東町の旧神戸市庁舎3号館別館跡で建設が進められてきた神戸市危機管理センター。すでに建物本体は竣工しているようです。来年春の稼動を目指してこれからは内装工事やシステム構築に重点が移ることになります。完全に姿を顕にした同センターのファサード細部を見ていくことにしましょう。
建物は大まかに水平基調をデザインの重きに置いた低層部と垂直基調のルーバーを無数に設置してセットバックさせた高層部から構成されています。この建物は神戸市がユネスコのデザイン都市に指定されて以来、恐らく初となる市が手掛けた公共建築です。その為、華美でない中にもデザインのディテールに趣向を凝らした感が見て取れます。
縦と横のコントラスト。地上9階建ての建物ですが、一部の階はかなり階高が大きいです。外観からは正直、何層あるのか判別ができません。
建物のフロア構成は
1階~5階 危機管理部門
6階~8階 事務室
9階 電気室、発電機室、倉庫
地下1階 駐車場・機械室等
これに塔屋が1階加わります。また、屋上にはヘリポートも備えています。
まずは重厚なその外観が目を引きますが、次に気が付くのは1階ピロティのガラス面に設置されているカラフルなパネルです。
よく見てみると、パネルにはローマ字で旧居留地内にある全ての通り名が書かれています。
ピロティを支える柱は極細。1階は平時には市民・事業者への開放スペース、災害発生時にはプレスセンターとなる予定です。また何らかの形で賑わいを創出する仕掛けも検討されています。居留地内では建物1階には必ず店舗を設置することが義務付けられています。市の公共建築は店舗入居は対象から外れるにしても、エリア活性化への貢献は怠るべきではありません。
本来の働きはもちろんですが、稼動後はぜひとも地域活性の拠点のひとつとして活用していって欲しいと思います。しかし江戸町筋というのは幅員が狭く一方通行というのもあって、居留地内ではどちらかと言えばあまり注目されない通りですが、京町筋の真裏というのもあって実はスペックと集積率の高い非常に重厚なストリートです。閑静な都心環境が整っているので、ビルの上層階が住宅である建物も存在します。今では周囲にタワーマンションが建設されて居住人口が増加中のエリアですが、そもそも居留地に住むという発想はこの界隈ではすでに根付いたものだったのかもしれません。
神戸市危機管理センター建設状況
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