新長田

新長田合同庁舎が始動に向けて準備開始

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新長田の再開発地区に神戸市と兵庫県が合同で新庁舎を建設する計画があります。建設予定地となっている双葉5第2工区北は敷地面積3,820平方メートルです。元々は現在、野瀬病院が開院している土地と合わせて一体的に再開発ビルが建設される予定で、市は隣接するアスタ新長田スカイマークタワーと同規模のタワーマンションを計画していました。

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現地には新長田合同庁舎プロジェクトと銘打った予告看板が立てられています。敷地角には暫定的なポケットパークが整備されていましたが、遂、最近になって閉鎖されました。

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閉鎖と共に更に新たな看板が設置されました。兵庫県X神戸市 合同庁舎建設予定地と書かれています。

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広場の閉鎖については事前予告が掲示されていました。新長田合同庁舎建設用地の敷地整地工事に伴って広場と通路を閉鎖する告知です。建設される庁舎は8-10階建て、延床面積は1万9000平方メートルの規模を想定。すでに公募型簡易プロポーザルの結果、日本設計が庁舎の設計を担うことに決定しています。基本設計は10月末までに、実施設計は17年10月末までに完了させ、2017年度内に着工、2019年度に竣工予定です。

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新長田再開発地区を何とか盛り上げようとハード、ソフト両面の試行錯誤が続いています。マンションが増えて地区内人口は順調に推移しているようですが、需要以上に生まれた商業床が街の活気を失わせている根本要因ではないかと思われます。新庁舎が出来ることで就業人口が1000人以上増加することはエリアにとっては活性化へ繋がる可能性がありますが、全ての空き床を埋められる程、甘くはないでしょう。それこそ神戸市庁舎機能をすべて新長田に移転させる位、思い切ってやってみるのも良いかもしれません。都心部に必ず市役所がある必要もなく、第1-3庁舎の敷地再開発に向けて民間デベロッパーに対してプロポーザルを実施。最も優れた案を提示したデベロッパーに売却して大規模再開発となれば、都心も新長田も発展します。

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双葉5第2工区同様にスカイマークタワーと同規模のタワーが計画されていた腕塚5第3工区(2380平方メートル)。コインパーキングが閉鎖されて一般競争入札に掛けられると思っていましたが、その後、動きがないままです。双葉5第2工区に新庁舎が建設されると、新長田地区に残る未開発用地としては最も大きな土地の一つになります。双葉の庁舎が地域の活性化に繋がれば、第2庁舎の用地としても活用できます。

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国道2号線の角地である大橋5第2工区(434.37平方メートル)は但馬銀行が入札によって落札しました。同行はここに地上4階、延床面積約910平方メートルの支店ビルを建設します。

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駅前大通りには大型商業ビルが立ち並び、街路も美しく整備されており、それなりに活気を帯びています。街としては何でもコンパクトに徒歩圏に揃い、老舗からチェーン店まで選択肢も多く、生活にはとても便利な街です。あとはJRが新長田を快速停車駅にすれば、街の人気は急上昇するのではないでしょうか。快速の運行時間を気にするのであれば須磨の快速停車を廃止して新長田停車に切り替えてはどうかと思います。

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新長田は官によって既存市街地を再開発によって、ある意味人工的に生まれ変えさせた街ですが、その結果が現状です。民ではここまで大規模な街へと変貌することはなかったでしょう。新規で建設する再開発ビルについてはもう市が独自に進めることはなく、民間へ各街区を売却する形に切り替わりました。市の建設した再開発ビルの商業床についても今以上に民間のノウハウや資金を取り込むべきではないでしょうか。外部からの投資を呼び込むには街の魅力が今より向上しなければなりません。それにはやはりJRに快速停車を実現して貰わないとなりません。



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POSTED COMMENT

  1. くま より:

    新長田に快速を停めるには、ホームの長さが足りません。

    また、須磨は山陽須磨もあり特急が停まり、新長田から三宮まで快速が各駅になるのがJRにすればネックです。

  2. 黒霧 より:

    長田も震災時 かなりの打撃を受けた地区でしたね 大丸閉店など寂しい状況ですが活性化の再生 期待しています

  3. kh495 より:

    和田岬線が廃止となれば兵庫駅通過で海岸線乗り継ぎの新長田停車…と思ったこともありますがJRにはなんにもメリットが無いんですよね(苦笑)
    ただ、新長田再開発が失敗だったとは言い切れないと個人的には思うんですよ。あとはPR次第で変わるのかなと思うのですが…

  4. 中央区住まい より:

