提言

政府がスタートアップ拠点都市を選定へ 規制緩和特区を活用して集積地へ


昨日の日経新聞朝刊が報じたところによると、政府はスタートアップ企業を育成するための総合戦略をまとめ、2020年中にスタートアップ企業が集積する拠点都市を2〜3ヶ所選び、規制緩和や企業家、投資家などで集中的に支援するとの事です。時価総額が10億ドル(日本円で1080億円)以上の未上場企業ユニコーンを各拠点都市に5社以上をつくる目標を掲げ、年内にも拠点都市の公募を開始する予定です。名乗りを上げる対象都市には大学や金融機関、ベンチャー支援組織と協議会を設け、スタートアップ集積地づくりの構想を提案する事が求められ、資金調達から技術の連携、人材育成までを街が一体となって支援しなければなりません。


神戸市にはぜひともこの拠点都市公募へプロポーザルを行なって欲しいと思います。既に神戸市も独自にスタートアップ支援プログラムも始動しています。スタートアップの集積で鍵を握るのはアクセラレーターと呼ばれる創業支援のプロの存在が欠かせません。神戸ではシリコンバレーを拠点に世界50カ国1500社以上を支援する、世界で最もアクティブなシード投資ファンドとして知られる「500 Startups」と連携したスタートアップ育成プログラム「500startupアクセラレーションプログラム」を進めており、スタートアップ育成都市としての条件は整いつつあります。

更に国の支援や特区制度が活用できるようになれば、育成にとってより最適な環境が用意できます。スタートアップがビジネスを行いやすい交通インフラが整っている事や国内の主要都市と比較しても賃料や地代の値上がりが抑制されている点、生活コストが等も寧ろ追い風です。


今後、三宮の再開発によって新しい大規模オフィスビルが誕生する予定もあり、スタートアップ集積拠点として成功できる器は十分にあると言えるでしょう。

ただ政府が東京や大阪等の国内最大級の都市を選ぶのでなく、地方創生の観点も踏まえた拠点都市の選択を期待したいと思います。

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  1. S.Y. Kobe より:

    政府が行うスタートアップ拠点都市への規制緩和や集中的な支援制度は神戸の今後の成長戦略にマッチするものですから是非とも選ばれてほしいですね。スタートアップ企業が集積する拠点都市を2〜3ヶ所選ぶということですから神戸市は万全の準備のうえこの拠点都市公募へプロポーザルを行なうべきです。

    すでにブロック経済圏の代表都市には集中支援策が整えられつつありますが、そうではない大都市である神戸市・京都市・横浜市などには特に有効ですね。この顔ぶれが拠点都市指名の最大のライバルではないかと思います。

    昨今の神戸市政の迷走ぶりは呆れるほどで特に時流を読めない規制など何の成果もありませんが、本件については珍しく先行している部分もありますので是非結果を出してほしいと思います。今の神戸は自ら都市基盤を磨くことが第一です。

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