新神戸駅前のANAクラウンプラザホテル神戸の12月以降の営業について、複数の方から予約を受け付けていないとの連絡を頂きました。公式サイトを確認してみると、12月1日以降は全て満室扱いで全く予約ができない状態に。その他の予約ポータルサイトでも同様の状況です。同ホテルに一体何が起こっているのでしょうか。

神戸の陸の玄関口・新神戸駅の目の前に聳え立つ高層ビル群「新神戸オリエンタルシティ(C3街区)」。昭和から平成、令和へと時代が移り変わるなかで、この巨大な複合施設とそこに組み込まれたホテルは、街の発展や社会経済の動向と連動しながらダイナミックに姿を変えてきました。
地上37階建てのランドマークタワーを中心に、商業施設(新神戸OPA)、劇場(新神戸オリエンタル劇場)、そして高級ホテルが一体となったこのプロジェクトは、単なるビルの建設にとどまらず、「新神戸エリアに新たな人の流れを生み出す」という先進的な都市開発の試みでした。

開業当初は、神戸の名門ホテルブランドを継承した新神戸オリエンタルホテルとしてスタート。洗練されたインテリアと高層階からのパノラマビュー、新幹線直結という圧倒的な利便性が評価され、神戸を代表する超高層ラグジュアリーホテルとして不動の地位を築きました。
しかし、1990年代後半からのダイエー本体の経営不振や阪神・淡路大震災の影響等を受け、事業構造の見直しが迫られます。2000年代に入るとダイエーの手を離れ、米モルガン・スタンレー系のファンドへと所有権が移りました。これに伴い2006年、ホテル名はクラウンプラザ神戸へと変更され、長く親しまれた「オリエンタル」の名は一度姿を消すことになります。

その後、不動産所有はタイのTCCグループ系投資会社に移行。運営面ではIHG・ANA・ホテルズグループジャパンとの連携が強化され、2010年にANAクラウンプラザホテル神戸へとリブランディングされました。現在も国際的なホテルチェーンの品質基準を備えたホテルとして、ビジネス・観光双方の需要を支えています。

かつて若者を中心に賑わったファッションビル「新神戸OPA」は、消費トレンドの変化を受けてリニューアルを重ね、現在はライフスタイル提案型施設「コトノハコ神戸」へと生まれ変わり、文化発信の拠点だった「新神戸オリエンタル劇場」は、2.5次元ミュージカルなどを中心に発信する「AiiA 2.5 Theater Kobe」として再始動し、新しい世代の集客を担っています。しかしその運営状況は厳しくフロアの殆どは閉鎖された状態で営業しています。

ここ最近では、インテリアショップやコワーキングスペース等のテナントも入り、アクセスの比較的容易な2階周りは人の気配を感じられるようになってきましたが、まだまだ賑わうというレベルからは程遠い状態です。

ホテルについてですが、宿泊予約ができないのはシステム障害との説明を受けましたが、今月や来月は予約が可能な事、他のANAクラウンプラザホテルの予約にも問題はない事から、この説明は腑に落ちません。また12月以降の棟内レストランの予約は可能なようです。
公式サイトにはこのシステム障害に関する断りもないものの、2027年2月9日(火)に、「全館停電」を予定している事を今月半ばに発表しています。
この状況で考え得る可能性は以下かと思われます。
- 館内の大規模リニューアル
- ホテルのリブランド
- 本当にシステム障害
神戸の観光・宿泊客の増加や将来的な展望には明るさが見られる中、改装による魅力アップを図る流れは考えられる事です。リブランドについては、既に数度、実施されていますが、もしインターコンチネンタル等、IHGグループの上位ブランドへの転換が図られるのであればより歓迎されるでしょう。

新神戸駅前広場の再整備計画は立ち往生しています。広場の地下には道路や埋設物等、多くのインフラ設備が多く存在し、地上から地中の構造変更はかなりの難工事が伴い、設計検討に時間が掛かっているようです。税関線歩道橋の構図とそっくりになっています。基本計画策定の段階から予想できていたのではないかと思われますが、調査結果で難易度が高いと判断されたのでしょうか。

神戸のホテル稼働率は高いレベルを維持しているようです。日銀神戸支店が発表した8がつのホテル稼働率は79.4%に達しました。神戸駅前のマリオット神戸の客室窓には、平日にも関わらずほぼ全室に明かりが灯っています。ラグジュアリーホテルの客室数は現状、限られており、需要の高さが示されいる中、ANAクラウンプラザホテル神戸の今後の動向が注目されます。

