神戸新聞が、神戸市が今度は「三宮都心再整備の一環として、各線三宮駅周辺の都市機能や空間配置、景観形成などを定める基本計画の策定に乗り出す」と報じました。「17年度中に基本計画をまとめ、行政と民間が相互に空間計画を調整し、各ビルの設計に反映させられるようにする」とのことです。
この事だけを聞かされれば、「ほう。なるほど。すぐにでも着手して欲しい」と思います。が、しかしこれまでの様々な経緯を踏まえると、これまた「何を今さら!?」という思いの方が強く感じられます。またなぜそういった計画策定の予定があるのなら、先日発表されたアクションプランの中で触れられていないのでしょうか。そもそもあのプランは随分も前から策定される事が予告されていたにも関わらずその中味の無さに失望したわけですが、その直後にまたこういった話が出てくる事がしっくりきません。
そもそもJR西日本や阪急が駅ビルの建て替え方針を示唆し始めたのは2012年頃です。すでに4年も前の話です。当時から市と各鉄道事業者との間では水面下でそれなりに協議が進められてきたものと思われます。また三宮クロススクエアを基本構想とする整備方針も昨年の9月に決定しました。これまたすでに1年3ヵ月も前の話です。そして更にこれから1年以上掛けて、基本計画をまとめるということは、この計画が示されなければ駅周辺の民間事業者はビル建て替え構想に着手できないという事になります。これがスピード感をもって進めている計画と言えるでしょうか。
JR西日本が計画する三宮ターミナルビル建て替えには現・駅前広場の大幅縮小が伴います。こうなった場合、三宮クロススクエアが完成するまではJR三ノ宮駅前から広場的役割を果たす場所が消滅することになります。まさに現在、神戸阪急ビルの建て替えによって姿を消したさんきたアモーレ広場のような状態が生まれるという事です。さんきた~は工事完了後は再び広場として復活する予定ですが、JRの場合は現広場にビルが建設されるものと思われます。阪急前も広場が無くなった影響で駅周辺の歩道には人が溢れており、通行も困難になっています。JRの場合、恐らく阪急以上の混乱が予想されると共に、何もしなければかなりの長期に渡ってそういった状態が続くことになります。これを防ぐにはJRの駅ビル建設開始と同時に目の前を走る県道21号線やフラワーロードの幅員縮小、空中歩行者デッキの改造が必要になってきます。
JRの新駅ビルと対峙して建て替えが想定されているそごう神戸店。二つのビルを連結している現在の歩行者デッキも今後の在り方について検討が必要です。
現広場の潰し方にもよるでしょうが、タクシーや一般車の乗降場についてもその在り方が問われてきます。そもそも三宮クロススクエアが実現した場合、タクシー乗り場はどこに移転するのでしょうか。
つまりはこれらのビルの建て替え開始=即三宮クロススクエアへの段階的整備の開始という図式が必然的に生じてくることになります。
また市が整備する予定のバスターミナルを含む高層複合ビルの開発についても、新ターミナルと三宮クロススクエアの間でどう折り合いをつけるのか。市は新ターミナルを段階的に整備するとしていますが、まずは中央区役所、勤労会館、さんぱるがある雲井通5丁目街区から先行して着手されるものと思われます。この場合、ミント神戸1階の既設ターミナルとの連携をすぐに取ることはできません。2ターミナル間のアクセスや、1期ターミナル完成後のJR高架下にある神姫バスターミナル跡及び周辺の整備も今回の基本計画に盛り込まれる必要があります。
「今後、JR、H2Oなどと十分に連携しながら、30年後を見据えた再整備を着々と進めていきたい」としていると神戸新聞の記事は結ばれていましたが、30年後に完了という意味ではないことを切に願いたいと思います。
最後にこの基本計画に景観形成についての方針も盛り込まれるようですが、くれぐれも神戸景観審議会によって民間開発の妨げになるような意見は反映させないで欲しいと思います。神戸阪急ビルについての審議では、120mの高さと建物高層部の幅50mが容認されましたが、審議中には「これが普通と思わせるべきではない」や「JRの駅ビルにはこうした緩和は認めるべきではない。ヴィーナスブリッジから海が見えなくなる(JR新駅ビルの後方に)」といった委員の意見が堂々と述べられているようです。こんな意見がまかり通ってしまえば、せっかくターミナルビル建て替えについて本格的な検討に入ったJRのやる気に水を差しかねません。
せめてJR三ノ宮駅の半径500m地区では大胆にやりましょうよ。エリア外では厳しい規制を掛けても構いません。用途と目的をはっきり明確にし、メリハリを付ける事が今、最も大事なことではないでしょうか。中途半端にだらだらが結局はどっちつかずの中途半端な街を作り上げるのです。
神戸市が三宮再整備の計画を策定 2017年度中に反映
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規制についてはここで言うより、市に対して言うべきだと思います。
少なくとも自分は意見は直接言ってますよ
たぶん反対意見が意外と多いので
市長は戸惑っているんですよ
民主多数決の精神にのっとって
市民投票で白黒つけない限り
自分を否定できないので
いつまでも市民と議論と言い続け
道路整備しかしないでしょ
市に言っても記録に残らないし黙殺されたらそれで終わりだからね。ここで意見を述べる方がはるかに効果的だと思いますよ。コメントを読んでいると行政関係者かそれに近いような人のコメントもあるし、市にも伝わるんじゃないかな。普通の広報や新聞紙上からは読み取れない情報やそれに対するコメントが読めるこのブログは大変貴重な存在です。先日のアップでは反響が大きく三宮駅前開発に対する期待度が伺えました。なかには一般市民は駅前再開発に対しあまり興味がないようなコメントもあり面白いなと思いながら拝見しましたが、関心が無いのではなく関心を持たせるような記事が無いのではないかと思います。神戸新聞は神戸市広報に少し色を添えて伝えるだけで、それに対する問題提起は全くしないと言うていたらくです。地方紙として神戸市の未来を考え世論をリードするような気概は全く感じられません。そんな中、このブログは神戸市のみならず他都市の読者もおられ着実にモノを言う情報発信サイトとして成長しています。こべるんさんこれからも楽しみにしていますよ。
ならさん
市には意見は出しています。しかしそれは一市民の一意見でしかない。私のブログで意見を述べて、それに共感してくれる人が多く出てくれば、その人々も声を上げてくれるかもしれない。その方がはるかに力を持っているとは思いませんか?
