東門街の北端にあった料亭ビル跡で建設中のビジネスホテル「ホテルアベスト三宮東門」。JR西日本プロパティーズが事業主で運営をアベストコーポレーションに委託し、2021年春開業を目指して大和ハウス工業の施工で建築中です。鉄骨建方が始まっていましたが、現場にはタワークレーンも登場しました。
鉄骨も2階部分までの組み立てが終わっています。完成すると、地上14階 132室のホテルになります。
飲食店がひしめき合うこの界隈ではビジネスホテルの立地としては文句のつけようがありません。また駅からも徒歩圏内ですし、出張者には最高の立地です。三宮北エリアのホテルの建設ラッシュはこうした好立地条件を有効活用するものですが、これまでが寧ろ少なかったとも言えます。
大和ハウス工業が神戸の都心部で建設してきたホテルは建設中を含めて6棟に及びます。もはやハウスメーカーではなく、ゼネコン兼再開発等も手掛ける総合デベロッパーの域にまでその業態は拡大しています。
ただそろそろここ数年続いていたビジネスホテルの建設ラッシュも終焉を迎える事になるかもしれません。景気拡大を追い風に地価上昇と不動産投資の加熱によって神戸でもホテルは投資対象の代表格であり、全国でも有数の新規ホテル開業都市のひとつでもありました。まだ終わりの見えない「コロナ後」における不動産業界の行方はどうなっているのか。神戸は元々、インバウンド需要は弱く、そのショックは他都市程ではないとも考えられますが、そもそもこれまでの新規ホテル開業ラッシュもどこまで実需を反映した物だったのでしょうか。全ては「コロナ後」の動向で明らかになる筈ですが、三宮の再開発はこれからが本番でもあります。
(仮称)神戸市中央区中山手通ホテルPJ新築工事 ホテルアベスト三宮東門 タワークレーン登場
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> そもそもこれまでの新規ホテル開業ラッシュもどこまで実需を反映した物だったのでしょうか。
私も同様の感触を得ています。
近畿圏でもインバウンドの需要が小さい神戸は、例え外国人観光客が京都や大阪に観光に行ってしまっても、宿泊と夕食さえ神戸でしてくれたら大きな収入になるのは間違いありません。
そういう意味ではホテル建設はよかったのかもしれませんが、コロナショックの前から既に神戸のホテルは価格的に過当競争に入っていますので、新規の計画はもちろん、構想中のホテルも再考するのは英断であると考えます。
また、神戸で増えたのが同じようなビジネスホテルのみで、高級ホテルが全くないのはリスク分散上の問題です。
今となっては少々古い話題ですが、コロナショック当初安価なビジネスホテルの需要は一気に落ち込んだのに対して、高級ホテルの需要はあまり低下しませんでした(その後高級ホテルの需要も落ちたのだと思いますが)。
単純に同じようなホテルを建設すると同じような層の観光客しか滞在してくれませんが、ホテルのグレードが複数あると異なった層の観光客が滞在してくれます。
コロナ後の再開発には、リスク分散の観点からも多様性を目指したまちづくりをしてほしいです。
神戸は開港以来、諸外国人や神戸外からの日本人が集まった多様性に富んだ港町だったはずです。