模型と空撮で見るハーバーランドの変遷

街開きから20年を迎えるハーバーランド。その計画時には進出の固まっていなかった未利用地の活用について様々な構想があったようです。上の写真はそんな構想の一環を表した模型です。

ハーバーランドセンタービル、ダイヤニッセビル、オーガスタプラザ、クリスタルタワー等の現存の主要中核施設に加えて、まだデザインの決定が行われていなかった神戸情報文化ビル(中央左の黒い建物)が確認できますが、その他の施設に関しては一定の具体的な進出計画があったのか、そのあるべき姿が模型化されています。

まずは手前のモザイクですが、高浜岸壁には当初、旅客ターミナル機能を備えた宿泊施設が計画されました。計画通りであれば、現在の中突堤のメリケンパークオリエンタルホテルのような施設になっていたものと思われます。しかし港湾地区という用途地域が障害となり、宿泊施設の計画は断念。代わりにモザイクという一風変わった商業施設が生まれることになりました。模型では現在営業中の北側1期棟に続いて、旧モザイクガーデン(現アンパンマンミュージアムの建設地)跡には2期棟が計画されていたようです。

続いてその奥の現在、パーキングとして暫定利用され、三菱地所がタワーマンションを計画している区画には、半円形型の高さ70m前後の高層ビルがあります。海に面する眺望を活かした宿泊施設を想定していのでしょうか。その更に奥にはガス燈通に面してオフィスビルが立っています。この二棟の建物の足下にはまるでスペースシアターのような施設が確認できます。

向いの三角地(現アニヴェルセル神戸)は模型がないので全く構想らしき具体的な進出計画がなかったのでしょうか。外国人向けのサービスアパートメントが計画された事もあると聞いたことがあります。

はねっこ広場の奥で現在、伊藤忠都市開発がタワーマンションを計画している場所はそもそも当初からタワー型の共同住宅の誘致を構想していたようですね。



そして1992年の街開き当時。模型通りに中心地区の中核施設が完成しています。クリスタルタワーやモザイク等はまだ開業前のようです。新しい神戸を担って船出したばかりの初々しい街並です。



そして20年後。外見上は神戸情報文化ビル、観覧車、THEライオンズ等が新たに加わっています。街の中身は新陳代謝の繰り返しで総入れ替えの様相を呈し、開業時に入居していたテナントは今年の神戸阪急の撤退によって皆無となりました。

しかし来年は、商業地区としてこの街がの大きな変貌を遂げようとしています。今度こそ真の再生と成功を願って止みません。この勢いに乗じて、業務地区としても改めて再認識をして貰うために、P&Gの移転誘致を行ってはどうでしょうか。国際企業のある街としてブランド化されれば更に街の活性化が進むのではないかと思います。