神戸・三宮エリアにおける駅前再開発「えき≈まち空間」の全貌が見え始めるなか、都心部の分譲・賃貸マンション開発における「立地選定」と「商品企画」が変容しています。神戸市によるタワーマンション等の新規規制(都心機能誘導地区等における住宅建築制限)以降、供給の主戦場は「超高層」から「都心プライム立地の13-15階建て中規模アセット」もしくは神戸駅周辺を中心とした「18-20階のミニタワマン」へと完全に移行しました。
その中、阪神不動産が元町通エリア及び下山手通で更に新規プロジェクトを始動します。

かつてのようにタワーを一本建てて数十戸〜百数十戸を供給するスキームが閉ざされた現在、事業主(デベロッパー)各社が熾烈な奪い合いを展開しているのが「トアロード周辺」「下山手通」「元町通」といった商業・近隣商業地域のまとまった用地です。

今回、下山手通3丁目の遊休地の開発概要が判明しました。つい最近までは遺跡発掘調査が行われていましたが、これも完了し、いよいよ新規プロジェクトが始動します。

阪急阪神不動産が手掛ける地上15階 延床面積3,603.78平方メートル 総戸数70戸(ファミリー42戸 ワンルーム28戸)の新築マンション計画が12月上旬に着工予定となっています。

敷地面積は566.26平方メートル。設計はエルディ株式会社一級設計士事務所。ワンルームの占める割合が多い事や設計会社の実績が賃貸マンションメインである事から、この計画は阪急阪神不動産が手掛ける賃貸マンションブランドの「ジオエント」シリーズの物件になる可能性が高いものと思われます。

同社は既に元町通1丁目(パチスロ店「天一元町店」跡地)店舗付きの地上15階建て高層賃貸マンションの建設計画を進めています。敷地面積は約384㎡、延床面積は約2,600㎡、規模は地上15階建てで、総戸数は56戸が予定されており、こちらもワンルーム14戸、ファミリー住戸42戸と、下山手通と似た規模感です。低層階(1階部分など)には店舗が併設される予定で、周辺の繁華街や商店街の賑わいに調和するテナントが入居するものと期待されてる点が異なります。

近隣の中山手通2丁目では「ジオ神戸三宮」を分譲中です。同物件は2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。また神戸駅前でも「ジオ神戸相生町」を建設・分譲中と、神戸都心部において、分譲・賃貸の複数物件の新規供給に注力しています。

他大手マンションデベロッパーが、分譲マンションに傾倒する中で、阪急阪神不動産は賃貸マンションも織り交ぜ、関西地場のメリットを活かす戦略を進めています。同じ賃貸物件でも、大手賃貸マンションデベロッパーとは一線を画し、ブランド力を前面に押し出す事で差別化を図ります。分譲ビジネスは、売上規模が大きい反面、景気動向や金利変動、資材高騰などの影響を直接受けて業績が大きく上下しがちで、更には近年、マンション開発用地の取得が年々、難しくなっている為、規模のコンパクトな賃貸住宅であれば、駅近の比較的小規模な敷地で収益化しやすく、また分譲マンションの購入を諦めた層・先送り層の受け皿としてもニーズがあります。

若手社会人や単身層だけでなく、ファミリーやアクティブシニア層の間でも、「いつでも引っ越せる柔軟性」や「資産を固定化させないスタイル」が好まれる傾向が強まっている事もこの動きを後押ししており、地場最大のマンションデベロッパーの和田興産も、分譲マンション主軸のポートフォリオから、賃貸や高齢者住宅へのシフト化を図る事を明言しています。高度成長期から続いてきた分譲マンションというビジネスモデルも大きく本格的な転換期を迎えています。
阪急阪神不動産が新たなマンションプロジェクトを三宮で始動!下山手通3丁目計画 都心の高級マンション供給は続くが構造変化も急速に進む
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