    阪急の地下鉄乗り入れが具体化すれば、地下鉄連絡駅である新長田への快速停車も実現に向かうでしょうね。
    ホームの長さ不足なんか言い訳に過ぎません。神戸市だって補助するでしょうし、三ノ宮~新長田までは利用者多いのですから各駅停車でも問題ありません。5駅連続停車が難しいのなら、和田岬線廃線と同時に、隣の兵庫と快速停車を交換しても良いくらいです。

    三宮の駅ビル開発にも言えますが、もっと阪急とJRを競い会わせて開発を進めようという思考は神戸市には無いのでしょうね。

  5. masa より:

    新長田の再開発に関しては、住宅面ではそれなり成功、商業面は大失敗。全体としても大幅赤字で失敗。
    JR快速停車が救世主のように思えるが、新長田商店街は食品、最寄品中心で広域からの集客は難しいので肝心の商業面では期待できない。
    市役所全てを移し、こべるん様の指摘の通り商店街は地下、1階、2階の三層方式で商業床を大幅に増やしたのが一番の失敗の原因だから、商業は1階だけとして、他は事務所に転換、市役所が使えばよい。
    肝心の食品も、 周辺に更に強力スーパー  例えばライフや  イオンモールもでき、ますます衰退する。
    天災で店を失い、なじみ客が減り、人災・官災で空き店だらけのフロアで商売ができないで店を手放した商店主も多く、家賃、共益費で苦しむ商店も多い。そういった点からは一度市がすべて買い上げるべきかも。

  6. 高度成長期型再開発 より:

    寂れ切った商店街を集約せず、拡大再生産したのがそもそもの失敗です。
    維持コストも考えずに豪華な共用部を大量に作り、その負担を
    自分達の食い扶持を稼ぐだけの零細商業者に押し付けています。

    もう市は無関係を決め込みたいのかもしれませんが、
    役所が必要なら その金で既存床を買えばいいでしょう。

  7. mahon より:

    優等停車は一度停めてしまうとなかなか再通過は難しいところがありそうですし、確実に一定以上の需要が見込めないと停車判断されないんじゃないでしょうか。

    ここはぽぷかるイベントで盛り上がりを見せ常設の体験型店舗を誘致したものの、このブログで話題にすら上がらない程度の知名度です。実際にそうした類の店舗が集積しているのは交通の便もよい三宮センター街で……福岡北九州のような盛り上がりを新長田に夢見ていますがなかなか難しいようです。

  8. しん@こべるん より:

    「快速停車にJRの得るメリットがない」
    これは悩ましい問題ですね。ただ乗降客数を見てみると興味深いです。

    兵庫 21,420人
    新長田 21,401人
    六甲道 25,485人
    灘 23,855人
    摂津本山 22,351人

    どんぐりの背比べレベルの違いで快速停車駅と普通のみの駅と混在しています。

  9. sirokuma より:

    そもそもこれは誰の利益を考えて行う事業なんだろう?
    新長田近隣の人は良いだろうが、これだけの市県民税を投入してここに合同庁舎を作り神戸市民としての利便性の向上に繋がるんだろうか?
    アスタ等の空フロアに集約するのなら賛成だけど新たな箱を作り移転するのは税の使い道としては間違っているように思う。
    アスタを活性化したいのなら商店街と協議して管理コストを見直し、各店舗を再配置して空室を1~2か所に集約してそこに役所機能を移すべきだろう。それなら、地元にも市県民にも理解できるとおもう。これ、やる気さえあればできると思うけど。

  10. けんちくん より:

    東西が見渡せて被災地の代名詞たる場所、として選んだ感じですよね。
    ちょっと安易な気がします。
    このあたりは人も増え街も非常にキレイなので放っておいてもよさそうですが。
    神戸としても兵庫としても西部のエネルギーが比較的弱いので合同庁舎を作るなら西区や垂水区にすべきだったと思います。

  11. ニコちゃん大王 より:

    合同庁舎予定地に古い木造住宅が残っていますが、立ち退いたのでしょうか。
    余っている床を埋めるための新たなビルをつくるって発想が安直すぎで、いかにも役人の考えそうなことですね。

  12. nobkun より:

    sirokumaさんの意見に大賛成です。もともと新長田は震災で大きな被害を受け、早く復興をと計画する時間も限られて作られた町ですよね。いろいろ欠陥が出てくるのは仕方ないですが、さらに市県民税をつぎ込んで総合庁舎を建てるのはさらに無駄遣いの上塗りになるのではないでしょうか。今ある空室を役所が有効利用することの方を第一に考えるべきではないでしょうか。

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