西神中央駅前西側の市が保有する遊休地をリノベーション神戸の主要プロジェクトの一環として開発し、文化交流拠点と人口集積の一助となる集合住宅の建設を一体的に進めてきました。文化施設は敷地南側になでしこ芸術文化センターが先週にオープン。住宅は敷地の北側にクレヴィアシティ西神中央が竣工を迎えました。
地下鉄西神・山手線のターミナル駅前徒歩3分という利便性の高い立地に総戸数304戸の大規模分譲マンションが誕生しました。取材日は丁度、入居者向けの内覧会が行われていました。
シンプルな構造のマンションを多く建設する長谷工コーポレーションの施工した物件ですが、設計は都市建一級建築士事務所が手掛けただけあり、外観は非常に凝った造りで、駅前新街区のランドマークに相応しい威風堂々としたデザインと言えます。
建物は実質的に3棟で構成されており、コの字型に建物を配置しています。
コントランスの強い2種類のガラス手摺をバルコニーに採用し、これらをブロック毎にモザイクパターンでランダムに使用しています。
敷地内の外構には植栽を非常に多く採り入れており、内部に照明設備や自動の水やり設備も完備しています。
駅前再開発によって誕生した大規模マンションだけに歩道の舗装も一新され、入居者も新生活に誇りを持てる物件と言えそうです。
バルコニーは各戸の中央部が飛び出したグリッドと呼ばれるボックス状とし、この「DECOバル」の出幅は最大2.6mもあり、マンションの2階以上の住戸でもアウトドアリビングを堪能できる設計です。
竣工には至りましたが、住戸はまだ完売していません。戸数が多い事もありますが、この物件の売れ行きが、今後の西神中央に供給されるマンション計画にも影響するので、早期の完売が必要です。
なでしこ芸術文化センターとの境界となる憩いのプロムナード。緑の小径は間もなく供用が開始されると思われます。
西区は明石市への人口増貢献度の最も高い自治体です。挽回には西神中央駅周辺の利便性と拠点性を再構築し、魅力のある住宅供給も必須です。
開発された駅前新街区。なでしこ芸術文化センターは素晴らしい施設ですが、これだけで人口流出が止まる程、現実は甘くはありません。しかしその施策がどのように効果をもたらしていくのかをしっかりと見届けていく必要があります。
(仮称)神戸市西区美賀多台1丁目計画新築工事(クレヴィアシティ西神中央)
所在地 神戸市西区美賀台1-1-3
事業者 伊藤忠都市開発 旭化成不動産レジデンス 山陽電気鉄道 和田興産
敷地面積 7,844.78㎡
建築面積 3,382.89㎡
延床面積 25,083.36㎡
階数 地上11階
用途 共同住宅(304戸)
構造 鉄筋コンクリート
設計者 都市建 一級建築士事務所
施工者 長谷工コーポレーション
竣工予定 2022年10月末
クレヴィアシティ西神中央物件サイト
向かいの駐車場跡地では、双日が住宅開発を計画していますが、着工に向けて地質ボーリング調査が開始されました。
24年3月に完成予定で、地上14階建の賃貸マンションが建設されます。こちらも数百戸級の大規模住宅になると思われます。若い世代には入居のハードルが下がる事になりますし、且つ駅前の利便性も享受する事が可能です。