神戸市が海岸通沿いの波止場町1丁目に保有するみなと公園東側の神戸市水上警察署及び神戸第2地方合同庁舎別館跡地である2,755.44平方メートルを民間資金を活用してウォーターフロント地区の活性化を目指す為、土地を賃借して集客施設を建設、運営する事業者及び活用提案を公募していました。

この土地は今後、神戸市が計画する南側の船溜まりの埋め立てによって新たに出現するウォーターフロント開発の種地の導入部に位置し、メリケンパークと新港町を結ぶ結節点にも当たる為、エリアの回遊性や賑わいにおける重要拠点としての役割を果たす事が求められます。

公募で求められた条件をおさらいすると、以下を満たす必要がありました。
- ウォーターフロントエリアの玄関口にふさわしく、旧居留地やウォーターフロントの各施設と相乗効果が期待できる施設
公園、庭園 - 収益施設の建設及び施設と一体となった高質な緑地空間を整備し、恒常的な賑わい創出に資する事業計画
- 省エネルギー対策など脱炭素社会の実現に向けた環境対策への配慮等、SDGs の取組みや、高温常態化対策を積極的に取り入れた事業計画
- 着工時期は事業用定期借地権設定契約締結後6カ月以内に現地着手(測量調査等を含む)
- 開放された緑地機能を確保するため、建築物及び付帯施設(駐車区画等)を設ける面積は公募対象区域の 50%未満

優先交渉権者に選定されたのは、建隆インベストメントを代表企業とし、村上工務店、大丸松坂屋百貨店を構成企業とするコンソーシアム。「音楽の図書館」をコンセプトとした施設を提案しました。建物規模は地上2階建で、イベント利用も可能なライブハウス、カフェを用途とし、緑地空間の創出も創出する計画です。
まずは希望通りライブハウスの提案が選定された事は嬉しい限りです。当ブログでは波止場町にアリーナをと提言しましたが、アリーナは第2突堤に実現しました。

更に新たにライブハウスがウォーターフロントエリアに完成すると、音楽イベント施設の集積地として、業界での神戸の認知度が高まり、興行も増えて人も集まりやすくなります。横浜みなとみらいでは既に施設の集積からこうした傾向が見られ、来街者の増加と周辺地域への回遊・経済効果の波及が見られています。イベントは昼夜を問わずに開催される為、ナイトタイムエコノミーにも効果を発揮するでしょう。

代表企業の建隆インベストメントは道路を挟んで反対側に本社を構える建隆の子会社です。神戸都心に多くのテナントビルを抱える地場デベロッパーで、これに神戸市の都心や地域拠点の再整備に積極的に参画している村上工務店がタッグを組み、そして更には旧居留地を面的に開発している大丸松坂屋も相乗りするという「地元愛」に溢れる企業が選定されたと言えるでしょう。それだけに施設に掛けられる期待は大きいです。施設の運営には三社が共同で新たに新会社を設立する模様です。

ライブハウスの収容規模は1,000人程との事で、2,000-3,000人規模のZepp程の大きさではなく、中規模のCLUB QUATTROより少し大きなサイズ。人気の出てきたアーティストが初ワンマンライブをするのに丁度良い規模と言えそうです。ジーライオンや神戸国際ホール、新文化大ホールと連携する音楽イベントの開催も検討できそうです。大規模な音楽フェスは現在、大阪を中心に行われていますが、イベント会場が集積すると、フェスの開催が可能になります。施設の開業は2028年春を予定している為、計画地に地中障害物がまだ存在する場合は年内にも着工する可能性があるでしょう。また一つ、完成が楽しみなプロジェクトが始動します!

