新交通三宮駅

新交通・ポートライナー三宮駅のホーム拡張 高架構造物の空中側方増床準備開始


ポートライナー三宮駅は乗降客数が非常に多く、特に朝のピーク時にはホーム上で乗車待ちの長い列が発生し、滞留スペースの狭さが大きな課題となっていました。朝の通勤・通学ラッシュ時の深刻な混雑緩和をはじめ、進化を続ける神戸空港の機能強化(国際化対応)や、三宮周辺の再開発プロジェクトに合わせて、駅舎・ホーム階を東側へ約25メートル伸ばして拡張します。



拡張工事に向けた準備が進められています。高架軌道を支える柱や梁を足場で覆い、新たなホームの基盤を空中に構築する作業の一部となります。



2本の梁の間の空中に新たな床が構築される事になります。ホーム面積・滞留スペースを約30%拡大し、ピーク時の混雑や危険を大幅に低減する他、階段・エスカレーターの増設や再配置を行い、スムーズな乗降動線を確保します。



今回の工事は、単なる駅舎意匠美装化にとどまらず、「高架構造物の空中側方増床」「営業線近接・直上施工」「新築超高層ビルとのデッキ接合部設計」など、極めて難易度の高い構造・施工計画が組み込まれています。

既設の高架駅舎構造に対し、片側(東側)へ大きくオーバーハングするように構造体を増設するため、下部工および地盤への荷重伝達が左右非対称となります。



従って市バスターミナル内の既設基礎の杭頭補強や、鋼管杭・場所打ち杭等の新設杭による追加鉛直・水平支持力の確保が要求されます。



今後の本格的な工事も主に夜間での作業がメインとなります。AGT線路の送電停止後、終電から初発までの僅か3〜4時間の「間合い時間」内で仮設資材の吊り上げ、鉄骨建て方、デッキプレート敷設を完了させる必要が生じます。大型クレーンを投入するには据え付けスペースの確保に困難も極まるでしょう。



JR三ノ宮駅ビル開発工事も難工事です。駅舎と新駅ビルの接続も単に繋げれば良い訳ではなく、構造種別・基礎形式・建物自重が大きく異なるため、地震時の応答周期や沈下挙動が異なりますので、有事に支障が出ないようにクリアランスを設けつつ、変形と追従される設計が必要となります。



ホーム拡張工事が進められる中、駅舎の意匠変更はどのタイミングから開始されるのか。従来の密閉型から開放型への意匠変更を行いますが、現在のコンクリート・金属板を撤去し、軽量で高耐久なフッ素樹脂フイルム(ETFE膜など)や膜材料を採用する事により、港町・神戸を想起させる「船の帆」の曲面造型を創出。自然換気・採光を可能とします。

ポートライナー三宮駅の改修・拡張は、更地に新しく建築する「スクラップ&ビルド」ではなく、「稼働中の都市インフラに最小限の負荷で高度な機能を継ぎ足す」高度なリノベーション・エンジニアリングの典型例と言えるでしょう。

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