老朽化が進み、市民からも建て替えを望む多くの声が上がる大型複合商業施設「三宮さんサンタープラザ(さんプラザ、センタープラザ、センタープラザ西館)」。同ビルの再整備については既に過去6年間に渡って検討に係る費用を市の予算として計上し、協議や調査が続けられてきました。この調査では建て替えの際に生じる周囲への影響や法的な課題などを整理し、約400人にもなる区分所有者の意向調査も含まれていました。しかしこの間にも2022年よりビル3館の外壁の大規模改修工事が進められ、昨年に完了を迎えています。昨日、この施設の建て替えについての進捗が神戸新聞によって報道されました。
報道によると、20年に発足した区分所有者理事会の理事らで構成される「今後のビルのあり方検討会」が、昨年には「建て替え検討会」に変更された上、更に今年6月には各区分所有者集会にて市街地再開発協議会の設立に向けた準備を議決し、7月に準備会が発足したようです。
この6年間は殆ど進捗らしい進捗は聞こえてきませんでしたが、ようやく建て替えに向けた本格的な準備が進むようです。しかしながら4年前には震災後に撤去されたさんプラザの上層階を巡った係争の存在が明るみに出ました。これによる足止めが長期化する懸念がありましたが、準備会が発足したという事は問題決着に目処がついたという事でしょうか。
建て替えの対象である3館の合計敷地面積は約1.6ヘクタールと都心で最大規模の商業施設であり、市内で最大の商店街である三宮センター街を形成する中核ともなっています。この規模は現在、再開発が進行する雲井通5・6丁目、JR三ノ宮駅ビル、市庁舎2号館も大きく凌駕します。またこの施設の建て替えは三宮センター街の構造をも大きく変える可能性を含んでおり、三宮の商業地図を完全に塗り替える事になるでしょう。
再開発の内容は無論、これから詰めて行く事になり、区分所有者の一画をなす神戸市とその他の所有者、そして大手不動産会社が参画する官民連携の大規模再開発となるでしょう。また実際に再開発を進めるには建物の区分所有者の5分の4以上の合意及び各棟の3分の2以上の合意が必要とされます。400名という事は単純計算で320名からの合意です。ただ区分所有者内におけるアンケートでは建て替えに賛成の意見が7割に至っているようで、8割に達するにはもうあと一息です。
三宮センター街内ではジャンク堂書店等が入る防災ビルの建て替えも検討されています。さんセンタープラザの再開発組合が結成されると、センター街内の他の再開発ビルの建て替えにも波及する可能性を秘めており、センター街を一体的に再構築できる機会が生まれます。これにはセンター街の各振興組合や三宮1-3丁目のビル保有者や地権者を含めた包括的なグランドデザインを策定する必要がありますが、その先陣をさんセンタープラザが切る形で牽引していって欲しいと思います。10年では終わらない長期プロジェクトになる事は必至ですが、100年に一度の都心大改造として前進を期待したいと思います。まずは3館建て替えの都市計画決定及び既存建物の解体を5年以内に開始。2035年までに建て替えを完了するスケジュールに是非とも乗せてくれると嬉しい限りです。
三宮さんセンタープラザの建て替え計画実現へ向けて一歩前進 都心最大の複合商業施設の大改造をセンター街の再編に繋げたい
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センタープラザの建て替えそのものは大賛成なのですが、ただでさえコンパクトな三宮であれだけの規模のものが作り替わるとなると相当期間遊ぶ(買い物等)場所が減ってしまうと思います。
本当は商業面積がしっかり確保されるJR駅ビルが完成してから工事を始める方がいいんでしょうけど、それだと時間がかかり過ぎるんでしょうかね?
個人的には一等地に居座っているパチ屋あたりの入換から始めて欲しいのですが…
さんプラザの解体された上層階は、開業当初から事業性に問題を抱え震災前には既に大部分が閉鎖状態だったとか。自分は4F5Fの駐車場までしか利用したことがありませんが、残っている6F部分の有料見学会とかを行えばコアなファンが反応しそうではあります。
いつもありがとうございます。楽しく拝読しております。神戸がますます楽しみになりました!こちらの記事をきっかけに自分でも本件も色々調べてみます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!