磯上通7丁目にある三宮フコク生命ビルは1991年9月竣工 地上9階建鉄骨鉄筋コンクリート造のオフィスビルです。完成から30年を迎え、外壁等に老朽化の兆しが見られていましたが、外壁改修工事が行われ、外見上は真新しいビルへと生まれ変わりました。
以前はタイル地のパネルを採用していましたが、これを全て撤去して新たに花崗岩調?の外壁材に貼り替えが行われました。
この化粧直しによって重厚感を帯びた建物となり、ビルの格調もワンランク上がった感があります。
低層部周りの様子です。自然な仕上がりで当初からこの仕様だったような完成度です。
築30年は建て替えにはまだ早く、かと言って老朽感は出始めている為、そのままでは競争力を失います。オフィスビルのリニューアルは保有者の変更があまり無いからか、然程、見かけません。
生命保険会社はバブル期まで全国の都市に大量のオフィスビルを建設してきました。しかしバブル崩壊後は不動産投資にはあまり積極的ではなく、既存ビルのブラッシュアップに留まり、売却も行なっています。
ただここ最近は一部の大手生保が再び不動産への投資も再開しているようです。
国際会館交差点角地のハザマビルも最近、外壁の改修工事を終えました。写真では分かりにくいですが、白亜のセラミックパネルの白さが際立つようになりました。
オフィスビルの大規模リニューアルで良い例は井門神戸ビルです。このビルの特徴であるシリンダー部(エレベータータワー及びホール)を含めてカーテンウォールを全て刷新したので、見た目は新築ビルに生まれ変わりました。一等地にある高グレード人気ビルならではの変身ぶりでした。
立地や状態によって建て替えではなく、改修という選択肢も有りだと思います。しかし一等地で高度利用されていない建物は間違いなく建て替えや集約が必要です。
最近、都心でちらほらと見かけるのはミストとシェードが一体となった休憩所。神戸市が道路上でのクールスポットの実証実験として、葺合南54号線と大丸前スクランブル交差点前の二箇所にこの冷却休憩所が設けられました。建物の高層化を進め、空いた土地に緑地をもっと設ける事が出来れば、都市はもっと涼しくなります。
三宮フコク生命ビルの外壁改修工事完了 生まれ変わったオフィスビル
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「しん」さんが書かれているように、バブル期までは保険会社が全国各地でオフィスビルを建設していましたが、バブル崩壊以降そのような動きがめっきり減った印象があります。特に公共交通機関依存度の低い小規模な県庁所在地などにも都会的なオフィスビルが次々と建てられましたが、駐車場の問題や地方都市自体の衰退などの理由で、平成の中盤あたりからは空きフロアが目立つようになり、保険会社の不良資産と化していたと思います。そのような苦い経験があるからか、大都市のオフィスの空室率が低くなっている現在でも、保険会社が主導するオフィスビル建設の動きは鈍いと感じざるを得ません。
確かにこれまでこういったオフィスビルに入居してきた銀行や証券会社の支店は今後も店舗を統廃合していく流れが続いてますし、建築コストの高騰の問題もあり、簡単にオフィスビル建築に踏み出せない経営判断はわかりますが、主要都市におけるグレードの高いオフィスの不足は明らかですので、建設する都市は選ばなければなりませんが、ぜひ保険会社が再びオフィスビル建設に積極的になってほしいと思います。そして神戸がそのなかに選ばれてほしいと思います。
フコク生命ビルの外壁は、恐らく既存タイルに剥離落下防止用にメッシュとピン打ちのうえカチオン系基材を塗って、セラミック石目調吹き付け塗料又は、石目調塗料が塗布されたシートがありますので、それで仕上げられていると思われます。
こんにちは。
6番目の写真は、摩耶松本ビルが正式名称だと思います。施工はハザマでした。このビルの塔屋壁面にはノーリツのネオンサインがありました。この看板はJR三ノ宮駅のホームから綺麗に見えました。この写真を見ていて、昔はサントリーのネオンサインなど駅周辺には動きのある光が溢れていた記憶がよみがえりました。現在、神戸市都心部は静かなLEDのシックな光で街が照らされ美しくはありますが、街が沈んで活気が無く思えます。
そう、神戸の街並みは静物画のような”はかなさ”が漂っているように私には感じます。
一方、道頓堀のカオスは、若者や内外の旅行者を引き付けてやみませんそれは、街が個々の建物が独自の躍動感のある個性を持ち主張し合っているからだと思います。
好みは解れるでしょうが、変化し続ける街には大きなエネルギーがあり人を引き付けてやみません。
私は、今の神戸にはこのエネルギーが最も必要とされていると思います。