では意味がありません。市外からの流入を促進できるかが鍵を握ります。

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  1. 摂津国人 より:

    本日は新興住宅地の高齢化抑止策についてコメント差し上げたいと思います。
    私の知る限り、新興住宅地の高齢化抑止には大きく分けて2種類が成功例として存在すると感じております。
    一つ目は千里中央方式、二つ目は西神中央方式と、私摂津国人が勝手に呼んでいる2種類です。

    1. 千里中央方式
    千里中央は大阪万博に先立つこと1962年に街開きし、すでに開発より50年以上が経過しており、建物には老朽化が目立っています。
    他の新興住宅地の例に漏れず高齢化も進んでいました。
    そこで千里ニュータウンは、集合住宅の建て替えに舵を切りました。
    街開き当初に建築した団地を建て替えたのです。
    これにより、団地の間取りや水回りは近年のトレンドに沿ったものになり、新たに子育て世代が入居。
    古い新興住宅地の割に高齢化率は30%程度と抑制されており、人気の住宅地になっています。
    同じく大阪府の新興住宅地でも泉北ニュータウンは堺市部分だけでも高齢化率が33%(泉ケ丘から光明池まで。和泉市部分の和泉中央を含めるともっと高いと考えられる)、京都市の洛西ニュータウンに至っては40%代と、驚愕の数値です。
    ただ、この建て替えは賃貸住宅でなければほとんど無理でしょうね。
    幸い千里中央では公団住宅や府営住宅が多かったのでこの方式で対応できましたが、分譲住宅では建て替えても資産価値が敷地の土地を分割した分にしかならないのであれば、大抵の場合反対多数でいつまでも建て替えは進まないでしょう。
    それと、建て替えに踏み切れたのも、千里中央特有の立地の良さが影響していると考えています。
    梅田にも新大阪にも北大阪急行・大阪メトロ御堂筋線で乗り継ぎなしで行けるのは魅力的です。
    加えて、千里中央の北に位置し、北大阪急行の延伸工事の最中である箕面船場や箕面萱野は車での移動がしやすく、買い物もしやすい立地は子育て世代に引く手数多です。
    もう一言付け加えると、新御堂筋と大阪中央環状線並びにさらに北の箕面有料道路を介して新名神箕面とどろみICにアクセスしやすいのも千里中央の地理的アドバンテージです。
    この方式は千里中央という、チート級に特殊な状態でしか実現できなかった可能性もあります。
    特に洛西ニュータウンは「地下鉄東西線を延伸する」と言いながら、それを実現してこなかったことが不人気・高齢化の主因ですので、ニュータウンの地理的アドバンテージは本当に重要だと痛感します。

    千里ニュータウン「50歳」
    https://www.nikkei.com/photo/special/article/?ng=DGXZZO47249050U2A011C1000000

    千里ニュータウンの高齢化率と高齢者数
    https://newtown-sketch.com/blog/20200527-27069

    【第5回】 2大ニュータウン 千里と泉北の明暗
    https://zuuonline.com/archives/171353

    洛西ニュータウンの新交通どうする まちでき40年、住民の声切実 京都市長選3候補とも整備主張 
    https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/147562

    2.西神中央方式
    西神中央は街開き当初から駅近の部分に広大な空き地を残したまま、少し駅から距離のある戸建て住宅を分譲してきました。
    最近、西神中央は西区役所の移転などで再整備されつつありますが、街開きから30年以上経った今これらの空き地や駐車場などに分譲マンションや区役所、図書館を建てようとしています。
    すなわち西神中央は、時期をずらして分譲することで、世代の偏りが生じないようにしてきたのです。
    これにより住民が一気に高齢化することを防ぐことができました。
    当時の神戸市は本当に優れた自治体で、十二分の計画に基づいて分譲してきたことがよくわかります。
    西神中央の高齢化率は2019年現在でも31%で、千里中央に匹敵する値です。
    ただし、2017年では25%程度だったようで、高齢化を緩和してはいるものの、やはり完全な抑止には至っておらず、今後予断を許さない状態です。
    西神中央には地下鉄が通っていますが、三宮まで時間もかかりますので今後の快速運行案を急ぎ実現する必要があるでしょうね。
    加えて以前からご提案差し上げている、「三宮に行かなければ何もできない状態からの解放」を実現する必要性は高いと考えます。
    また、これから分譲マンションが建設されるということは、50年後に老朽化したマンションの修繕費の問題や建て替え案のよる地権問題が発生することは間違いないでしょう。
    三宮でもサンプラザ・センタープラザが地権問題で建て替え案があるものの神戸市の大好きな「調査」段階で止まっていますが、同じく三宮・元町・神戸駅周辺のタワーマンションも50年後の地権問題をどのように解決していくか今から考えておいたほうがよさそうです。

