金属や非金属などの加工対象物の表面に、セラミックスなどの異材質による新しい高機能皮膜を形成する溶射技術による表面改質を提案する業界トップ企業であるトーカロがポートアイランドII期地区の医療産業都市内に新本社屋を建設中です。同社は現在、東灘区・深江に本社を構えていますが、新社屋に拠点を移し、本社機能の充実や研究開発機能の強化を目指しています。
2015年年末には神戸市より6000平方メートルの敷地購入を発表。2016年夏の着工を予定していましたが、実際には昨年秋以降に基礎工事が始まりました。しかし未だに同社からは新本社の概要について具体的な発表はありません。現地では建物の鉄骨建方がかなり進んでおり、ほぼ概要が掴めてきました。地上4階建てで緩やかな側面を描いた形状となるようです。延床面積は4000平方メートル程でしょうか。
撮影日はポートアイランドで2017 神戸バレンタイン・ラブランが開催中でした。トーカロ本社建設地がまさにコースに被ってしまっていたので、ランナーの方々も今回の取材の被写体となりました。
新たなる進出企業として建設の進むトーカロ本社のすぐ北側にあるのが、第一三共グループのアスビオファーマ本社屋です。
残念な事に第一三共は業務の効率化・生産性向上を理由にアスビオファーマを解散し、研究拠点を東京に集約することを決定しました。一度は地方分権の流れに乗った企業が再び東京への集積に舵を切ってしまった事は遺憾です。また大手製薬企業グループの本社・研究機能が集積しつつある事が神戸医療産業都市の優位性を支えていますが、この撤退が水を差しかねないことを危惧しています。
本社屋は鹿島リースが建設し、同社が賃借する形で運用されていました。賃貸契約を破棄し、2018年3月末までに閉鎖・撤退し。150人の要員は東京に転籍となり、神戸での操業は8年目で終焉を遂げます。「医療機関や企業との連携などの効果は出ていた」という事で神戸の価値は認めていた事だけは唯一の救いでしょうか。今後は建物の新たなる借り手にその注目の行方が移ります。建物規模は地上6階、延床面積16000平方メートル。製薬企業の一棟借りが望ましいですね。大日本住友製薬が自社拠点を設ける構想がありましたが、まだ実現には至っていません。この建物を借り上げることにになれば結果的には円満です。
トーカロ新本社屋新築工事
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