4日間続けた奈良県立コンベンションセンター周辺施設の特集も今回がラストとなります。最終回は同コンベンションセンターの内部の様子をレポートします。開発街区内の建物は全てその外装を校倉造りをモチーフにした段状の外壁を採用していますが、それらの建物の内装も天然木材を豊富に活用して、現代建築と和と自然の調和を図っています。
メインエントランスの軒下にも木材のトラスが取り付けられており、浮き上がった建物名称サインを際立たせる役割も果たしています。
エントランスを入るとレセプションカウンターがあります。この周りの壁面も校倉造りを意識して、凸凹状且つ水平の木材を取り付けています。まるでホテルのようですね。
ホールの外周通路の天井は木製格子を無数に取り付けています。その目は細かく暖かみのある照明と共に柔らかい雰囲気を醸し出しています。
コーナー周りから通路を見渡すとその姿には圧倒されます。ほぼ木の天井と言って良い程のルーバー量です。
エントランス横のロビースペースには広目天の像が展示されています。仏教の守護神で帝釈天につかえる四天王の一神であり、広目天は千里眼もしくは浄天眼という千里を見通す眼力を持つそうです。
その背後には1枚板の木製ベンチが置かれています。
エントランスホール横に2階へのエスカレーターが設置されています。
階上の様子です。天井のスリットに木の模様の装飾の入った間接照明や、壁の校倉造りをイメージした木製パネル、捻りを加えたデザインの木製ベンチ等、随所に拘りを感じる落ち着いたインテリアです。
コンベンション機能の規模はホール2000席と特筆して大きくはありませんが、古都・奈良の持つ歴史と意気込みを感じさせ、海外から訪れる来場者を感嘆させるに十分な装いを備えています。
やはり神戸も国際展示場の建て替えによる最新鋭のコンベンション施設の保有は今後、神戸空港の国際化に伴って必要になるでしょう。奈良の例を見習って、PFI方式で民間資金活用による建て替えと国際ホテルの誘致をセットで進めるへぎなのではないでしょうか。
地域探訪: 奈良県立コンベンションセンター 内部も天然素材をふんだんに活用したデザイン性の高い国際MICE施設
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
倭は 国の真秀ろば たたなづく 青垣 山籠れる 倭しうるはし…華美に走らず清潔感清涼感のある古都に相応しい施設で施設ですね。中核集客施設が蔦屋書店というのも面白い。
奈良は大好きな都市の一つで、忘れた頃に古刹巡りに出かけるのですが、県庁周辺や西の京、斑鳩と定番の観光地ばかりで、市役所界隈には足を運んだことが無く恥ずかしながらこの開発を知りませんでした。
奈良が神戸市と同じく、通過型の観光地となっていたのは、外資系高級ホテルも無くナイトライフの充実度が京都大阪と比べ決定的に劣っているからだと思います。
ただ、奈良は神戸と比べ、名所旧跡・寺社仏閣や国立博物館など1日では観賞できないほど多くの文化遺産があります。
その意味でマリオットの誘致成功は大きかったのではないでしょうか?コロナ騒動も収束が見え始め今後その効果が検証できるのではないかと思います。
奈良はつかみ所が難しい街ですね。広範囲に見所が分散していて宿泊施設も意外と少ない。日帰りで大阪から行ける距離という面でも神戸同様に宿泊観光が少ない理由にもなっています。でも良い街です。コンベンションセンターとマリオット、蔦屋という異色の組み合わせもうまくマッチして機能しているように思えました。