奈良

地域探訪:奈良・奈良県立コンベンションセンターと観光交流拠点 県営プール跡地の大規模再開発プロジェクト Part1



こべるん初の奈良市進出です。以前より是非とも訪れてみたかった奈良の開発プロジェクトがありました。

奈良県営プール跡地の活用策として、奈良県の肝入りプロジェクトである「ホテルを核とした賑わいと交流の拠点整備事業」。3ヘクタール以上もの広大な敷地を使って、民間資金を公共施設を整備するPFI事業であり、公募プロポーザルに 大林組、梓設計、東急コミュニティーなどの企業グループが事業者として選定されました。県立のMICE施設、観光交流施設、ホテル、バスターミナルに加えて、NHKが新放送センターを建設し、奈良県の滞在型観光・人々の交流を促進する新たな拠点が2020年に誕生しました。



広大な敷地内には複数の大規模な建物が配置されていますが、ほぼ全ての建物は奈良・正倉院に代表される「校倉造り」をモチーフとした外壁デザインを採用しており、色調もグレーに統一する事で、開発地区全体の調和を図っています。



NHK新奈良放送会館。建物は2020年2月に竣工、2020年9月28日に開局し、放送を開始しました。鉄骨造・地上4階の構造と規模で、延床面積は4,713.38平方メートルです。



コンベンション施設の開発とは別施設として建設されましたが、他施設と調和を図る事で街区の一部と化しています。



施設群の中央に位置する天平広場に面した北西側のエントランスは地域に開かれた放送センターを体現するホールとなっています。



開発の要となっているのが、奈良県立コンベンションセンター。PFI奈良賑わいと交流拠点株式会社が運営を行っています。奈良県初の本格的なMICE施設として、国際交流拠点の役割を担っています。



奈良県も関西の中にあって、インバウンドによる観光需要の享受という面においては、兵庫県同様に大阪府・京都府に後塵を拝する立場に置かれていました。古都・奈良を擁する奈良県はそのポテンシャルを活かしながら、観光資源や歴史・文化資源を活用し、県内への誘客を促進し、観光産業を振興する事を命題としたのが、MICE施設です。



奈良県立コンベンションセンターは地下2階・地上2階 延床面積35,128.95平方メートル。2千人を収容できるコンベンションホール、14の大小会議室が備わり、大規模会議や展示会に対応する事が可能で、国際会議や学会が開かれています。



コンベンションセンターには隣接して国際的なホテルも必須の施設です。「JWマリオット・ホテル奈良」が国内初進出しました。



地上6階 地下1階 延床面積18,012.06平方メートル 客室数158室の規模で、2020年7月22日開業しました。奈良待望・奈良県初の外資系ラグジュアリーホテルであり、奈良を代表する国際ホテルとなりました。



JWマリオットを誘致したのは森トラスト株式会社で、運営はMT&M ホテルマネジメント株式会社が行っています。



奈良県立コンベンションセンターとの一体的な運用が期待できるのと、奈良の歴的観光資源のポテンシャルを見越した上での誘致奏功と言えます。やはり国際的に知名度の高いホテルの存在は、観光にもビジネスにも優位である事が認識されているのでしょう。



奈良県立コンベンションセンターとは2階レベルにて空中回廊で接続しています。



観光交流拠点を担う商業施設内には蔦屋書店が誘致されました。また後日、その内部の様子はレポートしたいと思いますが、非常に美しく素晴らしい書店であり、三宮の再開発でも是非とも誘致をして貰いたい存在です。



奈良県立コンベンションセンターを中心とした奈良の新しい街づくり。奈良市はその中心部や観光拠点がかなり広範囲に分散しており、なかなか捉えどころの難しい街という印象が強いです。このコンベンション施設を含み、現在、進められている投資は将来的にリニア中央新幹線全線開業をも睨んだ動きとも言えるでしょう。

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