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熊本市中央区桜町地区で進行中の大規模再開発計画である桜町地区第一種市街地再開発事業。当ブログでも雲井通のバスターミナルビルの基本構想が発表される以前にこの計画について取り上げた事があります。念願が叶ってGW中にこのプロジェクトの取材を行ってきました。
この計画は熊本城近くにあった熊本交通センターや県民百貨店を含めた敷地面積30,266.83平方メートルを一体的に再開発するという地方都市としては異例の国内最大級となる中心市街地再開発プロジェクトです。
既にサクラマチクマモト・SAKURA MACHI Kumamotoと正式施設名称が決定しており、熊本城と庭つづき、すべてをつなぐ「おもてなしの庭」をコンセプトとした延床面積160,330平方メートルの建物にはバスターミナル、商業施設、シネマコンプレックス、オフィス、公共施設(熊本城ホール)、バンケット、ホテル、共同住宅が整備される巨大複合施設となります。
名称 | SAKURA MACHI Kumamoto サクラマチクマモト 熊本都市計画 桜町地区第一種市街地再開発事業 |
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所在地 | 熊本市中央区桜町3番13, 14 |
規模 | 地上15階 地下1階 |
敷地面積 | 30,266.83㎡ |
建築面積 | 27,050㎡ |
延床面積 | 162,440㎡ |
最高高さ | 59.88m |
構造 | 鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造) |
用途 | バスターミナル、商業(物販・飲食)、シネコン、ホテル、バンケット、公益施設(熊本城ホール)、共同住宅、保育所、事務所、駐車場 |
設計 | 日建・太宏共同企業体 |
施工 | 大成・吉永・岩永・三津野・新規 建設共同企業体 |
公式サイト | https://www.kyusanko.co.jp/sakura_redevelopment/ |
まだ一部足場に覆われたり養生ネットを被っていますが、建物の外観はほぼ完成してるようです。
曲線を多用した棚田のような特徴的な外観は新時代の熊本を象徴するランドマークです。低層部の各階にはテラスと庭園が設けられる予定で、隣接する熊本城を庭園の借景とした眺望を望む事が出来ます。
事業主は熊本桜町再開発株式会社ですが、主要構成者である九州産交社は大手旅行代理のHIS傘下にあります。従って本計画は同グループの開発事業として、アジア全域からの訪日客の誘致を目指し、総事業費は755億円にも上ります。HISはハウステンボスやこの事業に代表されるように九州を重点的な投資先の対象としています。
再開発ビルの目玉施設となる熊本城ホール。MICE機能を付帯させ、メインホール、会議室、シビックホール、イベント・展示ホールから構成されます。最も大きなメインホールは2,300席で、コンサートやコンベンションの開催を見込んでいます。このホールは熊本市が九州産交から283億円で買い取る予定です。
再整備されるバスターミナルは熊本桜町バスターミナルと命名され、日本最大級の29バースを設ける予定です。屋内型に変更される最新鋭のターミナルには快適な待合空間も整備されます。
また地下1階-地上4階の商業施設には148店の物販・飲食テナントとTOHOシネマズが出店。熊本初出店のテナントを多く集め、話題性に事欠きません。
地上15階建の高層棟にはホテルトラスティプレミアが東京・日本橋に次ぐ2号店として、205室で開業。また同棟にはマンション開発のマリモがマンションのザ・熊本ガーデンズ(160戸)を分譲。億ションとなったプレミアム住戸を含めて既に全戸完売しています。
サクラマチクマモト前の広場には平面バスターミナルが暫定運用されていました。
2016年の熊本地震から3年。大きな被害を受けて改修が続く熊本城は既に天守閣が姿を現していました。サクラマチクマモトは復興を遂げた熊本のシンボルとして華々しく開業予定です。
桜町の再開発は周辺地区へも大きな影響を与えそうです。サクラマチクマモトに面して中心市街地最大の繁華街である新市街・下通商店街の西側入口があります。近年、イオンモール熊本をはじめ郊外における大型ショッピングモールの相次ぐ開業によって既存市街地が衰退傾向にある事は全国の地方都市と同様、熊本も例外ではありません。後日、レポート予定の中心街から離れたJR熊本駅周辺の開発も本格化する中、中心市街地において大型再開発が進められる事は集客の引き戻し及び既存繁華街への回遊性を促す起爆剤としても期待が高まっています。
サクラマチクマモトの開業に伴う周辺の不動産価値の高騰を見越した連鎖開発も見受けられました。
サクラマチクマモトに面して地場不動産企業のメインプレイスカンパニーが8階建のオフィスビル「メインプレイスビルディング(仮称)」を建設中です。新市街の入口付近でもベッセルホテルズがベッセルホテル熊本新市街ホテルを建設中でした。
熊本市街では新築ビルが少ないと感じましたが、桜町地区では比較的新しい建物を多く見かけました。
肥後銀行本店ビルは階段状に上層階がセットバックしています。また各階のテラスが緑化されており、サクラマチクマモトの低層部はこの近接する建物にヒントを得ているのではないかと思いました。
2015年竣工で地上7階建。棚田と熊本城の武者返しをイメージしたデザインとの事です。
NHK熊本放送局はサクラマチクマモトに近接した花畑地区に2016年に新放送局を移転。
熊本都心部の中心商業地区がこのサクラマチクマモトの開業によって今後、これまでの上通・下通から西側に移動する可能性もあります。
しかし概要がほぼ固まった三宮・雲井通のバスターミナルビル計画はこの熊本のサクラマチクマモトの内容によく似ています。バスターミナルの再整備という出発点は共通でしたが、神戸文化ホールの移転が加わった時点で類似性が決定的になりました。神戸市がこのプロジェクトを参考にした可能性は大いにあるでしょう。
交通拠点を集客施設として再生する開発手法は駅ビルを中心に成功する不動産事業のお手本ですが、バスターミナルと集客機能の本格的な融合開発としてはサクラマチクマモトが初の事例となるだけに、この施設の開業後の動向は雲井通再開発にも大きな参考になるはずです。熊本は遠いですが、施設開業後の様子も是非とも取材してレポートできればと思っています。
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こちらの施設は、正直熊本規模では過剰と思われているでしょう。
実際直前の市長選では争点のひとつとなりました。
人口減少の時代に無駄遣いであると。
ただ、何も手を打たなければ、過疎地域同様地方都市さえも消滅の危機にあります。
個人的には、福岡に次ぐポジションをキープするためにも必要な一手であったと考えます。
あとは、この施設を活かして、継続的に商売を成立させていくことではないでしょうか。
私は、この判断をした県民性が好きです。
サクラマチ開業おめでとうございます、
熊本県出身で、静岡に住んでおります、
交通センターと県民百貨店跡地はサクラマチに変わりましたが、
サンブン跡地はどう成るんでしょうか、
花畑公園とサンブン跡地を再整備して地上高55mの大観覧車を建てたらいかがでしょうか、
静岡では、エスパルスドリームプラザと富士市の道の駅に観覧車があり、話題になっております、
参考になりましたらと思い送らせていただきました、