東遊園地再整備の基本計画策定が今年3月に完了した事に伴い、神戸市は設計業務を担う委託事業者を募る公募型プロポーザルを広告しました。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/park/plan/301228saiseibikihonkeikakuhonbun.pdf
東遊園地再整備基本計画(案)
この基本計画案を反映し、東遊園地の集客性、園内の動線改善、周辺都心地区からの回遊性、ウォーターフロントと三宮を結ぶ結節点としての役割向上などの課題の解決策を盛り込んだ設計の提案が求められる事になります。
集客性
これについてはカフェを基本としてプラスアルファの機能も求められます。近年、メリケンパークをはじめ、カフェ誘致による公園活性化の成功例が相次ぎます。東遊園地もカフェの開業は集客力向上には必須と言えます。
回遊性
この公園は東西方向も南北方向も通り抜けるのが容易ではありません。動線が確立されておらず、従って東西南北の人の流れを分断している一要因となっています。フラワーロードと芝生広場の間に良質な緑の空間が存在しますが、これが東西方向を遮っています。また公園が葺合南58号線によっても北の南に公園が分かれており、特に南側はあまり公園としても有効活用されていません。廃道も含めた検討が必要でしょう。
豊かな緑
公園の歴史が深いせいか樹木は成熟しており、都心のオアシスとしての機能は十分に果たしています。芝生広場も社会実験開始から3年が経過し、春~秋の期間に芝がある事は定着してきました。しかし神戸まつり、神戸マラソン、ルミナリエ、1.17のつどいと大きなイベントがある事で芝が擦り切れて消滅していき、春前に養生するというパターンを繰り返しています。
あまり公園の構造そのものに手を加えず、公園北側にカフェを誘致し、東西南北の動線を整理し、南側にも賑わい施設を設ける程度の再整備になるような感が漂います。しかし再整備するのなら、イベント空間と芝生広場は敢えて分けて整備する等、もっと大胆な方向に手を加えるべきなのではと考えます。
また成熟した木々は植え替えによって再配置を行うべきかと思います。一部はみなとのもり公園に植樹しても良いでしょう。
今後のスケジュールですが、企画提案書の締切は8月23日。審査を9月中旬に実施し、同月中旬には選定結果を通知する予定です。広告から決定までを2ヶ月で完了させるスピードは評価できると思います。その後は実施設計を経て、二期に分けた整備工事が予定されており、第I期の北側部分は新中央総合庁舎の完成と合わせて2021年末にリニューアルオープン、南側は市庁舎2号館跡の新庁舎ビルの完成と合わせた2025年の改修完了が想定されているようです。
神戸市が東遊園地再整備基本設計業務の公募プロポーザルを広告 9月には事業者決定
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