今年12月末の完了を目指して進められている山麓バイパス生田川出口から港島トンネルまでを南北に結んでいる生田川右岸線の道路改良工事。南行きの道路を拡幅して1車線を増やす片側3車線化で朝夕を中心に発生する渋滞の解消と新神戸-神戸空港間のアクセス性を高めるのが目的です。
前回の取材から3ヶ月が経過し、工事は大きく進捗していました。
拡幅された車道の外側に新たな歩道が整備されました。まだ仮舗装ですが、完成時にはインターロッキングブロックによって正舗装されるものと思われます。
生田川護岸及び阪神高速生田ランプの下は歩道を隔てる新たな壁が構築されてフェンスが立てられました。
かつての歩道の撤去と車道の一車線追加が進められており、今後、既存の街灯や道路標識も移設もしくは更新される模様です。
生田川と生田川右岸線の間の高架下スペースの一部は以前は公園でしたが、リニューアル後も公園として再整備されるのでしょうか。
完成時期まではまだ約10ヵ月の工期が残されていますが、現在の進捗状況を見る限り、それ以前に完成するような気がします。少なくとも12月以前には車道の供用開始は開始されるのではないかと思われます。
この生田川右岸線の改良によって神戸市は新神戸とポートアイランド及び神戸空港間のアクセス改善を目的としていましたが、ここに来て、来年度から新神戸トンネルを延伸し、港島トンネルと接続する事業に着手するという報道がありました。先日発表された来年度の神戸市予算案にも「新神戸トンネル南伸部等の事業化検討」が記載されていました。
無論、生田川右岸線の改良工事は現状の渋滞解消という目的は達せられると思いますが、ここに来て、新神戸トンネルの延伸が出てきた背景には、大阪湾岸道路西伸部の工事が進行し、南北道路の交通量増大に備える事も目的とされていますが、その他にも前回の関西三空港懇談会にて神戸空港の国際化が本格的に議題に乗った事、これをクリアしていく課題の中には神戸空港へのアクセスや輸送交通手段を抜本的に見直す事が求められた点も影響しているのではないかと思われます。
港島トンネルの開通と延伸部の完成によって国道2号線以南の都心部とポートアイランド及び神戸空港方面のアクセス性は大きく改善・向上しました。
新神戸トンネルは国道2号線の少し北側で地上に一旦出てきます。延伸部は地上を経由して再び地下に潜る事を想定しているのか、それとも南北線はそのまま地下道路を延伸して、港島トンネルと直結する構想なのでしょうか。
つまりこの延伸工事は現在、改良工事が行われている生田川右岸線の地下工事になる事が予想されます。
また新神戸トンネル延伸構想を報じた神戸新聞の記事内には「三宮からポーアイに行きやすくするため、南伸部に国道2号からの出入り口を設けることを検討する」と記載されています。
本ブログ読者のカンさんはこれについて面白い仮説を立ててくれました。
「本当に新神戸トンネル南伸部と2号線の接合部に南向きに入口を整備するだけでは、新港東ふ頭連絡道が既に整備されているためにほぼ意味を成しません。つまり、実際に2号線との南向きの出入口を整備するのであれば、もう少し都心部、つまり西伸したところに出入口を作ることになるのでは」
この西伸した出入口の場所として想定したのが、雲井通5丁目再開発が始動する付近です。現在、神戸市都市局が沿道で地質調査を実施しています。この目的がこの新神戸トンネル延伸部の国道2号線上の出入口検討だとしたら、三宮から神戸空港への道路アクセスは飛躍的に向上します。雲井通5丁目の新設バスターミナルから空港直通バスが運行されれば、ターミナルを出てすぐにトンネルに入り、一気にポーアイまでダイレクトにアクセスできます。またバスターミナルはJR三ノ宮駅や阪神神戸三宮駅と地下、地上、デッキでバリアフリーによって接続+JR駅に新東口改札が開設されれば、バスターミナルとの連絡は更に容易になるでしょう。神戸空港の拡大には大量輸送手段の整備が条件としてしばしば挙げられていますが、神戸市はこれまで鉄道整備には消極的で、あくまでもバスやBRTを使う事を前提としています。
また神戸市は既に神戸空港島とポートアイランドを結ぶ連絡橋「神戸スカイブリッジ」の4車線化に着手しています。
現在の生田川右岸線の改良工事は事業費としては4億円程度なので、空港アクセス改善の切り札とするには小規模な事業です。渋滞解消効果が得られれば、費用対効果は高いでしょう。しかしながら新神戸トンネル延伸事業については難工事が予想され、事業完了時期は未定となっています。本格的に事業着手として捉えるのはまだ先の話かもしれません。
生田川右岸線道路改良工事 道路整備が進捗 新神戸トンネル延伸事業検討も来年度着手を予定 都心-ポーアイ-神戸空港間のアクセス・交通量キャパの向上を図る切り札か?
