4月18日より国際チャーター便が就航し、国際空港となった神戸空港。国際線の乗客が主な利用者である新築の第2ターミナル。第1ターミナル同様に設計は梓設計を中心としたグループ、施工は竹中工務店、湊建設工業、TC神鋼不動産建設のJVで行われました。
計画当初の規模は鉄骨造2階建て延床面積1万4600平方メートルで、投資額は90億円でした。文字通りサブターミナルという位置付けで、暫定施設的な要素が漂っていましたが、途中から計画が変更となり、延床面積は18,700平方メートルに拡大。
最終的に既存ターミナルに匹敵する第2ターミナルとして、国際線をメインに一部の国内線受け入れも補完する施設へと変更されました。
施設内北側のコーナーを目一杯使った出発・到着ロビー。第1ターミナルも含め、殆どのターミナルが出発と到着ロビーを垂直にフロアを分けるのが通例ですが、この新ターミナルはこれらを一つにまとめる新しい空港ターミナルの形を具現化しました。
高さ11mもある巨大な吹き抜け。天井には木製ルーバーを襷掛けに設置。神戸の新しい空の玄関口を象徴する光景です。
向かって正面にズラリと並ぶ受付カウンター。就航する複数の航空会社が共用で使える設計になっています。
早速、台湾のスターラックス航空の搭乗受付が始まっていました。国際空港では当たり前の光景ですが、国際線らしさがとても新鮮でした。
地域の間伐材を活用した円形の木製インフォメーションカウンター。柱を取り巻く照明のデザインも素晴らしいです。
柱の周りにはすっかりお馴染みになったセルフチェックイン機が複数備わります。
海外の空港のセルフチェックイン機はトラブルが多い印象ですが、神戸空港に導入された最新機はスムーズに作動するものと思われます。
向かって左に出発エリア。保安検査場は自動ドアで仕切られています。国際線の検査場が規模が大きい事が分かります。セキュリティチェックと出国審査を経て辿り着く待合室の数も国際線が3、国内線が1となっています。
第2ターミナルで捌く国内線の取り扱い便数は最大40便/日に限られます。スカイマークやANA等、既存の就航会社でなく、新規に乗り入れる航空会社がこちらのターミナルに割り当てられるのでしょうか。
奥には宅配・一時手荷物預かりのカウンターが設けられています。
柱と並ぶエレベータータワー。2階のデッキに接続しています。
出発・到着ロビーに設けられた待合空間。搭乗エリアには多く設けられているベンチですが、出発ロビーには座る所が少ない空港が多い中、第2ターミナルには充実した待合があります。
ロビー内の窓際に設置されたベンチです。デザインはシンプルですが、機能性に優れた造りです。
各チェアーの間には電源とUSBソケットが備わり、スマートフォンやパソコンの充電が可能です。搭乗待合ではないエリアでも充実した設備が備わります。
北東コーナーには更に居心地の良い待合空間が完成。ソファーや背の高い観葉植物が潤いのある空間に演出してくれています。
緑に天井の木製ルーバーがよく映えます。本来であれば、ここにカフェのカウンターがあるべき寛ぎのエリアです。
2階へアクセスするエスカレーター横に設けられた到着エリアへの通路。
到着の待合空間が別途設けられています。こちらに1階のトイレも備わります。
到着した旅客を待つ為の待機エリアとして機能します。出迎えのツアー会社のガイドの人々がプラカードを持って集まっていました。
その先は一方通行の立ち入り禁止エリア。自動ドアを抜けると後戻りはできません。
出発・到着ロビーに充実したスペースがある為、到着エリアの待合は最小限の大きさに留められています。40便/日が運航された際のラッシュ時間の混雑には少し懸念が残ります。
電光掲示板に国際線となる各便の時刻が表示されています。国際空港では当たり前ですが、とても感慨深いですね。行き先が海外の都市である事がまだ俄かには信じられません。
それではエスカレーターを使って2階に上がってみましょう!
