CBREが発表した2018年第3四半期の神戸都心部の賃貸オフィス床の空室率が統計を開始して以来、初の1%台に突入した事を発表しました。同期の空室率は1.9%。前期は神戸市庁舎2・3号館の建て替えに伴って、部局が近隣オフィスへ移転した結果、大幅に空室率が下落しましたが、この結果、オフィス床がより確保し難くなった事を受けて、企業が先行で床を押さえる動きが出てきた事が要因のようです。
景気の拡大を受けて全国の大都市では軒並み空室率が下落し、オフィス需要が逼迫しています。これに対し、東京以外の都市では新規供給が限られており、オフィスが不足しています。ホテルやマンションとも競合し、用地確保も難しく、福岡や京都等については1%を切っています。京都の場合、老朽化したオフィスビルが建て替えでホテルに変わってしまい、床が不足する中で更に減ってしまう悪循環が起きています。
オフィスは日銭を稼ぐホテルと異なり、一度、テナントが入ると中長期に渡って安定収入が得られる為、事業主にとっても手堅い不動産ビジネスを行えるのですが、地価の高騰とホテル業者の勢いに付いていけていないのか、なかなか新規オフィスビルの計画は出てきません。
神戸においても現状、公式的に発表されて着工している新規オフィスビルは2021年完成予定の神戸阪急ビルのみです。三宮1丁目の関電不動産が開発を予定している用地にはオフィスビルが建設される予定ですが、すでにテナントが決まっているようです。久々にまとまった空き床の出た磯上通の三宮プラザビルも富士通の研究施設の入居が決定しているそうです。
雲井通5丁目のバスターミナルビルに三菱地所が大型オフィスを開設する計画もありますが、完成は早くても7年後。
JR三ノ宮駅前に大建興産が計画している地上11階建のテナントビルも中上層階はオフィスとしても活用できるものと思われますが、1フロアあたりの床は限られています。また本当に着工するのかどうかも定かではありません。
JRの三宮ターミナルビル建て替えについては商業とホテルという見方が大勢を占めていますが、需要の逼迫からオフィスを入れてくる可能性もあるでしょう。
日本生命三宮駅前ビルや銀泉三宮ビルのような駅前エリアの好立地で老朽化したオフィスビルはこの機会により大きな規模のオフィスビルに建て替えられるべきかと思います。特定都市整備地区に指定されており、税制や容積率の緩和を利用できます。
大規模再開発が今後、進むにつれ、更に大型ビルの建設計画が出てくる事になると思われますが、完成までにはかなりの時間が掛かります。その間にもオフィス需要が逼迫し続けるので、貴重な機会損失が生じてゆきます。より早く床の供給に繋がる中規模ビルの建設計画も必要ではないかと思われます。
リーマンショック以前には政令市では極度に高い15%以上にも達した神戸の空室率もここまで下落する事になりました。かつての神戸がそうであったように、コンスタントに毎年新しいオフィスビルが供給される大都市では当たり前の通常サイクルが早く生まれて欲しいですね。
神戸都心のオフィス空室率は空前の1%台へ突入!過去最低値を記録
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対する東京は90万平米のオフィスを3年連続で供給されるみたいです。
日本のデベロッパーは割と真面目に頭オカシイのではないでしょうか?
これまでも○○年問題といって供給過剰を懸念する声が何度もありましたが、結局は全て吸収されてきています。その分、地方都市の活力は減退しています・・・。
こべるんの愛読者の八王子在住の人間です。 装い新たなこのページですが、かつてのスタイルのほうが読みやすい気持ちがあります。 以前の記事で、都市特性評価が6位との報告がありましたが、その後の日経記事によれば、都市魅力度では、神戸は第5位という、評価が出ていました。いずれにしても、神戸の持っている都市力は、今もまんざら捨てたものではないと、気分を良くしております。 ところで、他都市訪問についてのレポートですが、東京・大阪・名古屋は当然ですが、横浜についても、さらに言えば、人口規模では追い抜かれた福岡や、神戸に肉薄している川崎(実は、近年まで、川崎は労働者の街、福原よりも格下の、溝の口があり、決してイメージはよくなかった都市が、急激に首都圏でも人気ある街に変貌しています。その代表が武蔵小杉)。 タワーマンションの林立するこの地域は、東京都心区域を除けば、人気急上昇)。 地元の姫路やそれ以外の都市のレポートよりも、これら、全国各地で都市力を上げている街をご覧いただければ、神戸が今後、他都市との競合の中で、いかに魅力ある街づくりができるのか、何らかのヒントがあるように思えます。出張などで、あまりその余裕はないと思いますが、機会があれば、是非!
すでにこちらに移転してしまっているのでこのスタイルに慣れて頂けるようお願いします。勿論、福岡や横浜に勢いがある事は存じていますし、それらの都市で起きている事も、逐次把握しています。しばらくはご無沙汰していますが、複数回訪れてもいます。機会さえあれば、勿論、取材します。
新ブログになってから初めての投稿です。
現代的なデザインに圧倒されました。
さて、神戸のオフィス新規計画は大規模再開発が進展するまどれだけ出てくるのか見物です。
もし景観規制がかかるとなれば高層オフィスの建てられる場所が限られるかもしれないです。
神戸の現状を踏まえると、高層オフィスも必要ではあるが、需要に追いついていないのであれば、中規模ビルをいくつか建てて供給を間に合わせる、といった形がよいのかもしれませんね。
新しいデザイン、気に入って頂いてありがたいです。活力のある都市は大規模再開発も当然ながら、中規模ビルの供給がコンスタントです。高層オフィスに入居できる企業は限られていますからね。
銀泉でしょうね。銀泉三宮ビルは建て替えになるので時間がかかりますが、三宮町と栄町通の一等地にある駐車場なら大規模ビルが即建設可能です。特に三宮町は特定都市再生緊急整備地域内ですし、銀泉が腰を上げるくらいの開発におけるインセンティブ付けると同時に、同地域内の一定規模以上の低未利用地には課税強化でもやれば良いと思いますね。銀泉が神戸の都市再生の大きな障害の一つとなっていることは間違いないのですから。自分でやらないのなら、せめて地価が上昇しているこの機に売買して欲しいものです。
余談ですが、都市の魅力度ですが、神戸は、生活・居住と環境が際立って低評価でしたね、他都市からすると暴力団のイメージが色濃いんでしょうかねぇ?
銀泉については元町GSパークの開発の可能性が高まっているようです。三宮は隣接するビルと合わせて早期の再開発をお願いしたいですね。神戸の生活・居住と環境の評価が思いのほか、低かったのは意外でした。
神戸市に関する最新ニュースの中では、都心のオフィス空室率の低下や平成29年の工業統計調査結果による従業者数・製造品出荷額の増加など今後に期待できるものが見られます。
中でもオフィスビルについては集中・連続する街並みが最も大都市らしさを象徴する景観となるため、空室率の低下に伴もっと建築計画が出てきてほしいと思います。
そして行政には民間の投資意欲を高めるような施策をしっかり取って頂き、高度業務集積を目指して制度設計されるべき都心に、あまり価値のなさそうな不合理な景観規制をかけて迷走しないようにお願いしたいものです。
制度設計による支援等で民間投資をオフィスビルへと向かわせるよう様々な工夫が欲しいですね。JRや阪急百貨店にもオフィスを計画させるインセンティブが欲しいところです。
センタープラザビル建て替え、やりましょう。
ハードルは高そうですが、あそこしかないです。
さんセンタープラザとセンター街の再開発は神戸都心再開発の総仕上げとしての位置付けかと思われます。その動きはあるようではあります。