西区

かつて街を造った巨大地下トンネルが、AI時代の「地中型データセンター」へ生まれ変わる!産業遺構の斬新な活用策


生成AIの普及やデジタル化の加速に伴い、世界中で急増している「データセンター」。しかし、膨大な電力を消費することや、巨大な敷地の確保、そしてサーバーの「冷却」が大きな課題となっています。  そんな中、西区にある「ある巨大な遊休インフラ」をデータセンターとして再生させる、国内初のプロジェクトが発表されました。その驚きの全貌と、神戸市内の他のデータセンター事情について迫ります!  

20世紀の神戸を支えた「須磨ベルトコンベア」とは?



今回の舞台となるのは、西区に残る旧土砂運搬用ベルトコンベアのトンネル(総延長約14.5kmのうち約3kmの区間)です。  昭和30〜40年代、神戸市では六甲山系の山を切り開き、その土砂を海へ運んでポートアイランドや六甲アイランド、神戸空港といった人工島や大規模な住宅・産業団地を造る「山、海へ行く」という壮大な都市開発が進められました。  

その膨大な土砂を効率よく運ぶために活躍したのが、総延長14.5kmにも及ぶ巨大なベルトコンベアと地下トンネルです。2005年にその役目を終え、約20年間眠っていたこの巨大土木遺産が、時代を超えて「デジタルインフラ」へと大転生することになったのです。  

2. なぜトンネル?「地中型データセンター」のメリット



三井不動産、熊谷組、ゲットワークスなどの企業グループが手がけるこのプロジェクト。既存の地下トンネルを活用した商用データセンターとしては「日本初」となります。注目すべきポイントは主に3つあります。  

天然のエアコン効果(年間15〜20℃)

トンネルの大部分は地下約40m以深に位置しており、年間を通じて温度が15〜20℃と非常に安定しています。サーバーの冷却にかかる膨大なエネルギー(コスト・電力)を大幅に抑えることができます。  

地下水の有効活用

地下水を循環利用する水冷方式を採用し、環境負荷の低減と高効率な運用を両立させます。  

高い安全性と拡張性

地下深部ならではの高い耐震性や、外部からのアクセスが制限される物理的なセキュリティの高さを誇ります。コンテナ型のサーバー設備を順次増設し、将来的には最大受電容量20MW(メガワット)規模の大規模な施設へと拡大する計画です。  

初期開発分のサービス開始は2027年末を予定。物質を運ぶために掘られた地下空間が、これからはAIやクラウドのデータを支える大動脈になるなんて、ロマンを感じずにはいられません!

3. 神戸市内の他のデータセンター



今回のベルトコンベア跡地のようなユニークな立地だけでなく、実は神戸市内には、大手IT企業や通信事業者による重要なデータセンターがいくつも集積しています。  

西神中央・内陸部エリアのデータセンター群

地震などの災害リスクが比較的低いとされる神戸の内陸部(西神ニュータウンや周辺の産業団地など)は、データセンターの立地場所として非常に人気があります。大手通信事業者(NTT西日本など)やNECをはじめとする企業が、クラウド需要の急増を背景に大型のデータセンターや複数棟の施設を展開・拡張しています。  

都市型・商用データセンター

都心部や臨海部周辺でも、地域に根ざした情報処理サービスや企業のBCP(事業継続計画)を支える拠点として、さくらケーシーエス(NECグループ)などの地元IT基盤を支えるデータセンターが稼働しています。  

海の神戸、山の神戸が一体となって発展してきた歴史を持つ神戸市は、今や「多様な環境を活かしたデータセンターの集積地」としての顔も強めつつあります。  



かつて神戸の街のかたちを物理的に創り上げた「ベルトコンベアトンネル」が、約20年の時を経て、最先端のAIやデジタル社会を支える「地中型データセンター」へ。  

地上では真似できない地下の冷涼な環境や既存インフラを再利用するこの取り組みは、全国の遊休インフラ活用のモデルケースとしても大いに注目を集めそうです。  

2027年末の運用開始に向けて、神戸の地下深くで進む新たな歴史の始まりから目が離せません。また今後も同トンネルの残りの区間についても新たな活用方法について検討・模索も続く事になるでしょう。次はどんな活用策が出てくるのでしょうか。サウンディング型市場調査では、研究実証拠点、情報関連施設、植物工場、植物由来原料の生産工場、貯蔵・保管庫等の提案が出ていました。インバウンドも意識し、トンネルを活用した宿泊施設等も面白いかもしれません。

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