エスカレーターを上がると、2階にはまず賑わい空間が広がっています。
賑わい空間はかなりの広さがあります。
現状はまだテーブルと椅子があるのみで、空便を販売する出張ブースが唯一の飲食施設です。1日・6〜8便程度の出発便の数では、常時営業する店舗を誘致する事は難しかったようです。将来的には常設の飲食店が出店する事になるでしょう。
吹き抜けに沿ってL字に設けられたデッキ空間。開放感の高さがこの新ターミナルの売りです。
2階にもトイレが設けられています。
2階から見渡す出発・到着ロビー。抜けのある非常にシンボリックで広々とした空間が広がります。
受付カウンターを2階から見下ろした様子です。
ターミナル内に一歩足を踏み入れると、まだ新築の匂いがプンプンします。海外から到着した訪日客も真新しい空港ターミナルの気持ち良さを感じた事でしょう。
将来的には現在の第1ターミナル以上に賑わいを見せるロビーになる事が予想されます。これから徐々に就航便数を増やしていき、常時に人が行き交うターミナルの姿を見せてくれる事になるでしょう。
賑わい空間の奥にある屋上展望デッキへの出入口。
かなり広大な気持ちの良い展望デッキがターミナルビルの屋上に設けられました。
ゆうに100m程の奥行きがあります。フロアは耐久性の高い樹脂デッキです。
デッキにはテーブルセットやベンチが配置されています。
北側の眺望。あいにくの天気でしたが、晴れると六甲山系と神戸の市街地が広がるパノラマが拝めます。
滑走路や駐機場は諦めていたのですが、西端からかろうじてエプロンに駐機する機体を確認する事ができました。
北側の道路を挟んで向かいには新たに緑地が整備されました。
やはり新ターミナルの向かいが単なる更地では殺風景という事にも配慮し、暫定緑地を整備したのでしょう。将来的には空港ホテルの建設地として活用して欲しいですね。
現在は、国際線の待合にある免税店以外、一切の商業施設は皆無の状態での開業となった第2ターミナル。自動販売機の設置も見たとろ、ロビー内に一箇所のみでした。
華々しく開業した新ターミナルですが、現状はまだフル稼働とは程遠い状況からのスタートとなりました。食事や喫茶については、暫くは第1ターミナルを利用した上で、搭乗時間が近くなれば、第2ターミナルに移動するというような使い方が通常になるのでしょうか。器は立派なので、早期に就航会社や便数を増やし、商業施設の誘致を進めて快適で利便性の高い国際線ターミナルへと成長させていって欲しいと思います。
神戸空港第2ターミナル開業特集 海外に開けた神戸の新しい空の玄関口
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万博がついに始まりましたね!
神戸からは電車でもフェリーでも行けるみたいで、利便性が悪いためなのか、フェリー⇒西ゲートのルートが空いてるみたいです
なのでフェリー乗り場の紹介も可能ならお願いしたいです!
大阪のホテルが満室なので神戸に泊まってフェリーで行ける人が増えたら嬉しいなと思ってます!
華やかに開業した神戸空港第2ターミナルビル。
たds、さまざまな方面からの指摘通り現状では
課題も散見されます。主だったところでは、
第1ターミナルビルからの動線の利便性、
ラウンジや商業施設の充実度、
ただこれらは竣工前から判明していた事なので、
来年度から直ちに改善へ向けてハード面の
整備を実行して頂きたいところです。
またとあるネット配信者からの情報によると
自動チェックイン機がモバイル搭乗券に
対応しておらず、パスポートの認識感度も
悪いとの苦情を呈しているようなので、
この辺りの改善も望まれますね。
ただ、でした。
謹んで訂正申し上げます。
神戸市は4月11日に第2ターミナルビル2階のにぎわい空間に暫定的な店舗として物販・飲食の仮設商業店舗の出店者を募集していますね。なお、2025年度中に本設店舗の募集を実施する予定との事です。
しかしながら今の動きは端から見ると需要の後追いで焦れったい。オール関西の為、無用の遠慮抜きで迅速に空港全体の拡大整備を進めて欲しいですね。