    区役所移転や少子高齢化… 神戸・西神中央の将来は?(2019年の高齢化率)
    https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201912/0013000702.shtml

    西神ニュータウン研究会 – Kobe(PDF)
    http://www.city.kobe.lg.jp/ward/kuyakusho/nishi/oshirase/chiiki/keijiban/nt172.pdf

    摂津国人の「三宮に行かなければ何もできない状態からの解放」
    https://koberun.net/blog-entry-%e3%81%9d%e3%81%94%e3%81%86%e8%a5%bf%e7%a5%9e%e5%ba%97%e9%96%89%e5%ba%97%e5%be%8c%e3%81%ab%e3%81%af%e5%8f%8c%e6%97%a5%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%97%e3%81%8c%e5%95%86%e6%a5%ad%e6%96%bd%e8%a8%ad.html#comment-38686
    https://koberun.net/blog-entry-%e3%81%9d%e3%81%94%e3%81%86%e8%a5%bf%e7%a5%9e%e5%ba%97%e9%96%89%e5%ba%97%e5%be%8c%e3%81%ab%e3%81%af%e5%8f%8c%e6%97%a5%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%97%e3%81%8c%e5%95%86%e6%a5%ad%e6%96%bd%e8%a8%ad.html#comment-38728

    上述の千里中央に近いJR茨木駅でも駅前に万博の時期に建てられた分譲マンションがあり低層階はショッピングセンターとなっていますが、入居者が建て替えを認めていないようです。
    あまりにも駅前の分譲マンションなので、古くても手放す気になれず、かといって立て直すお金を出す気にもなれないのでしょうね。
    茨木市の再開発案も分譲マンションがない阪急茨木駅の方はうまく進みそうですが、JR茨木駅の方は停滞しています。
    実はJR茨木駅には2014年ごろに新快速停車案がJR側から提案されていました。
    これは既に新快速が停車するJR高槻駅のホームが狭く、新快速との乗り換えのニーズの多さに対応できていないことから、よりホームの広い茨木駅にも停車させることで乗り換えニーズを分散させる思惑がありました。
    しかし、JR茨木駅前のショッピングセンターが古く、しかも徒歩圏内にイオンモール茨木があるため駅前の集客力が低下して、飲食店や本屋などの店舗が廃業した結果、茨木駅の存在感が低下し新快速停車案は事実上の無期延期になっています(表向きの理由は、「快速の停車駅と新快速の停車駅がほぼ変わらなくなるから」としています。また、数年前に高槻駅のホームを増設したので、ホーム間の移動が面倒なものの乗り換えニーズの多さには既に対応できているでしょうから、もう廃案かもしれません)。
    そういう意味ではザ・パークハウス神戸三宮のような定期借地権付きの分譲マンションでは地権問題が生じないので、市街地や駅前の分譲マンションのあり方としては適切であると考えます。
    個人的には神戸市の中央区のマンション規制も、定期借地権付きの分譲マンションは適応外とし、定期借地権付きの分譲マンションをどんどん建てるのがいいと感じています。
    分譲マンションも、築60年や70年となると資産価値も大幅に下落し、むしろ維持・管理費や修繕積立費の方が高くなって保有するメリットもなくなりますので、市街地や駅前には適切な方式ではないでしょうか。
    ちなみに上述のJR高槻駅の駅至近には億ションを含め高層マンションが建設されていますが、そのうちのいくつかは定期借地権付きと聞いたことがあります。
    高槻も茨木と同じ轍は踏みたくないのでしょうね、神戸はどうでしょうか。
    神戸ではJR茨木駅のことを他山の石とし、このような地権問題による衰退が起こらないことを願っています。

    2019年春ダイヤで岸辺快速・茨木新快速停車は?
    https://ibarakiekimae.machi.info/%E6%96%B0%E7%9D%80%E6%83%85%E5%A0%B1/2019%E5%B9%B4%E6%98%A5%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%81%A7%E5%B2%B8%E8%BE%BA%E5%BF%AB%E9%80%9F%E3%83%BB%E8%8C%A8%E6%9C%A8%E6%96%B0%E5%BF%AB%E9%80%9F%E5%81%9C%E8%BB%8A%E3%81%AF

    すみません、また長くなってしまいました。
    お許しください

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