10月1日にオープンした西神中央駅前の複合文化施設「なでしこ芸術文化センター」。開館を迎え、期待の新施設を一目見ようと駅前に多くの人々が集っていました。斬新な建物の外観に目を奪われがちですが、この施設の真価はその内部にあります。
東西方向にスパンの長い建物は東側を西神中央ホールやスタジオ、西側を西図書館という構成で配置されています。南側の通りに面した2層吹き抜けの空間は、図書館まで続く「交流モール」が圧倒的な存在感を放っています。
自然光がカーテンウォールから降り注ぎ、壁に沿ってガラス手摺のスロープが伸びています。壁はほぼ一面、木製のパネルになっており、アート作品の掲示が可能なアートギャラリーの役割を果たします。
館内には至る所にテーブルセットやベンチがあります。ホールでイベントが開かれると、来館者はこの交流モールを中心に開演前や後の時間を過ごす空間にもなります。
壁の中にはコンパクトなキューブのように練習スタジオが複合、配置されています。
サイドスパンは大きくありませんが、吹き抜けになっている為、開放感のある空間です。
スタジオや多目的室は木の小箱のようで可愛らしい印象を与えます。
まるでアートギャラリーや美術館のような佇まいです。文化施設という称号がピッタリの館内となりました。
小箱は他にキッズスペースや授乳室にも展開されており、公共施設である事もしっかりと意識させます。奥にはホールの事務所が配置されています。ここは敢えて天井パネルを付けず、配管類を剥き出しにしています。
ホールエリアと図書館エリアの間の交流空間です。トイレもあちらこちらに配置されています。
建物東側のエントランス周りにあるカフェスペース。テイクアウトが基本で、ドリンクの館内への持ち込みは出来ませんが、奥のアートスペースにはテーブルセットが置かれているので、そちらで楽しむ事が出来ます。
それでは交流モールを2階に向けて歩を進めてみましょう。階段横の壁は既にアートギャラリーになっています。
基本的に壁は作り付けの収納・展示用木製家具で覆われています。そして所々にガラスが入り、アクセントになっています。
スロープは2-1階を双方向で結ぶ構造になっています。
アートギャラリーは、今後、市民の発表の場や西区ゆかりのアーティストの個展等、文化発信の拠点としての機能を発揮する事になるのではないかと思います。
収納壁の間に額縁のように突如として現れる練習スタジオ。まるで一つの絵画の作品のようです。
館内フロアマップも非常に凝った造りです。
北区、兵庫区、西区、そして中央区総合庁舎等、新庁舎を中心として新しい公共施設が次々と誕生していますが、このなでしこ芸術文化センター程、その内装に感銘を受ける施設はないと思います。
この特徴的な天井装飾も独特な雰囲気があります。
西神中央ホールの入口は2階です。ホール前はフローリングの開放的なスペースが広がります。
この施設の素晴らしさを目の当たりにして、雲井通5丁目のバスターミナルI期ビルに整備される大ホールや市民ホールにも大きな期待が持てます。
他区にはこんなに素晴らしい文化施設はありません。無論、人口比で考えれば、西区は市内で最大規模を誇るので、最も大きな予算が割かれるべきではあるのですが、施設の出来には格差を感じます。
他区民から嫉妬の視線を浴びる程、よく出来た施設です。ホールでのイベントや図書館の利用等、他区からも訪れる価値のある文化施設が誕生しました。次回は新西図書館の模様をレポートしたいと思います。
なでしこ芸術文化センターがオープン!高質な文化施設の完成に西神中央のリノベーションが大きく前進 オープン記念特集② 交流モール編
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