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新神戸トンネル南進は神戸空港の国際化に向けて、市街地からのアクセス強化が目的の重要事業です。報じた神戸新聞の記事内の「三宮からポーアイに行きやすくするため、南伸部に国道2号からの出入り口を設けることを検討する」の意図が、新バスターミナルビル付近に出入口を設け三宮都心と直結されるなら、ブログで言われている通り画期的な事です。新神戸-神戸空港のアクセス強化は空港の広域集客に寄与し、三宮-神戸空港のアクセス強化は三宮都心を国際空港に直結した関西圏最大の臨空都心に格上げし、企業誘致に大きく寄与します。
関西圏は現在も継続的に続く本社中枢機能の首都圏転出と産業空洞化が同時に進み、圏域最大都市大阪にしても地方都市化が止まらず、関西全体を牽引する力は既にありません。それでも関西圏は東京一極の首都圏と異なり、京阪神三都がそれぞれ独立した都市圏を持ち昼間人口比率が100を超える大都市が近接して存在する唯一の地域です。京阪神が多核都市連合として複数の国際空港を経由して世界市場と直結することが成長インフラの乏しい関西圏の将来への展望です。
神戸空港国際化に向け、やっと神戸市も重い腰を上げたと期待しますが、神戸空港の早期国際化が関西圏の最大利益に繋がる事は疑いなく、国土中心軸から南に大きく外れた関西空港のみに国際線を就航させる愚策は圏域の利益を大きく損なう事であって一刻も早く是正しなければなりません。そもそも神戸空港1時間圏の1000万人の人達に、「国際線を利用するなら和歌山近くの関西空港を利用してください。」とは呆れる限りです。神戸空港がその優れた立地で圏域の中核国際空港と成長する事は宿命なのです。
神戸市はこれまで根本的に問題解決を真正面から向き合おうという姿勢に欠けてきました。いずれもコストが掛かるからと避けており、中途半端な施策で結局得られる結果もやはり中途半端。今回の件がその本気度を表す指標になるのでしょうか。
いつも楽しく読ませていただいています。
新神戸トンネルの南伸部については、生田川から南向きに出る際にも、未着工部分が既に枝分かれしていたかと思います。港島トンネルからの進入部はもともと合流形式で造成されていますから、素直に考えれば両端を地下で繋ぐのではないかと想像しています。
新神戸トンネルへの西伸部出入口ですが、実装の場合はご存知の通り長期工事していた阪神線三宮駅との整合を地上で取るか、はたまたさらに下に潜ってバスターミナルへ接続可能かは、思案のしどころだと思います。
もともと神戸市の提案する三宮クロススクエアは、中央部分を巨大な歩行者天国とすることをグランドデザインとしていましたので、その手前をロータリーの一部として共用するのは抵抗のない話と想像します。(というか悲願?)
三宮駅から神戸空港までは、バスは公称で20分ですが、駅ロータリーから2号線に出るまで10分かかるといわれています。本来この2点間の距離は道路長で約8km、PTPSによるBRTで結べば本来5分で到達できる距離であることが、この話の要旨です。
2030年といいますが、2025年開催の大阪万博はすでに工期が間に合わないといわれています。8年後はすぐそこです。
具体化する内容を、楽しみにして見ていきたいと思います。
本当に実現すれば15分掛からずに空港へのアクセスが可能になり、ポートライナーを上回る利便性が確保できる事になります。便数も5分置きに設定すれば、利用者も手軽に使えるようになるでしょう。迅速に動く事が必要ですね。
阪神本線の深度はどれくらいなんでしょうね。阪神電鉄は生田川の地下を通っているので、そのさらに地下となれば相当な深さになると思うので2国の南側に出入口を作りそうな予感がします。
どーせ、トンネルを掘るのであれば、道路と併設で、新神戸⇔空港間を地下鉄又は阪神電鉄で繋いでほしいですね。
そして、駅間は無いに等しいですが、阪急も阪神も春日野道駅を廃止して生田川出入口付近に新駅を設置して大量輸送を実現させて欲しいものです。
この深さが難工事と記載されていた理由かと思われます。阪神電車の支線を90度曲げるもかなりの難工事になりそうですが、梅田と神戸空港が直通となれば、関西圏における同空港の役割は大きく向上するでしょう。市はどうしても三宮を経由させたいでしょうが。
現実的ではありませんが、JRの廃線「神戸臨港線」を復活させて、神戸空港に伸ばせたらどうでしょう。
姫路や京都方面から新快速が神戸空港にむかう。
夢のような光景です。
工事費はカット出来そうですが、せっかくの遊歩道を元に戻すのも難しいでしょうね
この案は私も考えた事がありますが、いずれにせよ単線なのでそのまま使う事が出来ませんね。鉄道はいずれにせよ必要になってくるとは思います。