ABCハウジング跡

ABCハウジング神戸駅前住宅公園跡地の一部は短期の暫定利用を開始 水面下でどんな開発事業が計画されているのか


JR神戸駅南東側にあったABCハウジング神戸駅前住宅公園が閉鎖されてから1年が経過しました。住宅公園は更地化されましたが、その後、具体的な活用方法は明らかにならないまま、土地が東西に二分化された状態に留め置かれていました。



ここに来て新たな動きが生じました。東側の小さく分割された方の土地にコインパーキングがオープンしました。



出入口付近のみアスファルト舗装が施され、ゲート設備を設置。駐車スペースは砂利が敷き詰められ、駐車枠はロープという簡易的な仕様の為、今回の駐車場はあくまでも暫定的な土地の活用に留まるものと思われます。投資額も最低限に抑えられている為、暫定利用期間は数ヵ月から最大でも半年程度かと推測します。



気になるのはオープンしたのが「GSパーク」である事。GSパークは不動産会社の銀泉が運営するコインパーキングです。この土地をNTT都市開発から銀泉が購入したのか、それとも一時的な利用の為、銀泉に運用を委ねたのか。そもそも土地を分割した時点で、保有者はNTT都市開発から別事業者に転換している可能性もあり、その取得者が銀泉に運用を委ねたという事も考えられます。いずれにせよこのパーキングは短期の暫定利用である事が推測される為、来春までに何等かの建築工事が開始されると予想しています。



西側のより大きな土地については、フェンスの仮囲いが設置されたままの状態です。既に地質ボーリング調査が実施されていた事はお伝えしていますので、新規プロジェクトが始動する事は間違いないでしょう。問題はその用途です。



敷地面積は3,000平方メートル程に縮小されています。元々は、南側に隣接する神戸駅前JUSTスクエアも含めた広大な土地でした。商業、宿泊、住宅等の用途を併せ持つミクストユースの複合ビルの建設が適しているのではないかと思います。



周辺では共同住宅が急増している為、食品スーパーや生活利便性店舗、クリニック等の入る商業需要、JR神戸駅から至近距離にある事による宿泊需要、利便性の高さを売りにした賃貸住宅需要を満たし、パーキングを併設した地上20階建ての規模程度の複合ビル案というのはどうでしょうか。

本来であれば、つい最近、NTT都市開発がJR京都駅近くで着工予定のチームラボの常設ミュージアムのような集客施設の建設を望みたいところではありますが、神戸空港が国際化されたとは言え、まだまだ神戸のインバウンド需要は小さく、NTT都市開発が神戸をどう評価しているか次第で、活用方法が定められるでしょう。ただ新港突堤にアリーナを建設したNTT都市開発ですので、何かワクワクする事をしてくれるのではないかという期待も捨てきれません。



向いには日本郵便が保有する開発用地が眠り続けています。この2,520平方メートルの敷地面積を有する土地も賃貸収益拡大に向けた開発候補不動産への投資対象と扱われています。



資産価値の高い開発候補物件として、今後、どのように開発されるのか。NTT都市開発の土地の開発手法によってもその行方は大きく左右されるのではないかと思われます。



その日本郵便の土地の東側にあった神戸ビルという倉庫ビルが解体されて更地化されました。



土地の先にはハーバーロードを挟んで神戸中央郵便局があります。日本郵便がもしこの土地を取得したのであれば、中央郵便局と神戸用地を結ぶ結節点として機能し、土地活用の方向性に何等かの影響を与える可能性が出てくるでしょう。いずれにせよ、神戸市の住宅建設規制がタワーマンションの建設を妨げている為、これらの土地にタワマンが建つ可能性は低く、開発事業者はそれ以外の用途に絞って土地活用方法を見出す必要があります。

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