そうですね、すいません。
私はここのサイトのファンで、兵庫と神戸を愛しています。それゆえにもどかしいです。
こべるんさんファンの方々で集い、規制撤廃などの声を届けたいと勝手に思います。
景観ガーと毎回叫ぶ共産党はシティタワー三宮の計画があがった段階でも反対していましたね。
結局、この事業はメインとサブの事業が逆転してるんじゃないですか。
ハコモノ建設が先に来るところを、後からついてくる道路公園整備を先にやろうとしているので全体像が見えにくいですね。よく考えればサブの事業を、さも近未来的でおしゃれなメインプロジェクトとしてPRしているのがこの三宮クロススクエアでしょうね。(笑)
市は東遊園地芝生化や、葺合南54号線のトランジットモール化、パークレット事業、三宮プラッツなどの国主導事業を社会実験としてこなしてきましたが、神商議、兵庫県議会、野党議員に詰め寄られて、これらを三宮再整備事業の一環と言い始めたのは詐欺行為に等しいと言えないでしょうかねえ?
これだけ歴史があり人を集めるブログですから注文添えるのは当然かと
コメント欄までは見てないでしょうが記事自体が目に入る可能性は、すぐ廃棄されてそうな個人のアンケートと違いはるかに高いですし
ところでクロススクエアのイメージ図は手前から奥に至るまで低層なんですね
また、もっと広角の全景を出さないことからも職員の理想の低さや自信の無さも感じます
3日に1回は雨なのに雨の日、年々暑さが増す真夏の直射日光、は考慮してないであろう能天気さも気になります
どうも小手先事業が目立つので、少々馬鹿げたような案しかもはや起爆剤にならないことを理解し、緑化もやるならやるでぶっ飛んだレベルのものにしてほしいですね
駅前広場は六甲道駅、新長田駅、垂水駅、西神中央駅とありますけど
どこも人も寄り付かず閑散として全く機能してないんですよねえ。
雨も陽射しも風も防げないのに誰が好き好んでそんな場所に行きたがると思ってるんでしょうね。
何を思って駅前広場に拘ってるのかさっぱり分かりません。
詳しいことが分からなくても、どの完成予想図をみても賑わいは・・・・申し訳ありませんが あまり期待できなさそうに見えますね。
それと横浜ですでに起こっている、 同じようなデザインのマンションばかりできて団地のように見えてしまう状態になってしまわないようにしてほしいですね。
それでも40年以上も1ミリの進展もない横浜駅再開発プロジェクトを抱える横浜市などより、多少なりとも進んでいる神戸市の方がはるかにマシに思います。
せっかくだからラスベガスのストリップのように、歩いて見ても 車窓から見ても楽しくワクワクする街並みが出来てほしいですね。(私の地元もですが)
先日、「市長への手紙」(神戸市HP)にて三ノ宮中心部のビル高さ制限について送信しましたら下のように返事が返って来ました。
≪一部抜粋≫
今年11月に新たに指定され、ご意見でも触れられている「特定都市再生緊急整備地域」や、
平成14年に指定され、現在も引き続き指定されている「都市再生緊急整備地域」内においては、
都市再生特別地区に関する都市計画を民間事業者より提案していただくことが可能となっております。
この都市再生特別地区内では、既存の規制等に関わらず、その地区内の建築物の高さの最高限度を
新たに定めることが制度上可能となっています。
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つまり、都市再生緊急整備地域では、規制とは関係なく、民間事業者が建築物の最高限度を設定できるとのことです。
皆さんはご存知でしたか?
僕は知りませんでしたので正直あっけにとられました。
たぶんいろんなところで議論になっていると思われる高さ制限は、実は以前から指定されている都市再生緊急整備地域では変更可能だったのです。
もちろん指定地域内では多少は制限が緩くなるんだろうとは思っていましたが、完全に塗り替えることが可能とは・・・
うれしいやら、ちょっと恥ずかしいやら。勉強不足でした。