西神中央駅前の再整備の中格となるプロジェクトである西区総合庁舎と文化複合施設の整備計画。駅北側の庁舎については既に着工済で建設工事が進行中ですが、南側の文化複合施設は工事の着手が待たれていました。そして遂に先月末に神戸市は着工について発表を行いました!
この開発は敷地東側に文化ホールと西図書館から構成される複合文化施設棟、西側に共同住宅棟を建設するもので、公募プロポーザルによって鹿島リースを代表とする企業グループ(6社)が事業者として選定されました。
複合文化施設の設計は久米設計が担当、施工は鹿島建設が行います。
工事名称は「西神中央 文化・芸術ホール等 整備事業」です。
仮囲いの設置が完了し、敷地の南側にゲートが設けられています。
1.1ヘクタールを越える広大な敷地で掘削工事が始まりました。
文化・芸術ホールと西図書館から構成される複合施設の建設用地です。更地の開発となるのでいきなり掘削を始めています。
敷地奥の住宅棟の工区には小さなプレハブ事務所やセメントミルクプラントが既に般入されています。
これだけ大きな敷地もいざ建物が建設されると窮屈に見えるのは不思議な事です。
延々と続く仮囲いです。文化複合施設のイメージパースが複数掲示されており、道行く人々の注目を集めています。西神中央の住民の関心の高いプロジェクトであると実感します。
文化施設棟のエントランス前には交流広場が設けられ、賑わい空間として活用される予定です。
文化施設は地上3階 延床面積4,800平方メートルの規模で、建物北側に文化・芸術ホール、南側に新西区図書館が開設され、両施設の中央には交流モールが整備されます。
西側に建設される住宅棟は伊藤忠都市開発ブランドのクレヴィアシティ西神中央となります。地上11階 延床面積25,083.36平方メートル 総戸数304戸の分譲マンションです。
交流モールの様子です。3層吹き抜けの開放的な空間となります。
交流モールの断面イメージです。北側にはカフェも開店します。
図書館の様子です。神戸市内の公設図書館は駅前に集中整備されて行きます。この図書館の蔵書数は30万札を予定しており、中央図書館に次ぐ規模の大型図書館になります。
居心地の良い図書館になりそうです。図書館や本屋を集客施設の中核とする再開発が全国で増加しています。
文化ホールは500席の規模です。他に多目的スペース、リハーサル室、練習室、楽屋兼会議室も備わります。
夜間景観も駅前空間を彩るランドマークとなる予定です。
クレヴィアシティ西神中央は長谷工コーポレーションが施工します。
三宮からの距離はありますが、駅前の商業施設の集積度は市内屈指の規模であり、利便性と豊かな緑の双方を持ち合わせたニュータウン特有の質の高い生活空間が備わっています。再整備計画によってこれらの要素が更に引き上げられます。
駅前広場の再整備についても準備作業が始まっています。遅々としてなかなか進まない都心・三宮と異なり、西神中央の開発は今後、ダイナミックに進められていく事になりそうです。
西神中央 文化・芸術ホール等整備事業/(仮称)神戸市西区美賀多台1丁目計画新築工事(クレヴィアシティ西神中央) 着工!
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確かに再開発速度は近年の神戸市にはないスピードですね。
80年代の神戸市を彷彿とさせる速度です。
更地の有無がこれほどの違いを生むのであれば、やはり神戸市が率先して土地を集約するか、民間による土地の集約は常時推奨していく必要があるのでしょうね(減税など具体的なメリットを提供して)。
毎度申し上げて恐縮ですが、やはり文化ホールよりもサテライトオフィスやシェアオフィスの設置を優先してほしいです。
新しくできる図書館の影響で現在の図書館はなくなるでしょうから、その場所にオフィス機能を誘致して欲しいです。
誤解を恐れずに申し上げると、このコロナ禍は西神中央にとってはプラスに働いたはずです。
コロナ前までは職住近接一辺倒で、中央区と兵庫区の人口が増加、それ以外の区は人口減少でした。
それが、コロナ禍で状況が一変し、テレワークの奨励により郊外の広い住宅でテレワークするという選択肢が発生しました。
この状況は西神中央にとっては巻き返しのチャンスのはずなので、今サテライトオフィスやシェアオフィスを作っておかなければ、自宅にテレワーク用の部屋のない住民のオフィス需要を取り込むことができません。
自宅にテレワークできるスペースがない西神中央住民からすると、「西神中央にシェアオフィスを用意してくれへんのやったら結局三宮まで行かんとオフィスもないやん。周辺に子供の学校も選択肢が少ない上に、週末の買い物も話題の店がなくて何もできへんなら、三宮に住むわ。その方が交通費負担も少なくて楽。車もいらんし。そもそも文化ホールなんてそんなに行かへんやん、三宮バスターミナルにも、市役所にも、新港町にも大きいのあるし。あ、三宮に新しいマンションもうないん?じゃあ西宮か明石に住もうか。あ、明石にシェアオフィスあるやん。決まりや」と判断されるでしょう(調べてみると、明石にはシェアオフィスありました)。
神戸市はなぜそんなにも郊外にオフィスを用意・誘致することを忌避しているのでしょうか。
リノベーション神戸政策は名称こそスタイリッシュですが、総じてただの化粧直しです。
化粧直しで何とかなりそうなのは名谷まででしょう。
神戸市は、市街地と住宅地を明確に分けるように主張しているのは存じていますが、西神中央くらい三宮から離れてしまうと、オフィス機能も備えた本来のニュータウン整備を考えなければ、「ただの中心街から遠い郊外」で終わってしまいます。
これではせっかくのチャンスを活かせません。
西神中央は神戸から半独立状態で、三木、小野などの神戸電鉄粟生線沿線や稲美など東播地区北部の中心を目指す以外に今以上の発展の道はないでしょう。