「起債許可団体」になってしまった兵庫県。「早期健全化団体」の前段階にあたり、財政破綻する一歩手前の自治体に位置付けられてしまっています。おかしな知事選等にうつつを抜かしている場合ではなかったのです。

しかしながら、兵庫県庁の建て替えについては、庁舎内の部局を神戸市内各地の民間オフィスに移転させる準備も進行している他、先日、六甲山地南縁-淡路島東岸区間の断層帯がSランクに分類された上に耐震性の不足が調査によって判明した建て替えプロジェクトを再び凍結する事はできない模様です。

今春に示された兵庫県新庁舎等整備プロジェクト基本計画』をとりまとめる策定支援を行う昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体が示した新庁舎は地上18階 高さ80m程度という規模が想定されていました。更には見直し前の計画では100mを超える超高層庁舎が見込まれていました。
しかし昨日、執り行われた新庁舎等整備プロジェクト基本計画検討専門者会議の第2回会議にて、新庁舎の規模やボリューム感、そして景観シミュレーションが議題となりました。会議では、新庁舎の規模を以下の2案で比較検討するとしています。

A案: 建物高さを抑え、基準階フロアを可能な限り大きく確保〔13階想定〕
建築面積 6,200平方メートル
延床面積 45,000平方メートル
高さ 60m

B案: 高層化により、ゆとりある外部空間を確保〔18階想定〕
建築面積 5,500平方メートル
延床面積 45,000平方メートル
高さ 80m
検討内容としては、A案のメリットをより多く挙げており、B案はデメリットが目立ち、A案の採択を前提とした内容になっています。
A案のメリット
- フロアを可能な限り大きくとることで、柔軟な部局配置や執務室の活用が可能
- 階移動が少なく、災害時(EVが停止した場合)に施設内のアクセスが容易
- 広場を南・東側に確保でき、沿道空間を整備しやすい
- 工期がB案より1カ月程度短い
- 低層によるEV仕様や電気室の減で設備コスト減
- 高層部はフロア面積が小さく、部門間連携はしにくい
- 階移動が多く、災害時(EVが停止した場合)に施設内のアクセスが不便
- 眺望景観基準適合(ビーナステラスからのポートタワー眺望確保)のため建物配置が東寄りとなり、東側沿道の外部空間の広がりが取りづらい
- 工期がA案より1カ月程度長い
- 高層によるEV仕様や電気室の増でA案より設備コスト増

正直、13階と18階は5フロア・高さ20mの差なので、大差はないと言えるのですが、財政破綻のリスクのある兵庫県の庁舎はよりコンパクトにせざるを得ないのは致し方ありません。通常であれば、一旦は整備を凍結し、財政健全化を達成した上で、規模も含めた新庁舎を再検討するのが妥当ですが、プロジェクトは走り始めてしまった以上、進めて行く必要があり、寧ろ今、進めなければ、建築費は更に高騰し、より高額な庁舎になりかねません。

ウィーナステラスからの眺望でポートタワーを見られる事がどこまで重要なのかは定かでありませんが、大きく縮小された今回の計画は前知事時代に構想された計画のような夢がありません。破綻寸前に陥った県に贅沢は言えませんが、今後の庁舎再編によって元町がどのように活性化を成していくのか。周辺の県保有地を含めた活用については次の記事で触れたいと思います。

