新長田合同庁舎

新長田合同庁舎の1階は木の香り漂う自然建材豊かな内装 新長田再開発は最終章へ


昨夏に完成、稼働を開始した新長田合同庁舎。1,000人の職員が就業し、年間30万人以上の来館者が予想される行政施設の誕生によって新長田再開発地区活性化の起爆剤として期待されています。日本設計が手掛けた建物はファサードから非常に凝った造りでディテールや色調にも高い格調を持った建築です。


稼働開始後の取材は初でした。1階の北東角は兵庫県立神戸生活創造センターが開設されており、内装から外部に柔な光がこもれる設計となっています。


センター内は木材の床や家具によってナチュラルな雰囲気の空間に仕上げられています。フリースペースや図書コーナー、自習スペースが設けられいる他、有料施設としてスタジオ、キッチン、講座研修室、展示ギャラリー等も備わります。


同センターは1階東側のピロティにも面しており、外部への賑わいを演出します。「まちとつながる庁舎」がコンセプトです。


東のメインエントランスから内部に入ると広がるのが、エントランスホールの中央アプローチ。ここの大きな特徴は天井や床にあります。兵庫県産の木材をふんだんに使用して暖かみのある空間が広がります。等間隔に設けた間接照明もこれを助長する演出です。


木の空間から強いコントラストを示すエレベーターホールはシックに黒で統一。案内サインの視認性は非常に高いです。


凛として、全てが明確に定義された空間になっています。和モダンのテイストで非常にセンス良くまとめられています。


北側のエントランスが東のメインに対してサブ的な機能を果たします。


こちらも木材と黒の内装壁の組み合わせに統一されています。


床、柱、壁、ベンチの全てが木材でまとめられた待合空間です。


壁に掲示されている庁舎周辺マップも木製です。


建物中央には吹き抜けのボイド空間もありますが、今回の取材では確認する事は出来ませんでした。しかしながら外観、内装共に優れたデザイン設計が施された行政拠点施設となっている事が分かりました。今秋から建設工事に着手する新中央区総合庁舎も日本設計が手掛けましたので、この合同庁舎に匹敵する以上の仕上がりが期待できるでしょう。今から楽しみです。


新長田ではまだ幾つかの規模の大きな開発用地が残されていますが、既にそれぞれ売却済で着工を待っている段階です。新長田合同庁舎近くの開発用地である腕塚5丁目第3工区と呼ばれる2,380平方メートル。県立総合衛生学院が進出予定です。


敷地面積3,736.70平方メートルの大橋7第2工区はミサワホーム株式会社・医療法人一輝会・京阪電鉄不動産株式会社共同企業体が落札し、共同住宅と病院を建設します。


1,703平方メートルの大橋3第1工区・第2工区は長谷工コーポレーションが取得。


同社が共同住宅となる地上15階 89戸の分譲マンションを建設しています。


敷地内では山留と掘削工事が進行していました。


このマンション建設地周辺では神戸市が再開発ビルの建設に住宅供給公社を使った自前での事業から民間にシフトさせて以来、多くの分譲マンションが完成しました。前述3施設の完成で新長田の再開発事業が完了を迎えます。これらに加えて、神戸市は拠点駅として新長田駅前広場の再整備にも乗り出す予定です。

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