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地域探訪:札幌 北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業 マスタアーキテクトの選定 2029年秋の完成予定



JR札幌駅前に位置する(仮称)札幌駅交流拠点北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業は、札幌市とJR北海道、札幌駅総合開発、JR北海道ホテルズが、函館から延伸される2030年開業予定の北海道新幹線の新駅舎と市内最大のバスターミナルを組み込んだ交通拠点複合商業ビルとして開発するマンモスプロジェクトです。その規模は地上46階 地下4階 高さ250m 延床面積39.5万平方メートルと札幌最大級であり、全国的にも有数の巨大再開発となる予定です。

内藤廣建築設計事務所がマスターアーキテクトを担当



この再開発ビルは開業済みの在来線札幌駅の駅ビルであるJR札幌タワー、大丸札幌店、専門店街ステラプレイスを中心とした複合ビルをも遥かに凌ぐ規模である事が上記の図面でもお分かり頂けるでしょう。

このビルの設計を担う日本設計と共に、マスターアーキテクトとして全体的なデザイン監修を建築家・内藤廣氏に委託する事が発表されました。同氏の建築設計事務所は高知駅、旭川駅、地下鉄渋谷駅等の駅舎のデザイン設計も手掛けた実績があります。

 

JRタワー札幌を大きく上回る39.5万㎡の巨大複合ビル



巨大な敷地を活かして、1階は全面的にバスターミナルとし、北海道新幹線駅舎を駅ビル内部に取り込むだけでなく、地下鉄東豊線とも直結します。恐らく高さ60m程の基壇部は商業施設、タワー部は180m辺りまでをオフィス、それ以上をホテルとする構成です。JRタワーに展望フロアがある為か、こちらのタワーには現状、展望フロアを整備する予定はないようです。

既存のJRタワーは延床面積が27.6万平方メートル。これを更に10万平方メートル以上を上回るこの巨大新駅ビル。巨大駅ビルが2棟以上も連なる都市は全国でも他に大阪や名古屋しかないでしょう。

しかしアパレルテナントの誘致が非常に厳しい昨今、この商業フロアを埋めるだけのテナントは集められるのでしょうか。10万平方メートル以上の床面積を有する札幌最大の商業施設になる事は間違いないでしょう。

神戸市が三宮で進めている同様の計画である雲井通5・6丁目の再開発もバスターミナル、オフィス、ホテル、商業施設を建物構成要素に取り入れた大規模プロジェクトになる予定ですが、景観条例の高さ制限によって165mに抑えられてしまっている他、タワー部の東西幅も抑制されるので、I期ビルの延床面積は10万平方メートル、恐らくII期も同様だったとしても合計で20万平方メートルとこの札幌の計画の半分の規模です。



現在、敷地の半分以上は巨大な平面駐車場として暫定利用されています。JRタワー横の商業施設「札幌エスタ」の1階には現在の札幌市が運営する札幌駅バスターミナルが入っています。この建物も解体し、新駅ビルの一部となります。



かつては札幌そごうだった建物ですが、現在は専門店ビルとなっています。

次代の札幌の玄関口を担うこの巨大再開発は8年後の2029年秋に完成を迎える予定です。最近は8年後なんてあっという間の出来事と感じるようになってきましたが、札幌駅周辺では摩天楼化が進んでいく予定ですので、今後も札幌を訪れる事が非常に楽しみです。
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