地域探訪: 加古川産業会館新ビルが着工間近 加古川の飛躍のきっかけとなるか！？

JA兵庫南のグループの子会社である加古川産業会館はJR加古川駅近くの駅前大通り沿いに面した同社保有の立体駐車場跡地に新たなJAビルの建設を計画しています。



現地ではすでに駐車場が解体・更地化されており、建築計画のお知らせも掲示されています。



地上7階建の新ビルの概要は１～４階に商業、オフィス、医療関係などの事業所、５～７階にはホテルチェーンのスーパーホテルが進出予定の複合商業施設です。



敷地は東西に細長い形状をしています。



取材時の敷地では仮囲いの設置が進められており、まさに着工寸前という状況でした。恐らく現在は着工しているのではないかと思います。

さて、この新しいビルの建設は加古川の活性化に繋がるでしょうか。



新JAビルの建設予定地の斜向かいには加古川駅前最大の商業施設であるヤマトヤシキ加古川店があります。姫路店の閉店により、唯一の店舗となった播磨のローカル百貨店です。

 

JR加古川駅は山陽本線と加古川線の乗り入れるターミナル駅であり、駅周辺は旧加古川そごうを中心として、20万都市の表玄関として発展してきました。

 

駅前広場から続くベルデモールは加古川の目ぬき通りです。



通りの街路樹は大きく生い茂り、成熟した街である事を実感させます。



ベルデモールと交錯する寺家町商店街です。なかなか加古川も奥が深いです。



通りには加古川名物「かつめし」をピーアールするかつのマスコット・かっつんとデミーちゃんの銅像がありました。



ベルデモールではすでに一部の敷地で再開発が完了しています。寺家町再開発事業として東急不動産を事業協力者として、地上17階建の共同住宅棟、地上6階の高齢者用施設棟、地上5階の駐車場棟から構成される再開発ビルが竣工済です。



ベルデモールと寺家町商店街に面する住宅棟の低層部は店舗も入ります。



左中央に見えるのが現在のJAビルです。冒頭の新ビルの竣工後には閉館する予定ですが、まだその後の活用については未定です。

今回、取材として加古川を初めて訪れた訳ですが、駅周辺にはあまり人がいませんでした。再開発の進む姫路と明石に挟まれて、神戸や姫路のベッドタウンとしても人口を増やしてきた加古川ですが、商業都市としての地位を保持する事はなかなか厳しいと感じました。

今回の新しいJAビル自体が急激に加古川を盛り上げる事は無いかと思いますが、連鎖的に今度は既存ビルを再開発できるので、公共・商業施設を低層部に据えた加古川初のタワーマンションを計画し、駅周辺の総体的な付加価値を高めると共に居住人口を増やして賑わいを創出する戦略が吉かと思います。明石の駅前再開発が一つの成功実績例です。



幸い、加古川駅は新快速が停車します。駅周辺の住宅都市としての利便性や魅力は高く、地元密着型の商業地活性化の為にはエリアの居住人口を増やす事に尽きるのではないでしょうか。所謂、コンパクトシティ戦略です。大阪府・高槻市もベッドタウンと商業都市の両立をうまくバランスをとって進めています。兵庫県の中でも自治体によって都市戦略に明暗が出ている事が県政全体にどのような影響を与えるのでしょうか。