リノベーション神戸プロジェクトの整備拠点の一つである名谷駅周辺。駅ビルや駅前の商業施設、広場をリニューアルする計画が開始されています。既に大丸須磨店4階に今春、名谷図書館が開館した他、須磨パティオの駐車場内に新たな立体駐車場の建設も開始されており、この完成後には平面駐車場の一部を分譲マンションに転換する事で駅前エリアの居住人口を増加させる他、新たな集客施設を誘致して賑わいの創出も図ります。
次に着手するのは駅ビルのリニューアルです。既に駅ビルの改修とその後の運営を委託する民間事業者はJR西日本アーバン開発株式会社を代表企業とした企業グループに決定しています。
駅ビルの改修も段階的に整備が進みます。まずほ既存駅ビルの北側に駅ビル北館を建設します。この為、建設予定地に近接する詰所を移設する必要があります。
新詰所をまず現在のバスロータリー内に建設した後、現在の老朽化した詰所を解体します。解体後は駅ビル北館を建設する為の資材ヤードとして活用する予定です。
その後に駅ビル北館を一般車ロータリー前に建設。新築ビルの完成後に、既存駅ビル内のテナントを北館に移転します。
新築の北館とバランスを取る為、既存の駅ビルも大胆にリニューアルが図られる予定です。改札上の空間は2層吹き抜けになっていますが、ビル内の商業フロアから改札内外のコンコースが見下ろせる開放的な吹き抜けへと改修されます。
駅ビル1階の改修プランです。改札上に吹き抜けを設ける他、改札前には2階にアクセスするエスカレーターを新たに設置するようです。また中央の外壁を撤去して、バスロータリーに面した出入口を新設します。
2階は吹き抜けを中央に配して現在、定期券売場等になっている区画も含めてテナント区画を増やします。既存の階段は撤去して、階下へのアクセスはエスカレーターのみになります。
テナントのリーシングについてはJR西日本アーバン開発株式会社の手腕に掛かっています。名谷は駅前の須磨パティオにかなりの有力テナントが既に出店していますが、駅ビル内に複数の名谷初新進出テナントの開業が見込まれます。JR西日本アーバン開発株式会社はJR神戸線、山陽本線沿線の駅ビルや高架下商業施設の開発を行ってきた実績があります。
名谷駅改札内にも仮囲いが設置されています。
仮囲いはホームで行われている転落防止の可動式ホーム柵の設置工事の為に設けられています。神戸市は市営地下鉄西神・山手線、北神線の全駅にホーム柵の設置を開始しています。三宮を皮切りに、新長田、西神中央、そして名谷、新神戸と設置工事が進行中です。
名谷駅は西神・山手線では数少ない2面ホームを備えた駅です。名谷はその拠点性と駅周辺の商業施設の充実度、三宮までの距離、周辺環境の良さも含めて住みやすさは格段に高く、ポテンシャルは高いと言えるでしょう。阪急との相互直通運転が白紙になった今、沿線の価値を高めるには西神・山手線での快速運転の検討を再度、本格的に議論すべきではないかと思います。