いよいよ竣工間近！ -御影タワーレジデンスと阪神御影駅周辺-

阪神御影駅前の御影工業高校跡地で進められていた再開発事業が完成を間近に迎えています。先行オープンした商業棟に続き、分譲住宅と高齢者住宅を含む超高層棟も3月末に入居を予定しています。

一時はコンペ案の採用で揉め事があったり、183ｍの最高高さを170ｍに縮小したりと紆余曲折の末、名実と共に神戸市内最高峰の超高層ビル「御影タワーレジデンス」がようやく完成を迎えます。



奇をてらったデザインではありませんが、堅実かつ地域のランドマークに相応しい外観です。デザイン的にも規模的にも千里中央のザ・千里タワーに似ている気もします。双方とも住友商事がメインの事業主です。できれば都心に欲しかったですね。



駅前からレジデンスタワーへのアプローチです。デッキ化されていますが、将来的には駅へ直結するぺデストリアンデッキが整備される予定です。



建物の西側、商業棟の北側には広大な公開空地「フォレストプラザ」が整備されています。不思議なモニュメントが多数配置され、人工の滝等の親水空間も設置されました。また低層階は高齢者住宅になります。



高さがある建物なので、ある程度の距離を置いて眺めた方が頂部のディテールがよく分かります。阪神高速やハーバーウェイの走行中の車内からもその突出ぶりは明らかです。塔屋部には夜間のライトアップが施される予定ですので、点灯後に再訪問したいと思います。



先行開業した商業施設「御影クラッセ」です。阪神百貨店をキーテナントに70の専門店が入居しています。



施設の前面はクラッセ広場と呼ばれ半屋外のアトリウム空間となっており、意外と凝ったデザインが採用されています。

しかしながら、この阪神百貨店も販売面では苦戦しているそうです。やはり周辺エリアにおけるオーバーストア状態が否めません。この再開発は市の誘導による民間コンペ事業ですが、こうした規模の商業施設の林立が更なる消耗戦を引き起こしている気がしてなりません。

後背エリアに広がる高級住宅街を睨んでか御影クラッセのクオリティは高いと思われますが、周囲には六甲アイランドのファッションプラザやJR住吉駅ビル、芦屋駅ビル、HAT神戸のブルメールと似通った施設が集中しています。



そうしたオーバーストアとパイの奪い合いの激戦に敗れたのが御影駅前南側にあった長崎屋御影店です。一時は住民の希望に沿う形で営業を継続しましたが、最終的には閉店を余儀なくされました。関西では数少ない長崎屋ですが、その一店が姿を消しました。跡地利用の具体的な構想はまだ明らかになっていません。



御影と駅前広場です。長崎屋の立地は非常に良いですが、建物も老朽化しており、建替えは必須でしょう。この際、周囲のビルと共に再開発の機運が高まることを願います。御影タワーレジデンス程の規模ではないにしろ、駅と直結したタワーマンションであれば需要はあるのではないかと思います。

話は変わりますが、先日、ミント神戸地下階に入居するさんのみや阪神食品館が一時休業するという報道がありました。こちらも赤字経営が続いていたようです。西宮、御影、三宮、そして尼崎と小中型店を積極的に展開してきた阪神百貨店ですが、昨今のデパート業界再編の波は神戸にも及び始めてしまいました。

たださんのみや食品館は売場面積も小さく、無難に各種1-2店舗を集めたミニデパ地下というコンセプトは郊外ならともかく、都心での消費者には受け入れ難い形態だと思います。本物のデパ地下が目と鼻の先にあるのですから。

再開時期は未定だということですが、戦略の見直しが必要でしょう。フロアの面積が小さいのですから、いっそのこと何かに特化した方が人を集めやすいと思います。神戸では在り来たりかもしれませんが、スイーツのみに集約するのも一つの手です。阪神梅田本店のように行列のできる店を誘致することも大事です。今後、三宮駅東口と直結するのですから、立地条件が悪いわけではありません。早い時期での再開を願いたいと思います。

御影タワーレジデンスから話がずれてしまいましたが、神戸一の超高層ビルの誕生を単純に祝いたいと思います。次の神戸一の更新は3年後です。同レジデンスタワーの夜間の照明演出が楽しみです。