ホテル・旅館宿泊記

天橋立・ホテル北野屋宿泊記 京都丹後鉄道スペシャルコラボ企画 アニメ「進撃の巨人」ラッピング列車「進撃号」に乗る北京都旅



先週末に京都府北部の人気観光地・天橋立に行ってきました。天橋立訪問は実に約20年ぶりでした。そのお目当ては京都丹後鉄道。京都府宮津市を起点として、T字型に路線網を有し、西は兵庫県豊岡、東は京都府西舞鶴、南は福知山を結んでいるローカル鉄道です。



地域高齢化・過疎化に伴う利用者減で、こうしたローカル鉄道の赤字化・廃線が全国的に社会問題になっていますが、京都丹後鉄道も同様の課題に直面しています。しかし同鉄道は様々な施策を通じて、利用者増に繋げようとするイベント企画を打ち出しています。

人気コミック・アニメ「進撃の巨人」最終和が先月、放映され、大きな反響を呼びましたが、現在、この放映を記念して、京都丹後鉄道とのコラボ企画『海を走る、進撃の丹鉄』が行われています。



2023年8月8日(火)~2023年12月9日(土)の期間限定で運行されるラッピング列車が運行されており、アニメのキャラクターがデザインされています。



車内の様子です。列車外装のみならず、内部に至っても「進撃」一色です。窓の上の天井には、数々の劇中の名シーンの一コマが展示されていました。



車内トイレの外壁には等身大のキャラ。その背後には青い海原の上を走る丹鉄。



シート内の壁に取り付けられた各ミニテーブルにもメインキャラのシートが貼られていました。



車内には地域の利用者に加えて、我々のようにこの進撃号を目当てに訪れた「推し活観光客」も多く見受けられ、まさにイベント効果を発揮していました。

また普段乗る事のないローカル線のまったりとした雰囲気と味わいを楽しむ事もできました。



ラッピング列車に乗車できる以外にも、丹鉄の制服を着た描きおろしミニキャラがデザインされた1日乗車券やオリジナルコラボグッズの販売、さらに、一部駅ではキャラクターが描かれた丹鉄周遊スタンプを設置し、丹鉄を周遊しながら楽しめる企画も実施されており、地域観光の活性化と丹鉄利用者増を見事に融合させた経済効果の見込めるイベントと言えます。



進撃号を堪能した後、この日は天橋立を眼前に望める老舗旅館「ホテル北野屋」に宿を取りました。



エントランスを入ると、華美さはありませんが、広々としたロビー・レセプションがお出迎え。すぐにスタッフの方が荷物を部屋に運び入れてくれます。



ロビーホール横には、土産物ショップと浴衣・作務衣のピックアップコーナー。チェックイン後に浴衣を選びました。



またその横にはリニューアルされたばかりであろう宿泊者用ラウンジがあります。エスプレッソコーヒーマシンが置かれており、いつでも自由にコーヒーが楽しめます。



扇状のカフェ・ライブラリーラウンジには大きな開口に沿ってゆったりとしたソファーセットが置かれており、心地良い時間を過ごすのに最適な空間に仕立てられています。



共用空間は大きくありませんが、シンプルにまとめられており、好感が持てます。



円形状の別館には、大宴会場がある他、開口部から天橋立が一望できるラウンジ空間もあります。



それでは客室に入っていきましょう。今回は露天風呂付和室の部屋を予約。オーソドックスな12畳の和室です。最新の旅館やホテルと比べると少し古さを感じますが、清潔感に全く問題はありません。



障子の背後に広縁、そしてその先には露天風呂の特別な空間が備わります。



露天風呂付和室はすべて海側1階に配置されており、それぞれに形状の異なる浴槽が用意されています。



露天風呂の先に広がる阿蘇湾と天橋立。1階ですが、旅館は丘陵地の上に立地しているので、視線は高い位置にあります。



3人が入っても十分な広さがある前方後円墳型の石風呂。湯加減は熱すぎる事もなく、24時間気兼ねなく湯治が楽しめます。

お湯は無色透明で香りはありませんが、肌がスベスベになる美人の湯のナトリウム泉です。客室露天風呂にもしっかりと洗い場があります。

大浴場は山側に配置されており、内湯と森林浴が楽しめる外湯がありました。



広縁にはマッサージチェアが備わります。小学生の娘が喜んで使っていました。



タオルセット。最近の旅館にはスタンダードになっている束靴下は、入浴後、寒い日の館内歩きには重宝します。



水回りに備わるアメニティセット。スキンケアはPOLA製で女性用、男性用の双方を用意。



客室内で頂くウェルカムドリンクはさっぱりとした柚子ジュースでした。



お待ちかねの夕食は食事会場で頂きます。



今回の料理プランは既に冬のメニューで、松葉蟹が解禁になっていました。茹で蟹と寒鰤のしゃぶしゃぶ、和牛ステーキを味わう人気の欲張りプランです。



季節の前菜盛り合わせからスタート。旅館の建屋と同様に、メニュー自体は非常にシンプルで、流行りの旅館にあるような創作料理感はほぼ皆無です。



しかしシンプルながら、拘りは素材と味付けに注がれているように感じました。



新鮮な魚介類は美味なのは間違いないのですが、その素材の良さは抜群でした。蟹も身がたっぷりと詰まって甘みの強いものでした。



茶碗蒸しには松茸とそのエキスがたっぷり入っていました。



とにかくどれを食べてもハズレがなく、美味しいの一言。



冬の日本海で海鮮が美味しいのは当たり前と言われかねませんが、和牛も単にサシの入り過ぎた脂っぽい肉ではなく、赤身とサシのバランスが良くしっかりと味がありながら、その肉質は柔らかく、特選の名に相応しいものでした。



最後の食事の前に出てきた天ぷらは、量は控えめで、カラッとあっさりしていました。旅館の夕食は非常に量が多く、また最後の方になって揚げ物が出て来るので、正直、しんどい事が多いのですが、丁度良い量でした。



そして食事は蟹の出汁をたっぷりと吸い込んだ蟹御飯。蟹の旨みが凝縮されていました。



デザートはカボチャのプリンでした。



朝食についても、あまり奇をてらったものはなく、オーソドックスなメニューでした。しかし夕食と同様に素材と味付けが良いので、いずれもハズレがありません。量も丁度良かったです。



日本三景・天橋立を眼前に望み、良い泉質の温泉を自室でも楽しめ、日本海の海の幸を存分に堪能できるホテル北野屋。ハード面の古さは否めませんが、シンプルさを極め、それを高次元に提供する拘りを感じさせる満足度の高い湯宿でした。

 


施設基本データ
所在地 京都府宮津市文珠100

https://www.hotel-kitanoya.jp/

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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    地方に行くと時間がゆっくりと流れています。
    ガタゴトとゆっくり景色を愉しみながら移動し、ホテルでも喧騒を忘れゆったりゴロゴロ過ごしたいそんな欲求を満たすために和室はピッタリですね。それに露天風呂が付いているのはまた良いですね。
    食事も同感です。地産地消でその土地土地の食材を昔ながらの調理法で頂くのも嬉しいものです。新鮮な食材と料理があるのだからあえて奇をてらった創作料理は必要ないでしょう。最近の一般的なシティホテルは全国どこでも代わり映えがしなくなっているので、日本を愉しみたい外国人旅行者を中心に昔ながらの宿で時を愉しむスタイルがこれから人気が出るように思います。

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