2025年春の稼働開始を目指して進められている神戸空港の機能拡張プロジェクト。発着回数制限を120回/日に緩和し、国際チャーター便の就航も可能となる為、これに対応するハードの整備が進められています。
まず着手されたのが航空機の駐機場であるエプロンの拡張工事です。複数の三点式パイルドライバが投入されて地盤改良工事が行われています。
神戸空港基本施設他工事として、大林道路・神組JVが施工を行っています。完成予定は来春です。
今回の拡張により、エプロンは西側に300m拡大し、約5万平方メートルが新たな駐機スペースとなります。
この拡張部分には5機の旅客機が駐機できるスペースが生まれ、バスハンドリングとなる新ターミナル利用の旅客がタラップを使って乗降するエリアとなります。
新ターミナルやエプロンの位置図です。
エプロンの拡張と共に周辺道路の整備も進められています。
管制塔のある国土交通省大阪航空局神戸出張所。内部では改修工事が進行しているようです。
そして新ターミナルビルが建設される予定地内。まだ施設の建設工事の着工には至っていません。
ただ敷地内の整地や土木工事等、インフラ整備が進められている模様です。
敷地の東側がランドスケープと呼ばれる緑地、西側に新ターミナルビルが配置されます。
既存ターミナルビルやポートライナー駅と新ターミナル間のアクセスについて、当初はシャトルバスの運行が想定されていましたが、2ターミナル間を結ぶ歩行者デッキの整備の可能性についても協議が行われているようです。
新ターミナルビル建設予定地の西側にもクレーンが入っていますが、何かしらの構造物をこの場所で構築し、他の現場に運んでいるようです。
神戸空港大橋の4車線化工事も中央分離帯の設置も終わり、残るは橋の南北にある交差点の改良工事のみとなりました。着実に1年4ヶ月後の空港機能拡大に向けて、準備が進行しています。新ターミナルビルの建設工事も来年早々には着工するものと思われます。
神戸空港の機能強化が順調に進んでいるようですね。駐機場増設や旅客ターミナルの拡張はまさに空港拡大化への中核工事です。現在進行中の神戸空港拡大整備と阪神高速湾岸線西伸工事は共に神戸復権の鍵を握る強力な交通インフラ整備なので期待が大きいです。
ところでサブターミナル新築工事は2025年の供用開始まで工期が短いですが、やはりメインターミナルの本格的建替え整備までの暫定版でしょうか。位置的にも暫定的要素があり、工事費・工期とも十分とは言えないので合理的で割り切った仕様になりそうです。余りにももったいぶった段階的な規制緩和の弊害ですかね。関西圏の利益にならない不合理な規制は潔く全廃して欲しいものです。
ただ規制全廃への方向性は変わらないと思いますのでまずは2025年の供用開始を目指すことに成ります。その頃になり、2030年の国際定期便就航に備えるメインターミナル建替え工事の計画がすすんでいるといいですね。
2025年共用へ向けて整備されるサブターミナル。
工期の短さや費用面を考えると、メインターミナル整備
までの暫定的な施設に留まるのか。
建設位置から推測すると、国際定期便就航後は商業利用に
特化した施設へと転用される可能性もあります。
関空メインターミナルから駅を挟んで反対側に位置する
エアロプラザのように。
仮に既設ターミナルからデッキが整備されるのであれば、
その距離から考えても、ムービングウォークの併設は
必須ではないかと思われますが、
あくまで暫定的な空港機能として整備するのか、
常設の商業エリアなどに転用されるのかにより、
それも左右されるのかもしれませんね。